あえてカテゴリーを「コンサルティングのノウハウ」としました。
家裁調査官、というお仕事があります。離婚や少年犯罪が起きた場合、いろいろな対処が考えられます。
少年犯罪の場合だと、有罪、無罪にあたる判断のほか、「現状のまま様子を見る」「親や不良仲間と引き離して様子を見る」などいろいろな対応が選択しに上がるそうです。
実情の調査を基に真実を解きほぐす、家裁調査官。それに必要なのは高度なカウンセリング能力と聞き取り力。経営コンサルタントと全く同じです。
どうして感情はもつれるのか。どうやったら人は変われるのか(本書では、犯罪や薬物からどうやって脱却するかとして描かれます)。
コンサルティングのヒント満載です。
例えば…
「オレがこうなったのもお前(親)のせいだ!」と家庭内で暴れる息子。調査官のアドバイスは、「そのセリフを言いたくなったら『どうしていいかわからない』と言い換えて」というものでした。それで親子ともストレスが激減したそうです。
また、昔と違って子育ての参考にできる「お隣さん」がいない状況だと、「子供が生まれて初めて赤ん坊に接する」(近所に接することのできる赤ん坊がいれば事前にこんな感じ、というように理解する機会もあるが現実は少ない)「1対1で向き合うしかない」(誰かに預かってもらう、などのオプションが少ない)。その結果、親からみた子供、子供から見た親との関係は深く濃密になっていく。そして…親離れ、子離れがスムースにいかずトラブルになりがち、と。
良書です。