ヤクザになる理由 (新潮新書)

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著者 : 廣末登
  • 新潮社 (2016年7月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106781

ヤクザになる理由 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 筆者も昔グレてて、統計上の研究だけでなく実際に、当事者偽色を取りながら論を展開する。判りやすいし納得しやすい。
    他社の論にも触れているし、論の展開も淡々としている。
    最も面白いのは、元やっちゃんのインタービュー部分だったりするのがだが、入門書的であり網羅的。

  • 非行に走っても、その先の受け皿(暴力団)がなければ、そこで立ち消えになる?

  • ■暴力団対策の二つの問題。
    ・若者の暴力団加入問題
    ・暴力団離脱者の社会復帰問題
    ■社会科家庭の中心点は子供が自己の生れついた社会の文化を内在化すること。
    ■下層階級の家庭の経済状況は不安定であり,その日暮らしであり,まじめに働いても獲得できる報酬は少ないので,常に金を稼ぐことにあくせくしている。彼らには芸術を鑑賞する感覚もなく,怒りや悲しみを直接的に言動に表出し,感情の表現が洗練されていない。そのような家庭で育った子供は親自身の教養が低く自分の子供を社会的に躾けていくのに自信がなく,場当たり的な矛盾した教育を行うか,あるいは全く放任している。その結果,子供は社会的個人として十分な躾を受けることはない。彼らの日常行う行動は中流階級の倫理価値からすれば,そのまま非行につながり日常生活そのものが飛行文化的な生活になっている。そして家庭の躾が十分になされず日常生活が不安定な下層階級の人たちは犯罪や非行的文化に接触する機会が多く犯罪や非行的文化に慣れてしまっていることが多いので犯罪や非行に対する態度は寛容,容認的となっている。
    ■暴力団加入経験者の家庭
    ・単親家庭
    ・疑似単親家庭:共働き家庭や長期出稼ぎ
    ・葛藤家庭:家庭内暴力が絶えない
    ・放置家庭:学童期に門限がない,躾や勉強の面倒を見ない
    ・意思疎通上の機能不全家庭:親子の会話が極めて少ない
    ■グレるという言葉の由来
    ・ハマグリを逆にしたグリハマという語をグレハマと訛り,それが動詞化されたもの。ハマグリは対でない他の貝と合わせると食い違うところからきた。
    ・まぐれる(紛れる)=迷うから転じたという説もある
    ■暴力団に加入する青少年の学校との関わり
    ①教育歴が短く義務教育修了者か高校中退者が多い
    ②学業成績が不振であり怠学歴も顕著で教育的アチーブメントの水準(学歴)が極めて低い
    ③学校内に親しい友人がなく学校生活への全体的な不適応が認められる(筆者は違和感)
    ・暴力団経験者学校不適応者であったか否かを検討する際,フォーマルな教師文化の視点に立つかインフォーマルな生徒文化の視点に立つかによりその結果は異なったものとなる
    ・筆者の調査では暴力団経験者の多くが学校における生徒文化に適応しそこで肯定的な評価を受け高い地位を得ていた
    ■「グレる分かれ道」は中学時代
    ■非行の第一段階は,家財の持ち出しや万引き自転車泥棒,学校・学級内窃盗など児童期の狭い活動範囲内における単純な非行
    ■非行の第二段階は,深夜徘徊,万引き,カツアゲ(路上強盗),オートバイ使用窃盗,暴走行為,シンナーや薬物の乱用,性非行等
    ・特徴的なこととして挙げられるのが「集団化」
    ■暴走族構成員やグレン隊の成員の意識の基盤には落伍者意識が常にあり,その結果自分と同じレベルにある社会的落伍者としての仲間との連帯を大切にし「仲間を極端に大事にする」。
    ■暴力団は典型的な「非合法的な機会構造」。
    ■覚せい剤のことを「骨までしゃぶる」から「シャブ」と言うようになった。
    ■シャブをやらないといけない場面
    ・住み込みで雑用をやる時期(部屋住み)には寝る時間がなく,親分を車の中で待たなければならない
    ・兄貴分から勧められる
    ■人がグレ続けて暴力団に加入する社会的な要因
    ①機能不全家庭による社会化
    ②学校内の教師を評価主体とする学校文化における否定的評価
    ③学校内生徒文化における肯定的評価や支持
    ④非行集団による地位の付与
    ⑤近隣地域における暴力団組織の存在
    ■暴力団加入における個人的要因
    ①学業成績不振者である
    ②中卒や高校中退者が多く教育的アチーブメントの水準(学歴)が低い
    ③非行集団加入歴がみられる
    ④早い時期から非行の傾向がみられる
    ⑤帰属する集団内において地位への主着がみ... 続きを読む

  • 私はヤクザという存在が嫌いではないというかむしろ好きなのですが、
    この本の、ヤクザになったのを人のせいにしている感じが好きじゃなかった。
    〇〇だからヤクザになったんだ、とかそういう自己憐憫性がつよい。
    結局は自分次第だと思う。アウトローではない一般人が言ってたら信憑性がないと言われようが、なんとでもなれると思う。だからそもそも家庭や環境のせいにして非行に走る、犯罪を犯す人間が本当にむかつく。
    もっと意思を持ってヤクザをやっている人もいるし、こうまとめてしまうのもどうかなと感じた。

  • ヤクザになる理由を学術的なアプローチで仮説導出した本。referもしっかりしていて著者の調査力がうかがえる。ヤクザを辞めてからの更生のストーリーも見てみたい。

  • 犯罪社会学者であり、自らも若い頃にグレていた経験を有する著者が、元暴力団員へのインタビューを通じて、人が暴力団員になることに家庭、学校、仲間が及ぼす影響を分析している。その考察結果は、諸外国の先行研究とも一致している面が多々あり、国や文化に関わらず、一定の傾向が見られるとしている。
    同時に、暴力団を脱退した者が社会復帰できる環境の重要性と、それがない場合に、暴力団員でない犯罪者であるアウトローを生み出すことの危険性も説く。実践的には中々大変かと思うが、その主張には首肯できる部分も多いように思われる。

  • 仕事で出会う被疑者、被告人は家庭環境が悪い場合が非常に多い。片方の親しかいない場合が目立つ。だからと言って犯罪を犯すというわけではないが、ここに原因があるとする本書の内容は僕の実感とも合致する。
    それをこの本は理論的に書いてくださってて非常に分かりやすかった。
    福岡が元暴力団員の雇用について助成金を出すという出口の政策はもっと議論されていい。暴力団の人に辞めない理由を聞くと、カタギになっても仕事がないからと返ってくる。社会全体で問題意識を持つことが大事で、いろんな人にこの本を読んで欲しいと思います。

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    #2016年70冊目

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ヤクザになる理由 (新潮新書)の作品紹介

家庭、学校、仲間、地域、本人……一体、誰のせいなのか。グレない人。グレて更生する人。グレ続けてヤクザになる人。人生の分岐点はどこにあるのか。自身、グレていた過去を持つ新進の犯罪社会学者が元組員らの証言をもとに考察した入魂の書。

ヤクザになる理由 (新潮新書)はこんな本です

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