- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106106897
感想・レビュー・書評
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無痛分娩の考え方やら、子育てに対する親の意識、国のサポート等、気づきの多い本でした。
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メディアで日本と比較されるのは北欧の国のイメージの方が強いが、フランスも時には見かける。フランス在住の著者自身の体験も踏まえて日仏の比較をし、フランスでの出産・保育の充実ぶりをレポートしている。
制度の充実よりも、人々の意識や文化の違い方が最終的には明暗が分かれる。フランスの制度の充実ぶりに最初は感心させられるが、地域差や経済格差による度合いは日本以上にあるようだ。しかし職場や周囲の理解(フランス版の同調圧力もほのめかされている)が日本とだいぶ異なることが伺える。
男性の2週間の育児経験期間と無痛分娩の章が印象深い。前者は人によっては人生観が変わるくらいの経験になるらしい。無痛分娩については、自分では経験できない事ながらも出産は本当に命がけな事なんだと思い知らされる。 -
男性が読んでも、ためになる情報が多いと感じました。
「何を手伝えばいいの?」
私は相手を思った言葉だと感じましたが、人によるんですね。情緒が不安定な時にはどんな言葉を掛けるといいか、お互い神経質になりますよね。
怒りからは何も生まれない。理解し合い、相手が何を思ってそう言ったのか、それを理解し合える関係にしたいですね。 -
フランス在住で実際に子を保育園に通わせている筆者による、フランスの保育施設の実態、幼児教育政策についての本。
保育施設運営者やフランス人ママにはもちろん、政府系関係者まで幅広くインタビューしている印象。
2019年現在で読んだ感じとして、日本とあまり変わりないのでは?という印象。保育園やベビーシッターの負担料、保育園でのオムツ処理問題など。むしろ保育園への入りやすさは日本の方が入りやすいのでは、と感じた。
あと、「保育学校」は日本でいう幼稚園に似てるのかなと思った。最近は教育重視の保育園もあるし、日本もあながち遠くないのでは?まぁたしかに、フランスのように「保育学校が目指す5つのこと」のようなものが国で統一的に設定されてたら、教育格差の問題にも対応できるのかも。
一方でフランスの制度でいいなぁと思うものも。
・保育園、ベビーシッター料金の50%を所得税から経費として控除してくれる仕組み!
つまり自治体の負担は変えずに、個人の負担を減らし、国が保育にお金をかけてくれるってことだよね。心強い。
・フランスの国家教育省大臣は39歳の女性政治家。しかも双子のママということ。そして0-3歳の保育政策、3-6歳の保育学校に潤沢にお金をかけているということ。
やっぱり政策立案者が当事者、現役のワーママっていうのはすごいよ。いい面悪い面あると思うけど、国民のワーママの立場としては、現実的な問題や、あったらいいな、をきめ細かくわかってくれるだろうから、めっちゃありがたいだろうな。
(まぁ、日本でもし実際現役ワーママが大臣になったら「自分本位で政策を考えるな」とかめっちゃ叩かれそうだけど…そしてどちらかが炎上して終わりだな。本当に女性は生きにくい社会だよね。)
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フランス政府は90年代より
「男女が平等に、仕事と家庭、両方の責任をよりよく果たすこと」を掲げ、「家族政策」に方向展開し、企業も巻き込んだ国家政策と取り組んだ。
結果、1993年に1.66まで落ち込んだ出生率が2010年には2.00超まで回復した。回復には時間がかかる。
今の日本の「少子化対策」では回復は見込めない。
政府は「希望出生率1.8」を目標に掲げているが、現状の1.44の維持もままならない。 -
フランスではこういう対策があってね…という紹介のような。
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ちゃんと対策はあるけど、日本では子どもを持つことの経済的な負担が解消しにくいから同じようなことはまず無理だろうと。
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フランスの社会保障の実情を知ることができた。
そもそも日本とは考え方が違うから、その政策をそのまま日本に持ってきても定着しないだろう。
ただ、女性が働きやすい状態には何が必要かは考えられるから、それをどう日本に応用するかだと思う。 -
この手の本を読んでいつも思うことは、日本(政治家・官僚・男性等々)は、何故こういった事実や情報や歴史が歴然と転がっているのに、何故一向に学んだり取り入れたりしないのだろうかということだ。
既得権益や目先のことに捕らわれて、根本的解決を図ろうとしないこの国には絶望的な気になってしまうが、この思想や指摘を今こそ真摯に取り入れるべきなのではあるが・・・。