- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106106927
作品紹介・あらすじ
「おもてなし」は日本人の都合の押しつけである。観光地の現場に跋扈する「地元のボスゾンビ」たちを一掃せよ! 地方から日本を再生させるための処方箋を、地域振興のエキスパートと「観光カリスマ」が徹底討論。
感想・レビュー・書評
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氷見の寒ブリ、越前ガニ、秋田へしょっつる鍋とか、旬のもの食べに行くぞ!
というのがこの冬の旅のテーマだった。
なぜ、わざわざ遠くまで行って、それを食べに行こうと思うのか。
地元食材がブランディングされているからだ。
その努力を地元がしているからだ。
一方、廃れる観光地というのは、人が来ない。
もっと宣伝が足りないからだ、うちには見所がないからだ、とプロモーションに頼ろうとして努力することをしない。
そういった古いマインドがこびりついている。
日本の観光にはビジョンがなく、戦略がない。
せっかく頑張っていても地元政治の影響が大きくてやる気をなくしてしまう。
東京、京都、大阪の放っておいても人が来るゴールデンルートのほかにも、日本は観光資源にあふれている。
必要なのは、マーケティング。
日本の観光業に必要なことは何かがテーマの対談集。 -
僕はかつては「観光立国なんて胡散臭い」と思っていた。しかし、藻谷氏の『デフレの正体』を読み、「人口減少で内需が縮小する日本においては、訪日外国人をいかに増やすかが重要」ということを知った。
そのうえで、『観光立国の正体』。
この本では、観光産業は単なるサービス業でなく、地域全体の「総合力」が問われる産業なのだと知った。
・資本や経営だけでなく、多少コストが高くついても必要な資材はできるだけ地元で調達し、住民がいお互いに支えあう。
↑こういう考えはとても大事だと思った。「少しでも安く」という考えしか頭になく、例えば外部から安い食材を仕入れているようでは、地域が潤う観光業にはならない。
また、富裕層をいかに取り込むかが重要だと知った。「1万円」のランチなんて、普通は食べないと思うが、富裕層や、富裕層でなくても特別な日には食べる。1000円のランチを10人に売るより、1万円のランチを一人に売ったほうがはるかに利益が出る。薄利多売に慣れ切った日本の産業(観光業だけでなく)にとって示唆に富んでいる。
休日分散化、人材育成、既得権益をどうするか、といった問題にも触れており、単なる観光の話でなく、日本社会をどうするかといった深い問題に立ち入った本だと思う。 -
「地元のボスゾンビ」、「スキルの低いボランティアガイドはストーカーと一緒」、「おもてなしは一方的な押し付け」などなどキツめの言葉が並んでいますが、センセーショナルな言葉に惑わされずに、落ち着いて読むべき1冊。観光に携わる人だけでなく、観光地に住む人たち、地方住みの人たちも読んでほしい。結局、宣伝云々の前に、自分たちの土地にどんな独自の魅力があるか、それを誇りにいかに地元民が幸せに暮らすかを掘り下げないと、一時的な成功の後は続かないことがよくわかりました。
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2016年の本なので、だいぶ状況か変化してることもあるが、本質的なところではまたまたこれからだと思う。
地方に足りていないのはマーケティング思考、
それと観光は地域を豊かにするための手段、地域が豊かにならないと長続きしないは、まさにその通り -
シーガイアの話が面白い。750室をつくれば勝手に人が来ると思ってマーケティングをないがしろにしている。
SWOT分析好きな日本人。1000人いたら1000通りのSWOTあり。 -
観光は、非日常ではなく異日常を提供すること。
そのために、まずは自分達の日常に自信をもって楽しむこと。
後半の対談は、あくまで具体例のポインタとしての参照資料。 -
「感幸地」
ゾンビ
顧客視点 -
「デフレの正体」「里山資本主義」の藻谷浩介さんと、スイスツェルマット在住で日本の町おこしにも携わる「観光カリスマ」山田桂一郎さんの対談本。
具体例が豊富でものすごく納得感があった。
藻谷さんの歯に絹着せないぶったぎりに、既得権益との終わりなき戦いを思う。
メモ
・来た人の数ではなく、総宿泊数
・まず富裕層
・リピーター
・B級をつくるのはA級をつくってから
・補助金は麻薬
・プロダクトアウトではないマーケティング思考
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685507