- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106106965
作品紹介・あらすじ
「坊主丸もうけ」なんて、大ウソ! 檀家激減で、寺院経営は大ピンチ。アルバイトで生計を立てる住職、金持ち寺院に出稼ぎに行く僧侶など、ズバリその収入から本音までを地方寺院の住職がぶっちゃける。
感想・レビュー・書評
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我が家は震災をきっかけに檀家を辞めて、お盆とお彼岸に家の仏壇を拝みにきてくれるお寺さんを依頼するに至った。理由はひとつ、お金である。提示された金額が払えなくなったからなのだ。
社会構造や家族構成の変化によって、お寺さんが抱える問題を包みかずさず書いておられる。著者の代表作に「高学歴ワーキングプア」がある、本来ならこちらを先に読もうと思ったのだったが・・・諸般の事情でこちらを先に拝読するに至る。
我が家に通ってくださっているお寺さんは、私たちのように経済的事情で宗教行事やお布施を軽減せざるを得なくなった家族をどのように感じておられるだろうか。地域コミュニティの中のお寺の役割についても、いろいろ考えさせられる。コロナの影響でいつもはお盆に集まる親戚にも今夏は一切声をかけなかった。先祖たちもさぞや寂しがっているのではなかろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・6F開架:185A/Mi95o//K
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お寺が崩壊→お墓なくなる→そこに住む人のコミュニティがなりたたない→人がいよいよいなくなる。
地方創生だなんて、あっさり吹っ飛ぶことになるのに。 -
いかに周囲の目がいいかげんであるのがよくわかる。
そもそも否定的な言葉を発するときにはその中に一度入り込んでみなければわからんないだろう。
無論、その中での話であり、それを100%信じることはできないがそれでも何かを考えるためには必要なことなのだと確信した。
世論は宗教課税を強めようとさせる。しかし、その裏で自分の首を少しづつ締めているという事もいずれ気が付くことだろうが気が付いた時にはもう遅いという事にならないようにしなければならない。
いずれにしてもこの世界から宗教という概念は消える方向に突き進んでいくのだろう。それを後押ししたのが自分たちだという事も忘れないでほしい。 -
減益の兼業僧侶が書く、僧侶の実態。
日本の宗教観もよく理解できます。
「坊さんを囲える幸せ」。 -
著者は、地方のお寺が廃寺の危機にあるという。
宗教法人は非課税であり、「坊主丸もうけ」とか「祇園のお茶屋の常連はお坊さん」といったイメージも強いが、檀家の減少で住職はワーキングプア状態で、後継者も中々見つからないという。兼業農家ならぬ兼業住職も多いということで驚いたが、たしかにそうなのかもしれない。
今の日本社会は、一部の熱心な信者を除けば、宗教との関わりが極めて薄い。江戸時代のように、寺を中心とした共同体に縛り付けられるのも嫌だが、葬式でお経をあげてもらうだけという関係の薄さもどうかと思う。
ただ、地縁がどんどん希薄化していく中で、どうやってお寺と新たな結び付きを見つけ、築いていくかは、中々難しい。多くの人は、良いお坊さんに出会いたいのではなかろうか。色々な相談にのってくれる知恵と人間力のあるお坊さんであれば、支えていこうと思う人も多いだろう。昔々は、お坊さんが近所で一番のインテリという所も多かったのではないかと思われ、そんな時代には、自然とお坊さんが尊敬を集めていたように思う。ところが、今は、インテリが多いので、お坊さんに求められる水準も高くなっている気がする。修行や研鑽を積み重ねて、宗教家として一目置かれるようでないと、宗教という精神世界の指導者としての役割は果たせないので、お坊さんにとっても厳しい時代だろう。
著者は、本書で、仏教が現代日本で果たす意義についても触れているが、こういう意義が再認識されつつある中で、宗教者であるお坊さんにも今一段の活躍をいただくよう、エールを送りたい。