フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)

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著者 : 中島弘象
  • 新潮社 (2017年2月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107047

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フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • ものすごく読みやすくて一気に読了した。書名に社会学とあるが、ゴリゴリデータを分析したり考察を与えている訳では無い。専門性は高くないかも知れないが、その分著者が見たこと感じたことが素朴に表現されている、リアルな語りだと感じた。
    あとがきにもあったように、一介の大学院生であった著者がこの本の出版に至ったのも、著者の希有な体験に惹かれた編集者との偶然の出会いによるものだという。調査や書籍化を意図していない体験に基づく「社会学」も、十分に思考の糸口に成り得ると感じ入った1冊であった。

    それにしても、著者とパートナーのその後が気になる‥。

  • 人を引きつけるタイトルである。一見フィリピンパブ嬢を調査したものかと思ったが、帯には「研究対象を恋愛対象にしてしまいました」とあり、それは面白そうだと思って買って読んだ。たしかに面白い。この2月の末に城崎温泉へ行ったが、そこへの車中でほぼ読み終えてしまった。たしかに、ところどころ社会学的な調査、データが入るが、面白いのは、研究対象にしようと思ってたまたま入り込んだフィリピンパブの女の子ミカにほれ、最後は結婚までしてしまうまでの顛末である。その間なにがあったかは想像がつく。もちろん親の反対があるし、ミカが偽装結婚させられた「組織」との対決等々はらはらさせられる場面がいくつもある。しかし、社会学的に面白いのは、ミカの親、親族のあくなき金の無心である。これは中国でもそうだし、東南アジアでも見られる現象で特に珍しいわけではない。そこには、持つものは持たざるものに施すという思想があるのだろう。持つものがいかに苦労してそれを得たかは問わず。最初はお互い疑心暗鬼でいるものの、だんだん心を許し体を許すところまでいく描写はなかなか感動的だ。文章がうまいのは、事実の面白さもあるが、この本の影の編集者である元朝日新聞記者松本仁一さんのおかげであろう。そしてその松本さんの予言するとおり、中島さんにとってたいへんなのは、あくなき金の無心集団を背景にもつ、これからのアキとの結婚生活である。

  • 軽めだが一気に読める面白さはある

  • 上司から借りた本(笑)数ページ感触を見るつもりが、気づいたら読み終わっていた。タイトルとは全く違い、著者が学生時代にフィリピンパブ嬢と付き合うことになるというノンフィクション。ある意味、最強のエスノグラフィー。学生時代にカンボジアへ行ったことを思い出した。全く違う世界観に心打たれたが、そのことをしばらく忘れていた。この本がそれを呼び戻してくれた気がする。改めて、最も好きな本は、圧倒的に視野が広がる本だと再認識。やはり何としても数年以内に海外の仕事に手を付けたいな…。

  • 大学での研究テーマにフィリピンパブを設定した著者。フィールドワークが深入りしすぎて結婚までしてしまった顛末記。構成は、社会学の論文ではなく、ノンフィクションの態をとっているが、ところどころ、研究者ならではの冷静な分析が垣間見える。
    それにしても面白い。本書は様々な視点から読める。夜の街のアンダーグラウンドルポ、日本に出稼ぎに来るフィリピンパブ嬢の現実、ふわふわした若者の成長物語、世界の違う2人の純愛物語。どれで楽しむかは、あなた次第。

  • 笑顔のかげに、凄まじい人生があった。
    フィリピンパブを研究するうちに、あるパブ嬢と付き合うようになったフツーの大学院生は、やがてその奴隷同然の暮らしを目の当たりにする。
    迫真のルポルタージュ!

    ふたりの恋愛関係が周囲の人々に認められていく過程は、よくできたドラマみたいで素敵。

  • 興行ビザから偽装結婚へ、入国手段が変わったことを知った。仕送りを受けるフィリピン家族の浪費ぶりがえげつない。
    実体験が詳しく書かれていて、面白く、一気に読めた。

  • 東南アジアの人と付き合うということは、その家族とも付き合うことになる。彼らは日本人は全て金持ちと思っている。
    たしかにフィリピンより日本は相対的に金持ちだ。しかし、無尽蔵に金持ちでは無い。それを理解してもらうことは難しい。

  • よせばいいのにフィリピンパブホステスとの恋愛と結婚。ネットにその後の話がアップされてて妊娠が判明、これから2人はどうなる?どうする?
    なんせ実録同時進行形だからハラハラドキドキする。他人事だと思うから面白く読めるけど本人は大変だ。しかし自分で選んだ道だし自分で選んだ彼女だ。幸せにはなって欲しい、とは思う。
    しかし自分の息子がミカさん連れて来たら…。
    どうなる?どうする?

  • 『社会学』とあるが、1人の男の渾身の恋愛ルポルタージュ。
    フィリピンからの出稼ぎ労働の実態。興行ビザ、偽装結婚、そこに絡むヤクザ。もろもろの実態を実体験(恋愛体験)を紡ぎながらリアルに描く。
    …とかカッコよく書いてみたが、単純に面白かった。なかばルポで、なかば恋愛小説のような。パブ嬢とのこと、その家族そして自分の家族。本気だからこそのリアリティ。フィリピンからの出稼ぎがリアルに感じられた。ありがたい。

  • 著者の今後が心配でならない。図書館で借りたが、少しでも印税になればと購入することにする。

  • こっちにはこんな店見かけないなぁ

  • フィリピンパブの世界にどんどん巻き込まれていく

    24歳の「豊かな日本の大学院生」と
    「困っているフィリピン出稼ぎ女性」という絵を予想し、
    その絵にもたれかかっていた。
    その構図は序盤でもろくも崩れていく。

    正しさだけではどうにもできなくなってしまうんだ。

    彼の意志とは関係なく物事が進み
    魑魅魍魎のいる名古屋の夜の街の大人たちと
    彼なりの丁々発止をみせる。

    本領を発揮した
    彼がたどりついたものをぜひ見てほしい。

  • 何でも社会学って付ければ良いってもんじゃないでしょ。まぁ、青春ルポですかね。話としては面白かったです。

  •  著者は中部地方の大学院生で、日本におけるフィリピンパブ嬢を研究対象にしたが、それを客観的な調査結果として上梓したわけではなく、調査対象と結婚するまでのめりこんでの体験談にまとめたのが本書である。
     今までも、ヤクザが絡んでいるとか、タコ部屋で逃げられない、とかいろいろ言われていたが、それらが全て今も事実だったことが分かったが、何か新しい実態が判明したということはないように感じた。
     自分のことを書いているわけだから、リアルでおもしろいが、あとがきによると編集者の相当な後押しがあったようで、著者に今後も期待できるかというと難しそうに思う。

  • 人が何かに、はまる理由はたくさんあります。
    その中でも強烈なのは、恋愛ではないでしょうか。

    私も海外にいますが、海外にずっと住んでいる人は、大概、その国の文化に興味があったり、言葉に興味があったり、
    食に興味があったりする人は、かなり少数です。もっと具体的にいうと、多くは女性関係です(男性の場合です)。
    なので、やはり生々しい理由があります。

    著者は、フィリピン旅行で、その国の文化にあまり(日本とのギャップ)、大学での研究対象に選び、そして女性。
    かなり「はまる」王道を行っていると思います。

    フィリピンパブの魅力としては料金設定も他と比べて安く、またホステスのサービスも型にはまっていなく、
    単純に面白いのではないでしょうか。その魅力にとりつかれて、ホステスと交際する、著者もその一人です。

    本文で書いてある通り、ホステスとの交際は危険を伴います。また、その交際を応援してくれる人は少ない。
    その孤独に耐え、また、家族並びに友人を、どう説得しているかも、この本の魅力です。

    日本社会には、様々な偏見がありますが、その偏見の中の一つに、アジア人蔑視があります。なので、日本人男性と東南アジア女性が、結婚し、子供が生まれ、就学すると、また様々な問題にぶち当たります。いじめであったり、また、母が日本社会に溶け込めないことによる問題当、あげたらキリがないでしょう。

    結婚、離婚統計では、外国人女性との離婚は、日本人女性との離婚の、ざっくり倍です。理由は、さまざまですが、経済問題が一位でした。著者も、フィリピンに行き、お金を現地のご両親と親族から、むしり取られていますが、(この表現がいいかわかりませんが)普通の日本男性なら、いつかは、耐えられないでしょう。

    国際結婚は、やはり相当な覚悟とリスクが伴います。特に経済的問題です。私の周囲でも、ほとんどが失敗しています(離婚か崩壊状態)。
    家族観の違いであったり、経済観の違いであったり、それがあまりに、日本と異なるからでしょう。著者もいずれは、その壁に必ずぶち当たると思います。是非、克服してほしい。そして、第2弾を書いてほしいですね。

  • 題名とはちょっと異なり、フィリピンからの出稼ぎの研究をしていた大学院生が仲良くなってしまった女の子といろいろあって結婚する話。小説だったらありがちな設定なのだが実話なところが俄然面白い。元々は興行ビザで1980年代に来ていたフィリピン人たちが、アメリカからの人身売買チェックによって偽装結婚業者(ヤクザ絡み)を通じて来るルートになり、犯罪を犯しつつ契約書なしの弱い身として日本にやってくる。一方その仕送りで地元では何人もの人を養うまでになるパブ上もいれば途中で脱落していく絵不明になってしまう人もいる。

  • 高野秀行さんが紹介していた。確かに読みやすく面白い。大学院生が、研究対象のフィリピンパブ嬢とつきあいだし、結婚に至るまでの顛末が綴られている。ヤクザと渡り合ったり、フィリピンの親戚に困惑させられたり、実にいろいろハードなことがあったようだが、基本的に明るい雰囲気。これは著者の人柄からくるのだろう。

    この本のプロデューサー的役割をした松本仁一氏(「カラシニコフ」の人)が、「解説的なあとがき」で書いていたが、いやまったく、大変なのはこれからだなあと思う。同じ大学院生の息子を持つ身としては人ごとと思えない。著者のお母さんのように、正直に、かつ誠実に対応できるだろうかと考え込んでしまった。

  • 筆者の処女作?なのだから、文体に拙いところはあるけれど、それを気にさせないほどに内容は面白く興味深かった。
    赤裸々に経験したことを語っていて、一気に読めた。
    フィリピン人の金をせびりまくるのには、終わりはあるのだろうか。。フィリピン人の人柄の良さと相反する部分や、そうなってしまった歴史・経済背景にとても興味を持った。

  • ネットでたまたま見かけて購入。

    ネットの感想でも必ず社会学というタイトルにツッコミが入っているが、実際、筆者の身を張った潜入ルポ的な内容で、
    リアリティ満載で下手な小説よりめちゃくちゃ面白い。
    新書なのでサクッと一気に読み切ってしまった。

    お金のない国際政治学専攻の大学院生が、
    調査として出向いた名古屋のフィリピンパブで、
    調査対象のフィリピン人ホステス嬢に恋をし、苦難を経ながら結婚までたどり着くという話。

    身内となった著者の身を張った取材によって、
    ベールに包まれていた日本に住む
    フィリピンパブ女性の生活実態や本音が明かされていくのが興味深い。

    もちろん彼女たちの生活は中々大変で、
    偽装結婚をしてまで来日しても数年間は人身売買ヤクザに搾取されて、
    月収6万円で家も共同生活。休みも殆どない。

    ただ知らなかったのが、
    3年もしてヤクザとの関わりを絶ちフリーのホステス嬢になることができると、月収は40万円近くにもなる例もあるらしい。
    これは彼女からするとめちゃくちゃ美味しい話なのは間違いない。
    金無し大学院生だった著者なんかは、
    フィリピン嬢の彼女に食わせてもらっていた
    ヒモだったというから、すごい話だ。


    娘が日本で水商売して稼いだお金で、
    フィリピンの家族は大豪邸に住んで贅沢三昧。
    彼女は家族、親戚のスーパースターで
    帰省中には親戚が家に列を無し、金を無心に来る。これももはや訳のわからない世界。

    衝撃的な話が沢山あるが、
    全体として明るいトーンで描かれているのも好感度が高い。フィリピン人明るいよね。

    普通に生きてると知ることのない世界を知れる貴重な一冊。

  • 大学院生が知り合ったフィリピンパブ嬢と本気で恋をして結婚に至るという話。フィリピンパブ嬢を取り巻く実態を著者が見てきたありのままで書いてある為、読みやすいし面白く感じる。

  • 書名を見ると「フィリピンパブ嬢」をテーマとしたルポとその実態分析かのようだが,実は大学院まで進んだ若者がフィリピンホステスと恋愛し結婚するまでの経緯とその周辺の出来事を綴ったラブストーリ的ノンフィクションだ。とはいえ,これらを描く過程で彼女たちの母国や日本での生活を掘り下げた報告にもなっている。彼らの前途に何が待ち受けているのか…。幸あれと願う。

  •  もはや、過去の遺産となりつつある「フィリピンパブ」という世界。バブル期からその数が増えはじめ、ピーク時には年間8万人もの人女性が、フィリピンパブで働くために来日していた。しかし、2017年の今、フィリピンパブは風前の灯となり、もはや過去の遺物となりつつある……。

     そんなフィリピンパブの実態に迫る研究者が『フィリピンパブ嬢の社会学』(新潮新書)を上梓した中島弘象氏。中部大学大学院で、フィリピンについての研究をしていた彼は、ひょんなことからフィリピンパブの世界に足を踏み入れ、「ミカ」というホステスと恋愛関係に発展! ついに、結婚にまで至ってしまったのだ。

     いったい、フィリピンパブ嬢との愛をどのように育んできたのか? そして、ミカさんとの恋愛を通じて見えてきたフィリピンパブの実態とは?


    ー中島さんは、なぜフィリピンパブを研究することになったのでしょうか?

    中島弘象(以下、中島):学部生の頃から、フィリピンについての研究をし、日本に住んでいるフィリピン人のおばさんたちに対する支援活動も行っていました。その過程で調べていくと、フィリピン人の多くは興業ビザで、エンターテイナーとして来日していたんです。

    ー80年代〜90年代にかけては、興業ビザを使って多くの女性が来日し、フィリピンパブで働いていました。

    中島:当時支援をしていた女性たちのほとんども、そのような経緯で来日しています。けれども、2005年から、興業ビザの適用が厳格化され、フィリピンパブでの就労を目的とした新規の入国が難しくなり、若いフィリピン人女性の供給を断ち切られたフィリピンパブは大打撃を受けてしまいました。当時読んでいた論文にはそう書いてあったし、僕もその認識でした。それなのに、大学院入学当時の2011年、先輩に連れられて初めてフィリピンパブに行ったところ、日本に来て数ヶ月という若い女性が数多く働いていたんです。

    ービザの発給要件が厳しくなり、フィリピンからの出稼ぎは絶望的になっているはずなのに……。

    中島:これは何があるんじゃないかと思って調べたのですが、論文にも本にも書いていません。だったら、フィリピンパブに通って、女の子から直接話を聞こうと思ったんです。けれども、そんな簡単にはビザのことを教えてくれませんでした。そんなときに出会ったのがミカなんです。意気投合し、プライベートでも会話をしていくうちに、彼女たちが日本人ブローカーの仲介のもと、偽装結婚をして配偶者ビザを獲得しているという現実が見えてきました。

    ーはじめ、中島さんは研究を目的としてフィリピンパブを訪れていました。けれども、ミカさんと出会い、デートを重ねるうちに恋愛関係に発展していきます。いったい、何があったのでしょうか?

    中島:ある日のデートで、ミカから「付き合って」と言われました。ただ、向こうはフィリピンパブ嬢だし、偽装結婚もしている。お客さんの延長なのか、本気の恋愛なのかはわかりません……。だから、こちらも、研究のために利用しようという気持ちがあったんです。ただ、付き合いながらいろんな経験をしていくうちに、本当に僕のことを思ってくれていることに気づきます。だんだんと、研究対象としてではなく、彼女の人生に寄り添ってみたいと思うようになりました。

    ー本来、研究者としては、恋愛関係に発展することはNGですよね……。

    中島:研究者としては失格です(笑)。大学の指導教官からも「早く別れなさい」と忠告されました。けれども、眼の前で彼女が大変な状況に置かれているのに、研究なんかしてもしょうがない。研究は社会のためにもなりますが、知的好奇心の満足や論文の執筆など、いわば「自分のため」であることが大部分。そうではなく、お互いに寄り添いながら一緒にいたいと思っ... 続きを読む

  • かなり面白い。

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フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)の作品紹介

研究対象を、恋愛対象にしてしまいました……。月給6万円、雇主はヤクザ、ゴキブリ部屋暮らしのフィリピンパブ嬢のヒモになった大学院生がみた驚きの世界を、ユーモラスに描く前代未聞のノンフィクション系社会学。

フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)のKindle版

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