- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106107047
作品紹介・あらすじ
研究対象を、恋愛対象にしてしまいました……。月給6万円、雇主はヤクザ、ゴキブリ部屋暮らしのフィリピンパブ嬢のヒモになった大学院生がみた驚きの世界を、ユーモラスに描く前代未聞のノンフィクション系社会学。
感想・レビュー・書評
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名古屋の大学院生22歳が、栄のフィリピンパブ嬢25歳との交際をつづった、5年間のルポルタージュ。
タイトルは『社会学』だが、学術的な研究報告とは言いづらい。
とはいえ肌で感じる社会学、国際関係学、文化人類学という感じで、まあ一言でいえば恋愛ノンフィクション!
客観的には、金なし非モテ(失礼)が、研究と称して接近したものの、彼女の魅力にやられ「ミイラ取りがミイラになる」を地でいったものだ。
交際するなかで実地的に知るフィリピンパブ嬢の実態は興味深い。
フィリピンパブ嬢を取り巻く環境は2005年の法改正で一変した。
かつては「興行ビザ」で、曲がりなりにも「プロ」として来日していた彼女たち。その道を塞がれてからは、非合法の手段で来日を果たす。
それは偽造パスポート、日本人との偽装結婚だが、その背後にはもちろん反社会的勢力がいる。
また、フィリピン人の家族観、金銭感覚は日本人からすると理解に苦しむ。熱帯に暮らす民族の特徴なのだろうか。産業がないという国家の課題とともに、問題の根深さを感じた。
紆余曲折、トラブルを乗り越え、ふたりはどんな結末を迎えたのか。前途多難にもみえる将来は。
「愛があれば大丈夫」。そう、信じたい。
※先日、映画が公開されたみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゆうこさんの本棚から
面白かった!
昔から真実は小説よりなんちゃら(そこまで言ったら最後まで言いなさいよ)言いますけどね
ほんとノンフィクションとは思えない?いやノンフィクションだからこその面白さでした
ただ読みづらいw
巻末の解説によるとこれでも相当頑張ったみたいだけど、正直出版できるレベルじゃない拙さ
んでもそこを乗り越えればね
フィリピン人の価値観みたいなんに驚きつつも楽しめます
明るくそして強いフィリピン人のミカに引っ張られ、お尻を叩かれ、ぐじぐじ考えながらも少しづつ進んでいく日本人の著者
そしてちっぽけなプライドを持ち続ける情けない日本人男子に少なくない共感を覚えながら彼女の言葉に勇気づけられたりするのです
「だいしょうぶ!何とかなるよ!」-
2024/03/18
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鬼「(゚Д゚)ハァ?」
わい(毛布にくるまりながら)((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル「(ごめん一Qさん逃げて!)」鬼「(゚Д゚)ハァ?」
わい(毛布にくるまりながら)((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル「(ごめん一Qさん逃げて!)」2024/03/18 -
2024/03/18
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『さらばのこの本ダレが書いとんねん』で著者が出演されていて、ずっと読みたかった本。これが新書なの!?ってぐらい、ほぼ小説。面白くて一気読みしました。
大学院で「在日フィリピン人の女性の生活」をテーマに勉強していた著者。研究のために入ったフィリピンパブで出稼ぎ労働者ミカと出会う。彼女とプライベートで会い惹かれ合うようになったときに、「私、本当は結婚しているの」と告白される。彼女は日本に出稼ぎに来るために偽装結婚をしていのだ。3年間の契約があり、逃亡防止のため決まった時間にしか出かけられず、月6万の給料しかもらっていない。
心配する著者にミカは、「私のこと弱い人間と思っているんでしょ。ばかにしないで、助けなんかいらない」というものの、もちろん彼女の周りには怪しげな人間がいて…。
真面目で前向きなミカと著者の恋愛はとても微笑ましく、マネージャーに見つからないかドキドキ。
フィリピン人の家族観の違いには戸惑います。毎月仕送りをし、里帰りした時に現地の家族からモノや金銭を要求されるミカ。要求に応えるミカに対してなんでそんな価値観なの?と思うのですが、フィリピンと日本の社会の違いが関わっています。この本が書かれたのが2017年なので、今の円安の状態ではどうなっているのか気になるところ。
3年間搾取されても日本に来たかったミカの強さと彼女の人柄の良さ、人に甘えるのが上手い著者。続編『フィリピンパブ嬢の経済学』も読まなくちゃ。 -
映画にもなっている。
「普通」とか、「みんなは」と日本人はよく言う。
頭の中の常識を引っ張りだしても通じない世界もある。
インバウンドで街には外国人の方が多い。
花見に友人と出かけたが、四方八方から、別の言語が聞こえてくる。
このノンフィクションの世界は凄まじい。偽装結婚なんて当たり前。つながる闇組織。
弱肉強食を地で行く。
なんでだろ?ジメジメした暗さがない。
興味深く読めた。
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「アイシテルヨ~」の笑顔のかげに凄まじい人生があった…
フィリピンパブを研究するうちに、あるパプ嬢と付き合うようになった著者のルポ
堅苦しい内容ではなくて、20代の若者が知らなかった社会の一端を知っていく&国際恋愛の難しさなんかを素直に描いた手記
フィリピンから日本への出稼ぎや貧困、社会情勢を大学の研究課題にした著者が通ったのは名古屋のフィリピンパブ。
そこで知り合ったミカという女性に惹かれていき、ヤクザまがいのマネージャーと渡り合ったり(いや、渡り合うまでじゃないか。文句言うぐらいか)フィリピン人の家族観に驚いたりしてついに結婚して…てな話
以前、仕事でフィリピンの家族観について聞いたことがあるのだけど、
ファミリーはかけがえないもので困っていたら助ける。
(お金は)あるものがないものを助ける。
そうして支えあうのが普通だからそれに対して感謝や申し訳ないという気持ちはない…それはファミリーだから。
的な話を聞いて「ひ~!」と思ったことがあって、読みながらそれを思い出した。
金持ちからは湯水のようにお金をもらって当たり前
それのどこが悪い?ってな話。
そのお金の稼ぎ方は関係ない。汗水たらそうが楽しようが…お金はお金。
確かにそれはその土地で培われた家族観と金銭観だからそれに対しては悪いだのいいだの判断はできない。
でもな~それってわかっちゃいるけど
たとえば私が死ぬ思いで働いたお金で親戚がめちゃいい外車とか買って「おいガソリン代くれ」なんて言われたらぶちきれそうだけどなあ…
アジア系の結婚でこの金銭感覚の違いでもめる話はよく聞く。
で、それはさておき…
そんな私が何に一番驚いたって…
著者の金銭感覚
給料が少ないミカに自分が行く世界一周の船旅のお金を借りるって!!さらにミカに10万円までもらってるし…
ひ~!あんたもミカの親戚と変わらんじゃないかい!!
ミカ~いい子すぎる~
いや~この人、ホントにどうしようもない男だわ…
まあそれを言うならミカと暮らすために知り合いの部屋に転がり込んだり、色々つっこみどころ満載
なんだろう…読んでたらムカムカしてきた
それは私が女性側から見てるからか?
大学のお手伝いとかで小銭を稼ぐとかじゃなくて
さっさと体力系とかいきゃいいのに
または働いているご両親にお金を借りるとか…
これもミカに借りるよりもまだマシでしょ~程度だけど
いやいや…
それぐらいの人じゃないと今後のルポでものすごいぶっとんだものが書けないのかもしれん
この著者の今後に期待…か? -
メディアで取り上げられていたので。
国民性の違いが分かり易い。
社会学て言うのが何かわからないけど著者の論文で私達は何か、理解しようと思ったのかな。 -
語り始めは潜入レポで、それからは恋愛物語です。貧しくても卑屈にならないミカさんが魅力的です。最後に明かされる本物のヤクザは恐ろしかった。そして、この結婚の後の生活に待っている国際結婚事情やフィリピンの家族との関わり、子育てで感じるカルチャーショックなど。これらが続編として、明るく前向きに書けるといいですね。
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新書というと、なぜか敷居が高いような気がして構えてしまうのはわたしだけだろうか。だけどこの本は、ごく普通の大学生(この本の著者が主人公)がフィリピンの研究の一環としてフィリピンパブに通い、そこで働く女の子との恋愛体験談が中心なのでさくさくと楽しく読める。
相手の女の子はミカといって、彼女のお姉さんも日本に働きにきている。フィリピンの女性たちがどうして、どうやって日本に来るのか、そして日本ではどんな生活をしているのか。これはわたしが想像していた以上に大変で、旅行と違って思い立ったら誰でもすぐ行けるというわけではない。そして彼女たちの家族はフィリピンではどのような暮らしをしているのか。それらがこの二人の恋物語を読みながらだからこそ、身近に感じられ、リアルに理解できる。ミカは日本で一生懸命働き、嫌なことも我慢して、節約しながら暮らしているのに、彼女の家族はフィリピンで贅沢三昧な生活をして、親戚も徒党を組んでミカからお金をこれでもかとむしり取っていく。そんなのってひどい!わたしは腹が立って仕方ないのだが(無論著者自身も)、ミカはあまり気にしないのだ。自分もそうやって日本で働く姉のお金で学校に通わせてもらったし、こうすることは当然だと言う。だって家族なんだから。
ここに出てくるフィリピンの女性はみな強くて明るい。そんな女性たちに囲まれて、彼は男として、人間として、親の脛をガリガリと齧りながらも逞しく成長していく。
さて最終的にこの二人は、数々の困難や周りの反対を乗り越えて、幸せになることができるのでしょうか。
わたしも1度だけフィリピンに行ったことがある。
一緒に行ったのは彼氏いない歴=年齢の女の子だったが、帰国の2日前にはハンサムなフィリピーノと恋仲になっていた。帰国してからも彼らは付き合い続け、3ヶ月後には結婚の話もチラホラ出てきた。もちろん周りは心配し、反対した。100%お金目当てだと思ったからだ。彼は日本で働くといい、自分の家族も日本に呼ぶと言い出して、そのうちなんとなく別れてしまった。彼がどんな気持ちでそんなことを言い出したのか、そのときも今も分からないままだ。
ただわたしが言いたいのは、わたし自身が、彼がフィリピン人であること、そして彼女を利用するために結婚すると決めつけてしまったことは、非常に失礼だったということだ。
わたしの中の偏見は、教育や環境を餌にして育ってきた。別に人のせいにしているわけじゃない。だけど幼い頃の狭い世界の中で、自分では何も選べなかった年齢に、親やメディアの影響は余りにも大きい。
子どもの頃に無意識に刷り込まれたものは払拭することは難しいが、自ら学ぶことによって消えていけばいいと思う。
ということも感じた一冊でした。 -
フィリピンパブという場に行った事もないのですが
なんとなく 気になり読んでみました。
フィリピンについて研究していた学生さんでしたが・・・
ミイラ取りがミイラになっちゃったという内容でした。
この本は国際関係学を学んでいる時に
取材していった内容をまとめたものですが・・・
出稼ぎの女性達が 日本で働くまでの苦労などが
書かれていました。
いざ日本に来ても かなり制限のある暮らしだったり
契約もあるような ないような。。。
知らない世界を少し知る事ができました。