戦争と平和 (新潮新書)

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著者 : 百田尚樹
  • 新潮社 (2017年8月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107313

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戦争と平和 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 日本人は「美的精神論」&「不吉なことを言うな!空気」が支配し、万が一の想定が出来ない気質。一方で、万が一を想定し、不吉な未来とも真摯に向き合い、先の先の先を読んで合理的な判断を積み上げて戦うのが戦争。であれば、日本人は戦争では勝てないと考えるべき。ではそんな日本人がこの緊迫した情勢の中で生き抜いていくためには「憲法改正が必用だぜ」ってなことを提言する、著者なりの反戦論。同じく百田さんの著書「カエルの楽園」と対で読むと、より理解が進むと思います。

    ・スルメをアタリ目と呼びかえる精神性。
    ・ゼロ戦vsグラマン。
    「高い飛行性能だが生産効率低い。物凄い腕前の職人がいないと作れない」vs「飛行性能低いが量産し易い。技術が低くても作れる」。
    「攻撃力高いが守備力低い。撃墜されなければ良い発想。パイロットは使い捨て」vs「攻撃力低いが守備力高い。打たれることが前提。撃ち落とされた場合に生き延びるために、飛行機に釣竿までも完備。パイロットを育てるコストまで勘案。生き延びた兵士からは貴重な情報が回収できることも重視」
    ・巡洋艦内部の構造。日本は縦横の区切り。アメリカは横のみのくぎり。一見、縦横の区切りが入った方が、被弾時の浸水耐性は強そうだが、舟は左右の重量バランスが取れていないと機能しない。同じフロアは、均等に浸水した方が、戦える。
    ・ガナルカダルの消耗戦。2000キロ飛行できれば、遠くまで飛んで攻撃が出来る!という発想。その飛行をするのは生身の人間であるという発想の欠落。
    ・自動小銃を前線兵士に配備しない。製造コストもさることながら、無駄打ちがイケてないとの発想。一発一中がカッコ良いという美徳。
    ・超高性能なゼロ戦。せっかく組み上げたのに工場と飛行場とは未包装な道だったために、一度解体して、牛にひかせて運んでいた。更には、資源が配給制になった時にはゼロ戦を引く牛が確保できず、闇市で牛を買って対応しようとした人間を警察官が逮捕するという事件も。警察官は職務を全うしただけだが、生真面目すぎる、応用が利かない性質で、戦争が戦えるか。
    ・日本は陸海空軍で使う砲弾の規格がバラバラ。他の国は統一なのが当たり前。セクショナリズムの壁を越えられない性質。
    ・せっかく東南アジアで油田を確保したにも関わらず、日本に石油が届かなかった。油槽船が次々と潜水艦の攻撃で沈められてしまったから。海軍に油槽船の防衛を指示するも、民間の船を守るのではなく敵を打ち破るのが役目だ!と突っぱねる。結果、自分達の船を動かすためのガソリンが枯渇する。
    ・徴兵令で、平等に赤紙をまく。結果、貴重な軍需品を生産する職人までもが招集される。職人のアナは素人では埋められない。結果、生産性は急激に悪化。戦争に勝つことを考えた時に、平等な赤紙が必用だったか。
    ・一騎打ちの美徳vs一対多でも勝利する執念。
    ・一流大学卒のキャリア>現場経験豊かな有能な官吏。
    ・結果責任を問われないがゆえに、既得権益確保にまい進しがち。
    ・戦争の目的は「相手国の降伏」。この単純で究極の目的を日本人は理解出来ない。一方アメリカはこの目的遂行のためにあらゆるケースを想定し、臨機応変に対処。

  • 客観的に日本を見ていて為になる。
    愛国者の本だ。

  • 多くの人に読んで欲しい。
    日本がナメられているから。

  • 日本人に対する客観的な意見の一つ

  • 至極まともなことを書いておられるが、その小説といっしょでわかりやすくエンターテインメントの匂いのする言動でコテンパンに護憲派を斬って捨てるので嫌われるのでしょうね。万人にわかるように、当たり前のことを凄く単純化して書かれているので、逆に誤解されるんだろうなと感じます。
    記載されていることはほぼ既知のことでしたが、名古屋の三菱重工で作ったゼロ戦を一度分解して、牛に運ばせて各務原の飛行場まで運んでいたというのは知りませんでした。本当に唖然としました。

  • 平和とは戦争を知らずに語れるものではない。そして戦争を知るとは実際に戦うことや空爆に遭うことではない。それをわからない自称論客が日本には多すぎる。今まで人類が様々な形で社会というものを構成してきて、平和を祈らなかった、平和でない状態を祈った時などない。しかしいつもそのような祈りは無残に打ち砕かれる。愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ、というのは鉄血宰相ビスマルクの言だが、本書はまさしくこれが正しいことを訥々と語る。歴史的に「平和」とされたパクス・ロマーナやパクス・ブリタニカ、そしてパクス・アメリカーナはいずれも圧倒的な軍事力によって為されたもので、これが崩壊した後には例外なく戦火が広がった。三度あったことが四度目に起きないと言う論拠も示さずに、ただ祈っているだけのイデアリズム的平和主義者とは一線を画すリアリズム的平和主義が必要だと訴える名著。

  • なかなか説得力のある日本人論だった。日本は物量に加えて合理主義にも敗れてしまったのか。

  • 日本にとっての戦争と平和です。おふざけはほとんどありません。大真面目な内容で私の好きな本になりました。

    抑止力と集団的自衛権について、とてもわかりやすく書いてありました。

    永遠の0に関して著者としての気持ちが書かれているところは泣けました。

    第1章は長いですが、とても後半に効いてきます。大事なのでじっくり読んで後半を読むとより楽しめます。

    「永遠の0」、「海賊とよばれた男」、「カエルの楽園」はもちろんですが、「大放言」や「ゼロ戦と日本刀」という渡部昇一さんとの対談本と合わせて読むと更にこの本を楽しむことが出来るのでオススメです。

    この本の最後に百田尚樹の本ということで、フェルトゥナの瞳が紹介されてます。お話としてとても面白くラストまで一気に読める作品でこちらもオススメです。

  • まぁ読みやすくて面白い。
    要はゼロ戦をはじめとしたアメリカとの比較論と憲法9条を中心とした「平和とは」のお話でした。
    私は好きです。

  • 2017.08.18読了

    全章通して面白かった。日本が戦争に向いていない理由を零戦の構造的欠点をベースとして理論的に述べている。軍部上層部の思考回路がよく分かったが、こんな奴らの所為で無残に散っていった命を思うと居た堪れない。

    恐ろしいのは、戦時中に指揮系統を担っていた幹部たちの行いが、現在の日本の上層部にも当てはまるということ。

    本書最後の部分はクスッと笑える百田節も。

  •  読まなくてもいいかも。

     「永遠の0」を通して、ゼロ戦とグラマンの戦闘から見える日本軍と米軍の違いに迫る。良く知られているようにゼロ戦は他を圧倒する攻撃力と、一たび被弾すればすぐに炎上する脆弱な防御力という長短が両極端の戦闘機だ。これを著者は日本刀に例える。それに比べて米軍のグラマンはというと、攻撃力も速度も旋回能力もゼロ戦とは比べ物にならないくらい劣る。ゼロ戦と遭遇したら戦わずに逃げろという指令が出ていた。グラマンがゼロ戦より優れているところはただ一つ。頑丈さ。とにかく何十発被弾しても墜落しないように、燃料タンク、操縦室の装甲は分厚くした。

     日米の違いは機体のフォルムにもよく表れている。ゼロ戦は曲線が多い。対してグラマンは直線が多い。当たり前だが曲線を多用するほうが組み立てには熟練を要する。ゼロ戦は熟練工がいないと組み立てに苦労するが、グラマンは誰でも作れるということ。それはゼロ戦は大量生産が難しいが、グラマンは大量生産が容易ということでもある

     操縦士に関しても日本は精鋭主義、対してアメリカは、誰でも操縦できるように簡素が基本。

     この開戦当初の両国の哲学の違いが、後のガダルカナル戦線で、ゼロ戦の熟練パイロットを次々と死なせてしまう遠因となっているのだが、「永遠の0」を読んだ方には説明しなくても明らかだろう。

     この本、「永遠の0」を簡単に要約したようなところがある。読まなくてもいいかも、というのはそういう意味。

     新しい部分は、出版に至った動機、ベストセラーになった経緯、そして最も多いのは「永遠の0」を戦争礼賛だとか、右翼エンタメだとか言って非難してくる論評に対する反論。どこをどう読んだら戦争礼賛と取れるのだ、と怒っている。確かに。自分も読んだけど、戦争礼賛やら、特攻を美化してるだとか言う人たちに対しては、どう読んだらそうなるんだ、疑問に思った。

     でもそうとる人たちがいることは不思議に思わない。(なんとなくそう受け取る人はいるだろうな、といったところで、深い意味はない)

     最近の百田氏は作品より発言のほうで注目をされてしまっているから、百田氏本人のイメージを作品に投影してしまっている人も多いし。

     たぶん、この本を読む人は永遠の0を肯定的にとらえている人だろうし、右翼的だと否定している人は読むわけないから、出版した意味はあまりないかもしれない。

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戦争と平和 (新潮新書)の作品紹介

「ゼロ戦」はなぜ敗れたのか。日本は絶対に戦争をしてはいけない。日本人ほど戦争に向かない民族はいないのだから――。大ベストセラー『永遠の0』著者が今こそ放つ、圧倒的説得力の反戦論!

戦争と平和 (新潮新書)はこんな本です

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