小林秀雄全作品〈12〉我が毒

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著者 : 小林秀雄
  • 新潮社 (2003年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106435522

小林秀雄全作品〈12〉我が毒の感想・レビュー・書評

  •   批評は常に冷静な観察であるとともに情熱ある創造である、そういう立場に批評家が立っている事は難しい。それは立場というようなものではなく、寧ろ凡そ立場というものに関する疑惑を不断に燃やしている事に他ならないからだ。疑惑の中にこそ真の自由がある。それが批評精神の精髄である。サント・ブウヴはこれを毒といった。薄められた毒から人々はいろいろな事を学ぶであろう。併し、真に学ぶとは毒を呑むことではあるまいか。
     だが、多くの読者はそこまでは学ぶまい。それはあまり恐ろしいことだ。
    だが「手帖」を読む読者は、少なくとも世の所謂主観的批評とか客観的批評とかいう言葉が、いかにも女々しい空言に過ぎないかぐらいは合点するであろう。「手帖」の著者は、常に己を証明して過たなかった。そしてそのことは、彼が語るとおり「僕には春も秋もなかった。乾いた、燃えるような、悲しい、辛い、一切を啖い尽す夏があっただけだ」ということであった。
    そういう光景は嫌でも読者の眼に映るであろうから。(p173より)

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小林秀雄全作品〈12〉我が毒の作品紹介

先輩、同輩、女友達-。言わせてもらおう手本はこれだ、サント・ブーヴの「我が毒」だ。"批評の父"の、人物批評-。その翻訳を新字体、新かなづかいで、読む面白さ。

小林秀雄全作品〈12〉我が毒はこんな本です

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