山本周五郎長篇小説全集 第三巻 さぶ

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106440434

感想・レビュー・書評

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  • 泣ける。栄吉の厳しい渡世の数々。その中で寄り添いがんばるさぶ。落語で言うなら、芝浜のようだし、いろいろドラマになっていると思うので、一つ一つ見たい。こういう話は、なかなか流行らないが、ウクライナを見ると、あるかも知れない。

  • 学生時代に読んだ「さぶ」をもう一度読みたくて図書館で探したら長編小説全集の中にあって感激。文庫本は字が小さすぎて読めないし、この長編小説全集は昔の言葉に脚注がついているので学生時代に読んだ時よりよく理解出来たと思う。
    たしか学生時代にも、心を動かされた記憶があるが、高齢者と呼ばれる年齢になってからの再読はまた別の深い味わいがあった。山本周五郎は、なぜこんなにも人間の本質を見事にえがききれるのだろうか。
    今回も深く感動したが、最後に栄ニがさぶを疑ってしまうのにおすえを許してしまうのは違和感があった。
    だからこそ主人公は栄ニではなくさぶなんだなと思うと少し腑に落ちたけど。

著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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