暖簾・花のれん (山崎豊子全集)

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著者 : 山崎豊子
  • 新潮社 (2003年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (570ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106445118

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暖簾・花のれん (山崎豊子全集)の感想・レビュー・書評

  •  「暖簾」は著者の処女作、デビュー作だそうであるが、実に緻密で小説らしく面白いと感じた。巻末の解説によると、著者は毎日新聞の記者として働きながら7年がかりで仕上げた作品だそうである。明治29年3月に15歳の少年が淡路島から大都会の大阪に出てきて、船場の昆布を扱う商家の丁稚となり、長い修行の後に独立し商家から企業家へと成長する物語はとても面白い。 
     物語は、その後の大正・昭和の時代をつむぎ、子供の代へと進み、戦争中の統制経済時代となり、戦後の昭和30年代までを語っている。資本主義の揺籃期の船場の商家の詳細な描写は、迫力があり、著者の並々ならぬ取材力に驚嘆するものである。この著者のデビュー作を読んで、著者は最初の作品から「大家」だったんだと感じた。
     「花のれん」は、明治末期からの大阪の芸能を扱った作品だが、この時代の芸能史と芸能事業を楽しみながら鳥瞰できるものだと感じた。この作品の主要な登場人物には、すべて実在のモデルがいるそうである。確かにおもしろい。知らない世界をのぞき見ることの楽しさを満喫させてくれると感じた。
     著者の取材力による力や文章のもつ力は、初期の作品からひいでているが、同時に個人のキャラクターの描き方は貧弱とも思える。その後の評判の作品も決してキャラクター描写が優れているとは思えない。著者の作品のおもしろさは、登場人物のキャラクターにはなく、膨大な取材に裏打ちされた出来事のリアリティにあるのだと思った。
     おもしろい小説らしい小説として、本書を高く評価したい。

  • 山崎豊子作品初挑戦!
    内容の面白さはいうまでもありませんでしたが、それに加えて、この本のページの紙質のよさにほれぼれ。薄いけれども丈夫で透かしてみると細かい縞模様が見えます。めくり心地もよく、物語とともに楽しみました。
    こんなに本の紙について感じたり考えたりしたことはこれまでありませんでした。

  • 特に、長編二つはどちらも良かった。

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暖簾・花のれん (山崎豊子全集)の作品紹介

大阪商人の魂を描いた「暖簾」「花のれん」、短編「船場狂い」「持参金」「遺留品」「しぶちん」を収録。

暖簾・花のれん (山崎豊子全集)はこんな本です

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