吉村昭自選作品集 第11巻 羆嵐.ハタハタ.羆.海の鼠.魚影の群れ.海馬

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著者 : 吉村昭
  • 新潮社 (1991年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106450112

吉村昭自選作品集 第11巻 羆嵐.ハタハタ.羆.海の鼠.魚影の群れ.海馬の感想・レビュー・書評

  • 徹底した取材から、
    迫真のリアルを持つ小説を描き出す
    故・吉村昭氏。

    自選著作集の11巻。「動物文学」

    羆嵐、ハタハタ、羆、海の鼠、魚影の群れ、海馬


    初めて著者の作品を読んだのだが、
    ものすごく久しぶりに、
    本を読んで
    ゾクゾクという身体的な恐怖感を味わった。

    とりわけ、「羆嵐」。
    ヒグマが人間に向ける殺意の深淵は、
    私たちが同じ人間相手には絶対に感じることのできない、
    いわば共感を1ミリも許さない
    「プレデター」のような恐怖がそこにはある。

    集落を壊滅させ、絶望する村人の最後の切り札は、
    暴力的でがめつく、村人から嫌われている
    マタギの銀四郎である、というのも、こちらもまた
    ダークヒーロー(?)的であり、
    読んでいるだけでその威圧するような空気を感じる。

    理解不能な暴力と、嫌悪される存在の命の奪い合いの
    中で、果たして人間の集団とはどういうものなのかと
    いろいろ考えさせられる。


    ほかの作品もいずれも「自然の暴力」をこれでもかという
    リアルで描き出しており、まったく飽きさせない。
    その自然のフィルターを通すことで、
    はたして人間、その集団行動やロジックはなんなんだろうと
    いう部分が深く刺さってくるという意味で、
    二重の衝撃がある。


    ものすごい作家だ。

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吉村昭自選作品集 第11巻 羆嵐.ハタハタ.羆.海の鼠.魚影の群れ.海馬はこんな本です

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