吉本ばなな自選選集 1 オカルト

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 199
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (644ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106463013

感想・レビュー・書評

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  • 私は吉本ばななの作品を読むと、物語と全く関係のない方に思考が飛び(というより潜り)ます。そして唐突に自分の中で結論が出たり整理がついたりするのです。登場人物たちの状況に全く関係のないところで。
    特にこの全集に収録されている「アムリタ」は顕著でした。勘の良すぎる人々が集まることで、何でもないことのように、非日常の、聖の領域の話がとんとんと展開されていく。そんな世界に浸っているからこそ、読者である私も勘が良くなったのかな、とふと考えました。
    読了に、そこそこ時間がかかります。ですが、一定の間隔で、焦らずに読み進めてほしい。
    occultというテーマですが、いたずらに怖かったり恐ろしかったりする作品集では断じてありません。人の日常を超えたところのお話。合う合わないあると思いますが、私にとっては間違いなく大切な一冊。

  • 久しぶりにばななを読みたくなって。

    アムリタはやっぱり良い。夏休みに読みたいと思ったらぴったりだった。
    (浮気についての箇所で泣きそうになって読後感もってかれるあたり、変わったなぁと思いつつ。)

    他もほぼ読んだ話だけど、ばななの、好きな所が出ている選集だった。改めて読めてよかった。こういう形で読み返せる幸せよ。
    1が「オカルト」なのが彼女らしくて好き。

    この、読んだ後すうっと残って浸らせてくれるかんじがたまらないんだよなぁ。

  • 吉本ばななの不思議が
    たっぷり詰まっている一冊です。

    正直初めて読んだときは、どのお話も奇妙すぎて
    再読するまでの時間が他の自選選集と比べて
    長かったような・・・。

    実はこれを書いてるのが、
    最後に読んでからだいぶ経っているので
    一所懸命思い出しながら書いています (笑)

    個人的にはこの本の中では
    『血と水』が強く印象に残っていて
    読んだときの自分の感じ方がまだ息づいています。

  • 右から左に流れるようだ。

  • 彼女の作品は、エッセイ以外は、ほとんど新刊リアルタイムで読んでいるはず。この自選選集が出たから、編集の仕方も変わっていることだし書下し短篇小説も載ってるし、私自身の本棚の景色もすっきりさせようかな、と、こちらに買い替えた(重複する単行本は古本屋さんに売っちゃった、どう考えても、却って損してるよな、私!)。吉本ばなな自選選集1は、「Occult オカルト」、勘で何かがわかってしまう ということの寂しさ。アムリタある体験血と水ハードボイルド血の色(書下し短篇小説)オカルトと私……あとがき実際に読んだときには『アムリタ』が最も心に残ったかもしれない。「目に見えないものがある」ということ、その力を感じることのできる小説。

  • 初・よしもとさん この人の本全部がそうなのか知らないけど、眼に見えないものを信じる力がすごくて、その考えで生きるのは私はちょっとこわいぞ。って思った。
    でも共感とか救われるとこもアリ。

  • よしもとばなな作品の空気感、やっぱり好きです。

  • いろいろ読めてお得。
    読み返す本。

著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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