塩野七生ルネサンス著作集 (1) (塩野七生ルネサンス著作集 1)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106465017

感想・レビュー・書評

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  • 世界史の復習をしたようなものですが、例えば地理上の発見をしたコロンブス、アメリゴ・ベスビッチなどイタリア人がなぜ多かったのか、そして、スペイン・ポルトガルではなく、イタリアがスポンサーであれば、征服ではなく、交易重視というスタンスでインカ帝国は滅びなかったであろうという著者の考えは面白いです。ルネサンスはなぜイタリアから始まったか。それもフィレンツェからローマ、ヴェネツィアと移っていた理由。イタリアが一つの国になって未だ100年程度であるという重みを改めて痛感しました。

  • 人生の50冊
    豊かな教養のための楽読部門 ベスト5

    ルネッサンスを単なる芸術活動だと信じている人には
    目から鱗の総合歴史観。
    大航海時代において人間の感性が覚醒される様が
    豊かな視点で描かれる。

    ルネッサンスがなんであったかを知るには
    キリスト教による精神支配の中世を知ることになり
    その前史である古代ローマ帝国を知る必要がある。
    歴史を学ぶとはそういう連関を
    想像力で感じることなのだ。

  • (「BOOK」データベースより)
    そこには、混迷を脱した人びとがいた。30年におよぶルネサンスへの熱情を注いだ最新の文明論。フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアと、ルネサンスが花開いた三大都市を順にたどりながら、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、フリードリッヒ二世やアルド・マヌッツィオなど「ルネサンス」を創った人びとの魅力と時代の本質をわかりやすく説いた、最高の入門書。

  • フィレンツェで起こったルネサンスがサヴォナローラの神権政治で混乱をした後にローマへ移り、ローマ略奪後にヴェネツィアで盛り返した変遷を対話形式で時代を追うように説明してくれる本。

    冒頭のカラーページで年代毎の主要人物が、巻末で主要人物の略歴が書かれているので今までばらばらに知っていた人物や出来事がどのような流れで移っていったのかが分かりやすかった。

    ルネサンスと言う言葉は同じでも都市毎に違う文化や地勢・政治的背景がどのような影響を及ぼすのか、がとても興味深く読めました。

  • 生命村長と言われた深沢晟(まさ)雄さんが村長になったのは昭和32年
    以後死ぬまでの八年間幼児と老人の無料医療制度・
    国保10割給付の必要性を打ち出し村民の意識を掘り起こして実施
    それ以後も代々の村長始め医療関係者と何よりも村民が一丸となって
    発展に全力を注いだ
    その結果予防保険の考え方が普及し無駄な医療費を減らすことに成功する
    村の生活にも影響し不安が薄らぎ自分たちの政治に積極的になる
    それが人口わずか5000人ほどの小さく貧しい村で自主的に創造された

    それに引き替え国保の制度は保険税(料)の徴収方法も支払うための補助金制度も
    益々不公平極まりないものになってる

    現状は個人の給料(収入)に比例した保険料ではないから
    低所得者の個人負担ばかりが重くかさむ
    それに引き替え補助金は低所得層に著しく不利になっている
    例えば最低の国保支出となった沖縄ではわずか1万円そこそこであり
    それに対して最高の国保支出となった北海道歌志内市では
    十倍の補助金を受けている
    更に国保税の格差も3倍ほどの開きがある
    それだけではない医療利用に恵まれない場所ほど補助金の出費が少ない
    あるいは沢内村のように自前で苦労して保険予防活動を充実させている所も
    その分補助金が減るので二重の負担となる
    徴収する税制あるいは支払う補助金制度においても不公平である
    どうひいき目に見ても意識的に不公平な制度に組み立てられているように見える

    現状の国保の制度は正直者が馬鹿だと言わんばかりである
    責任を持って医療設備や医師の計画的配置をして平等化するべきである
    また無闇な医療の無駄遣いを規制しなければいけない

    政治的駆け引きに利用した保険や福祉制度あるいは
    役人のお手盛りのための制度ではなく
    政治家自ら本質的に役立つ国保を考えるなら
    所得税と事業税あるいは雇用に対する税から
    財源を賄わなければ不公平になると言うことを示さなければいけない
    地域による医療の格差による差別や税金を先取りして使わなければ損だという
    本末転倒な行為を理解するための教育を徹底しなければならない
    税金は自分たち皆の財源であることを自覚した予算を
    長期にわたって適材適所を見極めて組まなければならない
    沢内村のように村民全員の参加による自治を徹底的に呼び掛け
    よしんば政治がリーダー主導で始まったとしても
    結果として民衆が自分のこととして参加するだけの意識を起こす道を開ければ
    その後の持続と発展を確かなものにできる
    事実沢内村は時間を掛けた実績を通して村民を説得し理解にこぎつけた
    その結果20年以上の歳月を掛けて高負担高リターンの信用できる制度を
    村民自ら根付かせた
    全員が安心と拠り所を持って生活できるようになった
    「健康」を目標にして村の生活すべてを活性化する政治を可能にした

  • なるほど、塩野さんルネサンス編文庫本の前振り
    紹介の本ですね。(需要掘り起こし?笑い?)

    でも読んじゃってんだよな〜。その辺のやつすでに。。

    でもルネサンスとは当時の常識(=キリスト教世界)を
    疑うこと、探求することから始まり、なので自分たちの
    アイデンティティである古代ローマの文献・廃墟から
    当時の知識などを見直した点は納得。

    アメリカとかEUの今のありようとか法律全般が
    ローマを参考ししている所以に。

  • ルネサンスを政治、宗教、芸術、など色々な側面から書かれてあります。とても興味深いですがちょっと難しかったので、何回か読んで理解したいところです・・。

  • ルネサンスへの想いは募るばかりである

  •  塩野七生のルネサンス著作集の1巻。今後、チェザーレボルジアとか海の都の物語とかも、この枠で発刊していくようだ。で、ルネサンスをイタリアの歳で語る形式をとっているが、一口にイタリアっていっても都市によって全く違うという、まぁ当たり前のことを改めて実感する。と、同時にルネサンスと宗教改革の違いを、やっと理解できた。今までの価値観が崩れ何を信じればいいのか混乱していたルネサンス。今の時代と似てるかもしれない。

  • 「ルネサンスとは何であったのか」という問いかけに対して、フィレンツェ・ローマ・ベネツィアの三都を巡りながら、対話形式で往時を鮮やかに描き、答えてゆく名作。ルネサンス期を知る入門書にも最適。

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