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- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106470059
感想・レビュー・書評
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評価は四巻を通してのもの。
再読だが面白かった。
少し前に「史疑徳川家康事蹟」を読み久しぶりに再読したくなった。もっとも隆氏は全面的に史疑を採用しているのではなく、隆慶一郎独自の目線で史疑を捉え直し、この面白い作品を構想しているのだが。
とにかく二郎三郎をはじめ、二郎三郎を支える六郎、風魔衆や左近、お梶の方が封建時代に生きた人々とは思えぬ自由闊達な考え方で魅力に溢れている。最終的には二郎三郎が、駿府に建設を目指したユートピアは完成しないで終わってしまったかもしれないが、一人の人生としてこれほど面白い生き方はなかったのではなかろうか。
本書の中では徹底的に敵役の秀忠と宗矩だが、その陰険さと執念深が本書の面白さを増幅させているのも間違いないところでもある。
また、度々資料からの引用かあるが、その解釈がなかなか鋭く、フィクションであるはずの本書に現実味を与えているのも飽きさせない魅力の一つだと思う。
本書は文庫でも購入できると思うので、一人でも多くの人に読んでもらいたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示