新潮世界文学 41 フォークナー 1

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  • Amazon.co.jp ・本 (847ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106601415

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  • 新潮世界文学 41 フォークナー 1 (41)
    (和書)2008年12月20日 01:23
    フォークナー 新潮社 1971年6月


    「兵士の報酬」読んでみました。読み応えがあったし難解でもなく読み易かったです。
    解説のフォークナーが語ったところに
    「作家というものは、純文学を書くものも、娯楽物を書くものも、みなひとしく、『人の心を高めよう (to uplift man's heart )』として書くものである」と彼は言いこれが「死」や「空虚」に対抗できる唯一のものだと言っている。」とある。
    それはマルクスの宗教批判が同じことを言っているのではないかと思えるのです。
    ヘーゲル法哲学批判序説・抜粋
    「宗教の批判は、人間が人間にとって最高の存在であるという教えでもって終る。したがって、人間が貶められ、隷属させられ、見捨てられ、蔑視された存在となっているような一切の諸関係 - 畜犬税の提案にさいして、或るフランス人が「あわれな犬よ、おまえたちを人間並みにしようというのだ!」と叫んだ言葉でもっともみごとに描きだされているような諸関係 - をくつがえせという無条件的命令をもって終るのである。」
    フォークナーが書きたかったのはマルクスのこの言葉だったのではないかと感じています。この二人にある普遍性とはこの宗教批判として諸関係をみごとに描きだしそれをくつがえせという無条件的命令を発することであると思うのです。そこにその言葉が書かれていないにしても柄谷行人のいう統整的理念とし機能しているのではないかと思いました。

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著者プロフィール

一八九七年アメリカ合衆国ミシシッピー州生まれ。第一次大戦で英国空軍に参加し、除隊後ミシシッピー大学に入学するが退学。職業を転々とする。地方紙への寄稿から小説を書きはじめ、『響きと怒り』(一九二九年)以降、『サンクチュアリ』『八月の光』などの問題作を発表。米国を代表する作家の一人となる。五〇年にノーベル文学賞を受賞。一九六二年死去。

「2022年 『エミリーに薔薇を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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