- Amazon.co.jp ・マンガ (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784107714862
感想・レビュー・書評
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小説『人間失格』はちゃんと読んだことがなくて、あらすじしか知らない。でも、かなり忠実に再現されているのではないかと感じた。
評判が良いので全巻購入し、最初のページを開いたらそのまま夢中になり一気読みした。それほどまでにパワーがある作品。作者の太宰治への気持ちがなせる技か。定期的に読み返したくなる気がする。購入して正解だった。
読んでみて、太宰作品が陰鬱って言われるのはこういうことなのね、と納得。
読後感は良くない。読んだ後、誰でも心の中に持っている折り合いのつかない淀みみたいなものが増幅されて、太陽すら濁って見えそうな気持ちになる。でもこういう救いのない展開は好み。
これは私が若い時には、全く興味持てなかっただろうな。まず、主人公の女性遍歴に本能的な拒否感が出そう。
でも今は憎めない。ただ思春期の繊細な、壊れそうになりながら生きるよすがを探す男の気持ちが少しは理解できるようになった。共感はできないけど。
マノスのバーのママは本当に葉蔵にとってお母さんみたいな感じだったんだろうな。守ってくれる人がいて安心できる家庭があって、初めて人は健全な精神を持てることが分かる。ここでの葉蔵は幸せそう。
人間を失格にならず、普通に生きるって奇跡みたいなことだと思った。誰でもいつ失格するかわからない。
原作も読んでみよう。 -
人間失格…読んだことないけど、現代版のマンガといったところかな。大庭は人間が怖いけど、興味はあって、17才にして疲れきっているのか、流されるように生きている。
苦しみを避けて逃げ続けるんだけど、何も執着なく身軽に逃げ出すのがすごい。そして、人嫌いでも、怒ったり、積極的に人を傷つけたりはしないんだよな。
不法行為に惹かれるのって、人間への負の感情の代弁なのか、それとも自分の気持ちに共感できそうな人を探してるのかな…?
大庭が侘しいって感じるのがわからなかったんだけど、見た目も良くて賢くてモテるのに、無抵抗に人生転がり落ちてくのが…侘しいということなのかな。まだ理解は難しい。 -
実際は電子本で最終まで終了。
太宰の『人間失格』を現代に設定を移し、著者がネット上の独白を読み進める形になっている。 -
「人間失格」のコミカライズ版。小説を読む前にこちらを読んでおくと情景がつかみやすいと思います。
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2011年4月30日(土)にジュンク堂書店大阪本店にて購入。同日読み始めて同日読み終える。古屋兎丸が太宰治の『人間失格』を現代版のコミックとして描いたもの。
20160429追記
2016年4月28日に小説を読み返したのを機に、同日マンガの方も読み返す。 -
平成の太宰治…!
あの小説を漫画にしたインパクトが強すぎて。 -
読んでて何故こんなに腹が立つのか。しかし、腹が立つほど面白いというのも事実。
原作を読んだ時の忘れかけていた黒い感情が甦ってきました。 -
基本的に、舞台を現代社会に変えると原作の持つ雰囲気が台無しになるケースがよく見られると思う。しかし、この作品に関しては、その原則が全く当てはならない。
舞台を変えるために様々な設定は変わっているが、その変えられた箇所にすら、原作と同じ匂いを感じた。原作のファンとしては、嬉しいのを通り越して、感動した。原作と並んで、すばらしい作品だと思う。