- Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784107717894
感想・レビュー・書評
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まさか、この男・吉田創太郎(31)が『いつかティファニーで朝食』から派生した新作の主役になる日が来るとは、思いもよらなかった
ただ、主人公としてキャラが弱いかっつーと、意外な事にそうでもない
人気・好感度は知らんが、彼を応援したり、励ましたり、叱咤するファンの声は多いんだろう。でなければ、派生など生じないだろう
あくまで私の勝手な印象に過ぎないが、創太郎が主役として十分さを感じさせるのは、彼の一人の男としてしょーもないトコだろうな。同性からは同族嫌悪が起きない程度に似通ってしまっている部分に親近感が湧き、女性からは彼のような恋人がいない事に対する安堵、もしくは逆に、こんな男を彼氏にしてしまっている自分への落胆から、推すキモチが湧いてくるんだろう
この作品の内容を、ざっくり説明すると、創太郎の成長物語(?) 出張で足を運ぶ土地で、美味しい食事を口にし、知らなかったでなく知ろうとしてこなかった食に対する楽しみで目を覚まし、ダメダメすぎた己を自分なりに反省して、よちよち歩きで進んでいく、そんな感じ
本家と比較すると、斬新さには欠ける気はした
だが、『いつかティファニーで朝食』で培った、グルメ漫画のストーリーを作る能力を遺憾なく発揮しているので、読み手を引き込むパワーは充分にあるので、決して劣ってはない
そう、私に感じさせた理由は、やはり、創太郎のケツを叩き、根性を矯正していく、後輩の白石さんの存在があるからだ
よく、こんな強烈なキャラクターを思いつき、なおかつ、動いてもらえるな。マキヒロチ先生、やっぱ、腕を上げてるのか
創太郎が驚く美味しい食事、作中に登場する飲食店は実際の名店
実在する店を紹介する作品、オリジナルの料理を編み出す展開の作品、どちらが面白く感じるかは人それぞれだし、制作するのはどちらも大変だろう
ただ、前者は漫画家と名店の店主との間に強い信頼関係を必要とするのは確かだ。足繁く通い、店の良さを貪欲に知ろうとする姿を見せ、「この漫画家になら、描いてもらいたい」と思ってもらえるだけの熱意をアピールせねば、ここまで質の高い食漫画は現実の物にならなかっただろう
どれも美味しそうだが、個人的な食の好みでお勧めを選ばせてもらうと、第五出張「青森へGO!」(この無理にひねっていない、シンプルなサブタイトルも魅力だろう)で創太郎が舌鼓を打つ、青森魚菜センター本店の“のっけ丼”だ。このシステム、私の地元にある魚市場も取り入れてくれないだろうか
この台詞を引用に選んだのは、もう、ホント、10カウント取られてもおかしくないレベルで打ちのめされたので。社会に出たら、やれない事もやれるようにならないと話にならない訳だけど、やれない内はデカい口を叩いちゃダメだよなー詳細をみるコメント0件をすべて表示