応天の門 4 (BUNCH COMICS)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784107718464

感想・レビュー・書評

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  • ・業平さま、恨まれる。女子関係
    ・道真くんと許嫁
    ・業平さま、道真くんに政治の世界を見せて嫌われる
    ・許嫁の父、藤原家と…
    ・山科の笛の音の怪異
    ・大納言さま、初恋の約束と呪い

    ○許嫁ちゃん、溌剌とかわいい。家の繋がりに不穏。狭い

  • 4巻は新しい人物が続々登場しました。藤原常行が好きだ。融も面白くて良いけど、風雅だけじゃなく政の事も考えてほしいからこの人には…光源氏のモデルの一人という説も頷けます。
    百鬼夜行、忠臣がやってるから常行と道真がふたりとも居たことで襲うの止めてるんだと思いました。どちらかだけならなんとか揉み消せると襲わせてそうだ。基経、忠臣をこうまで取り込んでるとは〜。
    ラストの、善男の夢の話、いつもハラハラ泣いてしまう。善男もこんな後悔や罪の意識あるんだ……というより、業平とあまり歳離れてないのかな?業平の若さの秘訣訊かなきゃ。
    業平の人たらしっぷり、大人の余裕が凄いです。女性もたらすし男性もたらす。あまりの女遊びの激しさに「貴方…」ってドン引かれててもなんだかんだ愛されキャラ。
    何も解決してない百鬼夜行も気になりますし続きも楽しみです。

  • さすが、業平人ったらしだね。
    この巻では、応天門の変で流刑になった伴善男が出てきます。これは基経に嵌められる予感。
    後、業平とちょっとキャラのかぶる、藤原常行が出てきた。
    1巻でも書いたけど、そんなに珍しい話じゃないけどいい。
    これはあれだな。上手いんだな、漫画が。

  • 道真の真っ直ぐさと業平の人たらしっぷりのバランスが◎。
    生きてる人の方が恐ろしい系の話だけど夢のはなしなんかじんわりしてしまう。
    歴史図表を手元に置きたい……!(出かかってるのに出てこないもどかしさ)

  • 業平が「呪われている!」と騒ぎ解決する話。
    その後、道真が業平が主催する塩焼きの宴に招待するも喧嘩し仲違い。
    仲違いしたまま百鬼夜行を解決?
    そして白梅の元同僚の皐月が使えている盲目の僧侶にしか聞こえない笛の音の招待を暴きます。
    そういえば単独で解決しちゃった回ですね。
    だから物足りないのか…。
    そして最後は夢見の悪さに悩まされる善男の頼みを解決するために業平が頭を下げて頼み道真が解決し、仲違いも解消します。

    人間関係を極力避けようとする道真が「人と関わらないなんてできない」と言うのは何だか面白かったです。
    白梅も皐月も主人思いのいい人だなぁ。

    道真のツンデレ具合も可愛かった!
    大の大人に頭下げられて仲違いを解消するシーンはお互い年相応な感じで微笑ましいですね。

  • ミッチーとナリーがちょっと喧嘩する4巻目。その隙にナリーのポジションに藤原常行(ふじわらのときつら→トッキー)が…と云うわけでもないが、ちょっとずつミッチーの周りがヤバい人達にランクアップしてきたな。ちなみに二人の喧嘩はナリーの大人力で解決。

  • 宴の件が原因で仲違いする道真と業平だったけれど、結局大人の業平が折れて、それに対して若干拗ねる道真が可愛かった。自分が子供っぽいところも自覚していて、こういう素直な道真が好感が持てる。ところで昭姫は何者なのやら?

  • 本巻で印象深いエピソードは、第十七話「在原業平、京にて塩焼きの宴を催す事」。

    前巻の水脈探しのエピソード同様、市井の民と道真が関わる一話となっています。
    いわば「下賤の者」に何が起ころうと、離れたところで手も差し延べない貴族どもに対して、道真は静かに罵ります。
    「目の前の民一人のことも救おうとせず世が政がとは片腹痛い」

    前巻を読んだ今だから思うのですが、これも道真の無力なる彼自身への怒りの表れなのでしょう。
    読者としては、「頑張れ!」と声をかけるのもおこがましく、歯がゆくもただただ彼の苦悶と葛藤を見ていることしかできません。彼の行く末に幸あらんことを!

    その他、都大路を闊歩する百鬼夜行や道真の師にして宣来子の父・島田忠臣の怪しい動きなど、前巻からの続きであった業平受難のエピソードも霞んでしまうほど、盛りだくさんの巻でありました。

  • 道真が人とのコミュニケーションについて考えるときがこようとは…(笑)
    道真の周りは、無自覚に女子のほうが強いようで、みていてほほえましくてかわいいです。
    ときつらさまイケメン…。

  • 呪いなどないというのが、だから気の所為ではなく
    誰か人間の仕業だと答えを出すのが道真らしい。
    文句を言いながらも業平に付きあい、いざ事が起こると
    宣来子に車の奥へ入るように言い守ってくれるところも良い。
    結局身から出た錆オチでちょっと笑ってしまった。

    力について考え始めた道真を塩焼きに招く業平。
    クラゲに刺された時の対処を知らなくても、人が痛がって倒れていたら何かあって介抱しているのかと思わないだろうか。
    本当に民など畜生以下でなんの興味も無いのだろう。
    正直道真の啖呵は少しすっきりした。

    物の怪の行列の証拠を取ろうと水を撒くのが流石。
    話が切り替わったようでいて、結局これも『力』の話である。
    相手が物の怪ではなく人間だから安全かと言えば
    逆に却って恐ろしいということもある。

    泣いてしまう白梅も、泣かれたら頼みを聞いてしまう道真も可愛らしい。
    笛の音は彼岸からの迎えではなく生き抜く為の人の営みの音。
    宮に言った言葉が自分に跳ね返ってきて不貞寝してしまうのも可愛かった。
    業平が頭を下げてきたことに対して物分りの良い大人相手に自分が拗ねているのが恥ずかしくなって
    もういい、と仲直りできて良かった。
    薬湯が効いたのは確かに思い込みかもしれないが
    タツの笑顔が見られてよかった。
    泥を知らぬ者に政を任せてはいけない。
    どうにもならぬ時に心を決めさせるのは神仏よりも己の後悔や思い込み。
    辛酸を舐めてきた大人たちならではの言葉だ。

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著者プロフィール

はいばら やく
漫画家。東京都在住。女性。
元々は同人作家として和泉八雲名義で活動。2006年に「コミックZERO-SUM」にて『とかげ』でデビュー。2017年、在原業平と菅原道真が怪奇事件の謎を解き明かそうとするクライム・サスペンス作『応天の門』で第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞し、これが代表作となる。

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