<Twitterにつぶやいた感想まとめ>
近年最も気になっていた漫画が完結してた。
古本全7巻が送料込み1,500円以下だったので思わずポチって一気読み。
序盤の印象とキーワード。
キリコ(装甲騎兵ボトムズ)、「僕が一番、◎◎◎◎をうまく使えるんだ」、人型決戦兵器、精神汚染。神林長平『戦闘妖精・雪風』。会田誠『巨大フジ隊員vsキングギドラ』。
4巻まで読んだところで、はっきり神林長平の書くSFっぽいなあと思ったが、前に読んだ『地獄のアリス』はそうではなかったし、最近では『いちげき』という時代劇も描いてる。
神林長平好きな人は『女子攻兵』をぜひ読んでみると良い。
5巻の終盤は宮崎駿作品(コナンとかナウシカとかラピュタ)へのオマージュと思われる巨大な羽虫の空中戦艦に、バイクのようなコックピットのハエ型やハチ型の戦闘機。
マニア好みのアイデアをこれでもかとぶっこんでくる。
案外、タイトル『女子攻兵』から連想させるように、エヴァンゲリオンと攻殻機動隊を合わせたような話というコンセプトだったのかも知れない。そんな気もする第6巻。
読み始めは、ブラックジョークか下品なオタク趣味のように感じるが、全7巻の6巻まで進むとそれまでの謎が一気に解けて世界観の全貌があらわになる。
アイデアの原点はエヴァかも知れないが、女子攻兵の方がSF的な骨格はしっかりしてると思った。
最後、第7巻。現実と非現実世界が曖昧になっていくこの感じがゾクゾクする。クリストファー・プリーストの『ドリーム・マシン』、あるいはクリストファー・ノーランの『インセプション』。残り2/3。どうオチるのか…
最後はフィリップKディック『暗闇のスキャナー』。
松本次郎は映画好きとして知られる。あとがきによると本作に影響を与えたのは『12モンキーズ』『2001年宇宙の旅』『ブレードランナー』『恐怖の報酬』とか。
『恐怖の報酬』は俺が子供の頃のトラウマの一つだ。
最終7巻あとがきのインタビューが面白かった。
女子高生の話はなんとなく分かる。エヴァとか攻殻機動隊まったく関係なかった(?)。
まるでエログロ同人誌のようなアイデアと世界観にきちんとした筋書きとオチをつける前人未到の荒業(あとがきに苦労話載ってた)。
日本のSF小説は劣化してるが、SF漫画は進化してるのかも知れない。
作者本人は『地獄の黙示録』とも言ってたな。
『地獄の黙示録』はちゃんと観たことないけど、断片的に沢山記憶にある映像のイメージは確かに雰囲気に合っている。
ワルキューレの騎行の演奏と戦闘ヘリ軍団。
それにしても7巻の前半は映画のクライマックス並みにスリリングで面白かったなあ。ほんと凄かった。
そして最後は、主人公・タキガワ中尉が、やっぱりFAF少尉・深井零に重なってくるのである。