応天の門 6 (BUNCH COMICS)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 694
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784107719300

作品紹介・あらすじ

宮中の権力を握らんとする藤原基経が帝に進言した「魂鎮めの祭」の開催、その警備を任された業平は……!? 一方、道真も伴善男に降りかかったある出来事の解決を頼まれることに……!? ついに、門の内の鬼たちが動き始める!

感想・レビュー・書評

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  • 6巻もこの先を思わせるような素振りがチラチラ見え隠れしていました。面白かった。
    寧さまとの出会いと別れは道真の唐への思いを強くしたけど、昭姫さんの「夢は夢のままのほうがいいこともある」でウッと。
    再読で、島田忠臣が基経についてる訳もわかりました。「そなたの替えなどおらぬ」と言われてたらね。。基経にとっては、超有能な駒くらいの感覚なんだろうけれど。
    しっかり出てきた源融、キャラが濃すぎて好きです。頭キレッキレなのか狂人なのか……政にも興味あるのかなんなのかで、血筋もあるしこれは光源氏のモデル最有力候補と言われるのもわかる。
    融ちん「つまり私が幸せであればこの世もすべて幸せであり、何もかも上手くまとまるということよの」……んなわけない。。
    融ちん…と業平殿みたいな引き顔で読んでたら、ラストに良相が爆弾を投下。常行兄さんの危惧…多美ちゃんの入内やら良房と基経が全力で妨害してくるやろ。
    続きも楽しみです。業平殿の演技力がたかい。

  • 宣来子様が愛らしく、忠臣の心の闇がしんどく、なんとも島田親子が胸に刺さる巻でした。そして在五殿の扱い(笑)融様は大変な面白キャラだけど、侮り難い敏さを持ってる辺りやはり貴族だなあ。塩竈の件は覚えてないと言い切ったのも婉曲な「不問処分」だったのかも、なんて。

  • 誰に対しても冷めて見下した態度の道真が、唐渡の寧さまに対しては殊勝な態度。自分の置かれた現状に夢を持てず、理想の国に憧れるのは隣の芝生という物ですよ。息子を見ているようで身につまされます(ため息)。子供のころ、大人をやり込める場面がありましたが、恨みを買わない処世術を身に着けないまま生きているようで、傍目に先が怖いです。もっと謙虚に、もっと足元を固めて!

  • 寧さんと唐の言葉で話せて嬉しそうな道真は
    いつになく年相応に可愛らしく見える。
    その才を正しく使えと言う寧。
    正面突破の策を考えるだけでなく、見届けると
    自分も出張るところが道真の偉いところ。
    業平もなんだかんだで協力して一芝居打ってくれるのは見物だった。

    ひとつ得をすれば損がついて回るのは仕方ない、
    一人を罰しても別の者に妬まれるだけ。
    忠臣の言葉が暗く響く。
    後からでも、父親にだけでも自分ではなく阿呼だと
    言うだけでは気がすまなかったろうか。
    阿呼のお蔭で一応は解決して空気も少しは良くなって
    あのまま廊下に居たほうがきっと良かったろうに。
    忠臣もまた真面目過ぎるのだろう。

    山桜の話も面白かった。
    きっちり芝居をする業平も好きだし、騙されてる融様が純粋。
    小川を引くという発想が本当に雅だった。
    道真のことを子飼いの小僧、という辺り、融もただ純粋なお貴族様では無いという描写も良い。
    業平が
    「恐れなどいつか克服してしまう。長く人を縛るのは情だ」
    「良いことをした、これが正しかったと納得させること
    己の判断で決めたと思わせることが処世の術」
    と言うのも納得である。

    そしてまた、一芝居打たされそうな業平様。
    次も面白そうだ。

  • 唐の宦官の話と、渉成園を作った源融の話
    とおるちゃんこと、源融は源氏物語の主人公光源氏のモデル最有力候補らしい。
    さすが嵯峨天皇の皇子。作中では冷や飯を食ってはないけども、藤原にやられがちなトオルちゃんですが、応天門の変以降、上役がどんどん失脚とか死去とかして、ぐんぐん出世するらしいです。
    その上、年下の基経が51歳で死んだ後にも、働き続け74歳でその生涯に幕を閉じる。すげぇぜ光源氏。

  • 唐人脱出!

  • -

  • 藤原も反藤原も、黒い感情のうねりが怖い。
    大人たちがだいたいみんな怖い。
    どうやら業平様が他人にドン引きしてるのが好き。

  • 日本は島国である、という事は外と隔絶されているのではなく、海を経て繋がっているという話。5巻後部から6巻前部はそんな物語なのだが、この巻の引きはまた藤原氏である。かの家が他氏排斥を平然と行うのならば、その苛烈さは同門にも容赦なく振るわれる訳で、長きに渡る藤原氏の栄華はそんな血と謀略に彩られている。

  • 前の巻を読んでからだいぶ間が空いてしまったので忘れていたけれど…。
    役人変死事件の解決と新しい事件。
    道真と忠臣の過去の話も。なかなかにつらい。

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著者プロフィール

はいばら やく
漫画家。東京都在住。女性。
元々は同人作家として和泉八雲名義で活動。2006年に「コミックZERO-SUM」にて『とかげ』でデビュー。2017年、在原業平と菅原道真が怪奇事件の謎を解き明かそうとするクライム・サスペンス作『応天の門』で第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞し、これが代表作となる。

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