司馬遼太郎が語る 5 日本と合理主義 [新潮CD]

  • 13人登録
  • 4.67評価
    • (2)
    • (1)
    • (0)
    • (0)
    • (0)
  • 2レビュー
著者 : 司馬遼太郎
  • 新潮社 (2005年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784108301726

司馬遼太郎が語る 5 日本と合理主義 [新潮CD]の感想・レビュー・書評

  • 無宗教の日本人は本来合理主義者である。その発端は無神論者である織田信長を承認した事に起因する。そして貨幣・商品経済が発展し、リアリズムを追求する事になる。ここが宗教・王室に縛られた西欧や儒教に縛られた中韓との決定的な違いである。が、明治以降、国家神道が勢力を増した時に非合理主義に陥り、国を破滅させたと。
    こんな歴史観は受験の日本史じゃあ教わらない。これらの背景を踏まえると日本人がエコノミックアニマルとして拝金主義になるのは当然だなあと思わせる内容。世界における日本(人)とは何か?あらためて考えさせられる。

  • 「古代朝鮮半島は金が好き。ところが日本人は金に鈍感で、大仏を作るときに朝鮮から渡来した人たちを使って金を探させた。」

    この時点で思った。金の価値に鈍感だと、金について意識の鋭い国から人を入れなきゃいけなくなる。
    今日の領土問題もTPPも、元をたどれば、もうこの時点で負けてるということだろうか。

    戦国時代に入ってやっと金山銀山の開発が盛んになり始め、やっと上手く言ったところで天下統一した秀吉が全部横取り。

    秀吉の直轄は二百二十万石しかなく、秀吉の筆頭大名の徳川家康の関東の石も二百二十万石。
    なぜ秀吉が潤ったかというと、金を使って貿易し外貨を獲得したから。

    信長と石山本願寺の「石山合戦」も、都を大阪に置くため。それは秀吉に受け継がれて、大阪城を立てたのも、貿易のためにお大阪湾を抑えるため。

    大阪城を建てるのに農民を働かせるときも、搾取ではなくきちんと日当をはらった。だから人が集まって城が早く立った。

    つまりビジネスセンスのある政治だったのだ。

    だが、佐渡の金山が廃れると徳川幕府も廃れる。

    室町時代の貨幣経済、商品経済が、三角は三角である。円は円であるとそのままに見る合理主義というなのリアリズムを創りだした。さらにそれは個人の確立の始まりともなる。

    ところが幕末になって、尊皇攘夷が水戸藩に取り入れられ、それが日本のイデオロギーになってしまった。
    これは、この王朝は正当化正当でないかの議論が大事、外国人は全て敵だという観念論。リアズムではない。

    お金の価値が分からぬ現在の日本政府は領土問題でも、TPPでもしてやられ、ビジネスセンスも、リアリズムもなく、原発は安全だとか、増税は必要だとかあり得ない観念に呪われている。
    歴史を知れば知るほど、情けなく感じざるを得ない。

    司馬遼太郎氏が存命であれば、何と言ったであろうか。



    尊皇攘夷
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8A%E7%8E%8B%E6%94%98%E5%A4%B7

    司馬遼太郎
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B8%E9%A6%AC%E9%81%BC%E5%A4%AA%E9%83%8E

全2件中 1 - 2件を表示

司馬遼太郎が語る 5 日本と合理主義 [新潮CD]はこんな本です

ツイートする