脳の設計図

著者 : 伊藤正男

• 中央公論新社

感想・レビュー・書評

[キじばと。。さんの感想 · 2019年9月5日]

わが国の脳科学における第一人者として知られる著者が、脳のしくみについて一般の読者向けにわかりやすく解説している本です。

著者はとくに小脳の研究で大きな業績をあげていますが、本書でも小脳による運動調整機能が解明された経緯に立ち入りつつ、脳科学研究のフロンティアで科学者たちが取り組んでいる課題をヴィヴィッドにえがき出しており、興味深く読めました。もちろん、ほぼ40年前の本なので、現在の脳科学の知見から見ると古くなっているところもあるのでしょうが、脳についての基本的な考え方を学ぶことができました。

なお本書刊行後に、より簡明に脳科学の基礎を解説した『脳の不思議』（1998年、岩波科学ライブラリー）が刊行されています。

著者プロフィール

伊藤　正男（NPO法人脳の世紀推進会議理事長、（独）理化学研究所脳科学総合研究センター・特別顧問）

「2014年 『アルツハイマー病の早期診断と治療』 で使われていた紹介文から引用しています。」