- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120013126
感想・レビュー・書評
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久しぶりに男のくせに涙がたくさん流れる本だった。いきなりの終戦で満州から3人の小さな子どもを抱えながら故郷にたどり着くまでのリアルな現実と人間のエゴ、そしてソ連兵や朝鮮庶民の温かい支援等もあり生死ギリギリの中を遂に故郷に帰った女性のノンフィクション(創作部分もあり)。昭和24年に出てから68年間 今だに読み継がれる。アニメ「この世界の片隅に」もよかったけど、この本には普通の当たり前の若いお母さんが生死紙一重の状況下を耐え抜き生き抜き我が子達を守り抜いた事実が記されている。出逢えて良かった!と思える本の一つ。
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(1988.01.01読了)(拝借)
内容紹介 amazon
昭和二十年八月九日、ソ連参戦の夜、満州新京の観象台官舎。夫と引き裂かれた妻と愛児三人の、言語に絶する脱出行がここから始まった。敗戦下の悲運に耐えて生き抜いた一人の女性の、苦難と愛情の厳粛な記録。戦後空前の大ベストセラーとなり、夫・新田次郎氏に作家として立つことを決心させた、壮絶なノンフィクション。
☆関連図書(既読)
「お星さまのレール」小林千登勢著、フォア文庫、1984.05. -
敗戦により満州から子ども三人を連れて引き上げる話。
新京の気象台に勤めていた夫はソ連の捕虜になり、離れ離れになる。
その後、子ども三人を連れ(6歳、3歳、1歳)を連れて壮絶な引き上げの旅を送る。
当時、ていさんは27歳。
この偉業を成し遂げられたのは、少しの運とていさんの気力のなせる技だったにちがいない。どの場面においても生きることへの気迫の強さが感じられる。
こうして生き延びた人々が日本のある時代を支えたのだ。
極限状態の中で、人がどうやって生きていくか、どういう行動をとるか、どのような感情が湧きあがるのか、いずれにしても人間の本性の凄まじさを知る。 -
満州からの壮絶な引き揚げの記録。昭和20年の8月、夫とともに新京に住んでいた著者は、幼い息子2人と赤ん坊の娘をつれて、日本へ向け出発する。一度は再会したものの、夫の安否は分からない。自分の身を守ることにも精一杯という状況では、人は人に優しくはない。母子に対する周囲の目は厳しい。食べるものにも事欠く日々、裸足での逃避行・・・、帰国し、実家の長野にたどりつくまで、1年以上かかっている。母は強し!