- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120017841
感想・レビュー・書評
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再読。生きている人、が描かれてるなーと。突然不幸に見舞われたり、やなヤツと思ってた人の優しい気持ちに救われたり、じたばたしたり、こっそりいけないことをしたり、そんなことが書かれてるだけなのにグッとくる。
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時々こういう作品を読みたくなる。他人の人生について書かれている。この作品を書くときにカーヴァーはどんな風に思っていたんだろう。お父さんがお話好きだったらしい。特になにもおこらないように見える他人の人生について考える。なにもおこらないことはない。明日子供が死ぬかもしれないし、浮気がばれて妻と離婚しなくてはいけなくなるかもしれないから。ここではない隣でおこっているかもしれない人生について、小さな波はいずれ大きくなって根こそぎ人生をもぎとったりする。そういうことをずーっと考えながら読んでいた。
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日記に残されることもないささやかな出来事を、あたたかさ、みにくさ、やさしさなどを、忠実に語る。
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レイモンドは、独特の文体をもっている。
「私」を中心として、妻、両親などが、
登場人物で、隣人が関与している。
村上春樹訳 レイモンドカーヴァーの文体は、
幾分かわっていて読みにくい。
しかし、モチーフがとてもおもしろい。
なにげない日常会話と生活の観察。
離婚という経験の中からひきづっているもの。
様々な心模様を優しく描いている。
短編ばかりであるが、
その一つ一つはよく凝縮したものを
もっていておもしろい。
村上春樹の小説のモチーフのインパクトに
なっている部分があるような気がした。
「翻訳作業」は、
小説作りのひとつの練習になるのかもしれない。
人間のもつせつない繊細なしなやかさが、
とても豊かな気にさせます。 -
好きな作家の本。
村上春樹ファンの方にも馴染みが深いのでは?
10作品ほどの短編集で、どれもがありきたりの題材ですが、どれもが安易なハッピーエンドでは終わりません(爆
かと言って口角を歪めるようなアイロニーやシニカルの世界でもなく、哀しいけれど「やさしい気持ち」になれる。
そんな余韻に浸れる小説群です。
レイモンド・カーヴァーを薦めるときに真っ先に出す本でしょうか。 -
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表題作の終盤にやられた。村上春樹訳だからなのかな、「やれやれ」が結構出てた。
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この作家さんは、日本にあっては村上春樹さんに見出された短編作家さんという印象でしょうか?
若くしてなくなられた方で、苦労をして物書きという職業に就かれた方ですが、わたしは大好きです。
有名な『大聖堂』でもよいんですが、ハードカヴァーでいろいろと立つ続けに出された中の一冊、『ささやかだけれど 役に立つこと』を選ばせていただきました。
今は、傑作選の中に入っていると思います。是非、一読を。