愛蔵版 少年時代

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 34
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (990ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120018565

感想・レビュー・書評

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  • 柏原兵三の小説「長い道」をもとに、藤子不二雄A氏が描かれたマンガです。
    のちに、同タイトルで映画化もしています。この映画のために井上陽水の「少年時代」が作曲されたことは意外に知られていません。

    中央公論社の愛蔵版は絶版になっており、本屋では入手不可能だったのでオクで落としました。やっと手に入れることができました!

    二人の少年の「愛とにくしみのドラマ」を主軸に、「権力闘争ドラマ」も描かれています。(著者談)

    戦時中の物語ですが、直接的な戦争の描写はありません。
    ただ、少年たちの暴力的かつ、権威主義的な面は時代の影響を考えさせられます。

    権力闘争ドラマとしての側面は、圧巻です。
    大人社会の権力闘争の縮図とも言えるのではないでしょうか。
    権力者に気に入るように行動したり、貢ぎものをしたり・・・
    貧困の時代なので、金こそ出てきませんが、暴力シーンは多いです。
    集団でボコボコに殴られるシーンは目を覆いたくなります。(A氏の画風は決して生生しくはありませんが、心情的に訴えてくるものがあるのです。)

    注目すべきなのが愛とにくしみのドラマの側面です。
    少年の物語なのですが、「友情のドラマ」ではないのです。

    最初こそ権力少年・タケシに反感を覚えるものの、彼が闘争に敗れて失墜する場面では悲しくて切なくなります。
    この暗い時代じゃなかったら、何か違っていたのでしょうか・・・。
    本当だったら、タケシとシンイチはいい友達になれた気がします。

    映画もかなりよかったです!
    映画については再度見た時にレビューを書くつもりです。

    マイナーかもしれませんが、今改めて読み直されるべき作品だと思います。


    ・・・・このマンガでもさりげなく「ンマ〜イ」と、黒い楕円の目のキャラクターが登場しています。まんが道も読み返したいなあ。

  • 子供なりの強さ、格好良さ、情けなさが描かれている。子供時代から何度も読み返す。

  • あの映画にもなり、歌にもなった漫画。複雑な心理で織りなす男の熱い友情。A節満載。

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