パラレルワールド・ラブストーリー

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120024009

感想・レビュー・書評

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  • 嫁さんが図書館で借りてきていた「東野圭吾」の長篇ミステリー『パラレルワールド・ラブストーリー』を読みました。

    「東野圭吾」作品は、先日読んだ『麒麟の翼』以来ですね。

    -----story-------------
    親友の恋人を手に入れるために、俺はいったい何をしたのだろうか。
    "本当の過去"を取り戻すため、"記憶"と"真実"のはざまを辿る「敦賀崇史」。
    錯綜する世界の向こうに潜む闇、一つの疑問が、さらなる謎を生む。
    精緻な伏線、意表をつく展開、ついに解き明かされる驚愕の真実とは!?
    傑作長編ミステリー。
    -----------------------

    序章において主人公「敦賀崇史」は、京浜東北線で「津野麻由子」と出会い憧れを抱く… そして、その後は時代が微妙に異なる二つの物語が交互に展開、、、

    ひとつの物語では、主人公「敦賀崇史」は中学生時代からの親友「三輪智彦」と共にバイテック社に入社し、新入社員の中でも特に優秀な人材を集め最先端技術の研究と英才教育を行うMAC技科専門学校という研究機関に送り込まれるが、そこで「三輪智彦」から恋人の「津野麻由子」を紹介され、「三輪智彦」との友情と「津野麻由子」との愛情の狭間で苦悩する。

    もうひとつの物語では、主人公「敦賀崇史」は中学生時代からの親友「三輪智彦」と共にバイテック社に入社するというところは同一だが、「津野麻由子」は、主人公「敦賀崇史」の恋人であり、時間軸もひとつめの物語の少し先で、親友「三輪智彦」はバイテック社のアメリカの研究機関で勤務している。


    「津野麻由子」との関係が相反しており、矛盾しているふたつの物語なのですが、、、

    展開するにつれて、ふたつの物語のズレが徐々に近づいて行き、最後には矛盾なくぴたっと合わさります。


    この構成には、さすが「東野圭吾」作品だなぁ… と感じさせられましたね。

    SFっぽさもありましたが、ミステリー色を失うことなく、そして余韻に感動も残す佳作でした。


    脳の影響を与え、記憶を改変するところ等は『変身』を思い出させる内容でしたね。



    備忘用に登場人物を。

    敦賀崇史
     総合コンピュータメーカー「バイテック社」に勤務。
     現在は同社の研究・教育機関である「MAC技科専門学校」に在籍。

    三輪智彦
     敦賀崇史の親友・「MAC技科専門学校」に在籍

    津野麻由子
     「MAC技科専門学校」に在籍

    桐山景子
     「MAC技科専門学校」に在籍

    須藤
     「MAC技科専門学校」の教官

    小山内
     「MAC技科専門学校」の教官

    篠崎伍郎
     「MAC技科専門学校」に在籍・津野麻由子と同期入社

    直井雅美
     篠崎伍郎の恋人

  • 読んだ気がするけど初読な気もする。
    不思議な感覚
    主人公の感情が代表的に描かれていたが、3人が最終的に選んだ道も、記憶を無くすことで自分を楽にさせたいという心理の働いた、科学が進歩した未来の利己的な感情の表れかなと思った。
    私もこの感情は日頃から身に染みて感じるものだから、読んだ後は心がざわめいてなかなか忘れられない作品だった。

  • 著者の初期作品に入るのだろうか、映画化されなければ知らないでいただろう。まず読み始めて「君の名は。」のラストからの続きのように感じた、どちらも記憶改編の話と言えば言えなくないだろう。記憶の消去はオウム真理教で電気ショックを与える方法で実証されているが、果たして偽の記憶を作り出すのはどうだろう、それより先に倫理的に許されることではなく、麻由子が許すはずがないと思うのだが。時代も変わってしまっているので、現代風に映画は解釈変更されるのだろうか。崇史が全てを諦めても麻由子が放っておける訳はないと思うのだが、ラブストーリーがやり直されると理解したい。

  • 記憶が・・・

  • 恋愛モノはあまり読まないので、避けてた東野作品。でも、恋愛よりミステリー色強いかな。読みやすくて楽しめたけど、あまりにも悲しい結末やったので、☆4つ。

  • なんか、なんか、こう、読みやすい。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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