嗤う伊右衛門

著者 :
  • 中央公論新社
3.81
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本棚登録 : 1215
感想 : 153
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  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120026898

作品紹介・あらすじ

幽晦との境界が-破れている内部の薄明が昏黒に洩れているならばそこから夜が染みて来る。鬼才が挑む悪の華「四谷怪談」。

感想・レビュー・書評

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  • 怖かった度★(最高は★5)

    さあ、中断期間を経て帰ってきた『魁ホラー塾』第六弾は土瓶さん推薦の『嗤う伊右衛門』です

    (『魁ホラー塾』とは?超絶雑食読書人を標榜するひまわりめろんが真の雑食を目指すために唯一苦手なホラー小説克服を目指して本友の推薦本を読み漁るための私塾である…民明書房刊『向日葵舐瓜読書日記』より)

    っていうか…やってくれたなぁ!やってくれたな土瓶さんよぉ!これホラー違うやんか!もう!

    ま、その前にまずは京極夏彦さんに触れねばなるまいて
    実は京極夏彦さん初読なんですよ

    小学校の4年生くらいには江戸川乱歩、横溝正史を読み始め、中学生のうちにはコンプリートしているワタクシとしては当然京極夏彦さんに進むはずだったんですよ
    当然そうだったんです
    だってそれはもうエスカレーターですから、中高一貫校みたいなもんですから
    中学受験大変だった分高校受験はしなくていいシステムですから
    江戸川乱歩→京極夏彦さんてそういうことですから

    でもここで得意の意固地発動、ドロップアウトです
    付属中から別の高校行く奴いましたよね、やっぱ共学行きたい!なんてね、たいしてモテもせんのに

    当時ワタクシなんてもう京極夏彦さんのこと江戸川乱歩の偽物扱いしてましたからね、読んだことないのに
    偽物なんて読むに値しないって
    いや、分かる!そのお怒りはごもっともです
    失礼極まりない上に、この上なく浅い
    今なら分かりますよ、とんでもない間違いだって
    でも当時はそう思って手に取ろうともしなかったんですよね
    あー失敗したw

    で、まぁそんな意固地もなくなってはいるんですが、今度はもうちょっと今さらというかね
    手を出しづらいじゃないですか
    めっちゃ多いし分厚いし

    でもね!何かを始めるのに遅すぎるってことはないんですよ!自分を変えるのはいつだっていいんですよ!

    CHANGE!Yes We Can!(なんかどっかて聞いたことある)

    で『嗤う伊右衛門』です

    凄い!凄すぎる!
    『四谷怪談』元にしてこの物語が出てくるか〜
    凄いわ
    もう京極夏彦さんこそ怪異だわ

    土瓶さんのおかげで澱が洗い流されたわけなので、そこには感謝だけど

    これはホラーじゃないわ〜

    次はもう『残穢』とか行ってみる?みんみん推薦本になるのかな?

    • ひまわりめろんさん
      あ、あと言い忘れてたけど文豪道からの圏央道が天才過ぎる
      あ、あと言い忘れてたけど文豪道からの圏央道が天才過ぎる
      2023/07/27
    • おびのりさん
      そうそう。今日久しぶりに高速使って、圏央道見て思い出したよ。
      そうそう。今日久しぶりに高速使って、圏央道見て思い出したよ。
      2023/07/27
    • ひまわりめろんさん
      せやろ、思い出に刻まれるのがカリスマやねん
      せやろ、思い出に刻まれるのがカリスマやねん
      2023/07/27
  • 分厚い!けど一気読みでした。
    昔…本家四谷怪談は夏になるとテレビでやってましたね〜子供の頃観てトイレに行けなくなりました笑
    伊右衛門が出世の為にお岩さんに毒をもり…
    顔が崩れて行くというね、まさに恨めしや〜でした。

    いやいや素晴らしい作品でした。
    京極夏彦がこれほどまでに美しい四谷怪談に仕上げるとは…
    もう悲しく、切なく、美しい。゚(゚´Д`゚)゚。

    前半騙されていく伊右衛門とお岩のすれ違いにジリジリとしながら読み、半分あたりからもう一気読み!
    この結末が胸にグッと来ました…


    又市のシリーズがあるらしいので読みたいわ(〃ω〃)
    土瓶さん教えてくださいな笑

    また分厚いのかな…腱鞘炎だな…







    • おびのりさん
      文庫はないの?
      絶対、図書館のなんかついてるよ。
      今日、紀伊國屋書店に立ち寄ったら、京極さんの新刊でていたわ。まだまだやる気だね。
      文豪スト...
      文庫はないの?
      絶対、図書館のなんかついてるよ。
      今日、紀伊國屋書店に立ち寄ったら、京極さんの新刊でていたわ。まだまだやる気だね。
      文豪ストレイドッグスにも京極さん出てるっぽいし。(面白くないので読んではないですが)
      2023/01/18
    • みんみんさん
      文庫は中央図書館で閉架という名の
      座敷牢にいます笑
      きっとなんかついてます( ̄▽ ̄)
      文豪はアニメちょっと観たけど辞めました〜
      文庫は中央図書館で閉架という名の
      座敷牢にいます笑
      きっとなんかついてます( ̄▽ ̄)
      文豪はアニメちょっと観たけど辞めました〜
      2023/01/18
    • 土瓶さん
      みんみんさん、行動早っ!!
      あれ、新刊本だとけっこうな重量だよね^^
      付喪神化、おめです(笑)

      え。京極さんの新刊?
      なにかな。...
      みんみんさん、行動早っ!!
      あれ、新刊本だとけっこうな重量だよね^^
      付喪神化、おめです(笑)

      え。京極さんの新刊?
      なにかな。書楼弔堂のシリーズかな。
      実は、あのシリーズはあまり好みでなくてね。
      でも本好きのおびのりさんなら気に入るかもしらん。
      2023/01/18
  • 恐ろしいです。
    ほんとうに怖いんです。
    正気と狂気が。

  • 苦しい...。これは読んでてとても苦しくなる本。実は図書館で何回か借りたことがあるが、読まずに返却してた本。何故今まで読まなかったのか信じられない..。若かりし頃、恋心が芽生えた最初の頃、只好きという感情だけで毎日が心躍り、暫くして叶わぬ恋と気づいた時に感じる胸が締め付けられるような感情が読んでる間ずっと続く。この本を読んでそんな感情が今でも残ってる事に気づかされ、少し恥ずかしくなった。詳細な情景が頭に浮かぶのもこの作者の筆談力。 文句なく今まで読んだ本で最高の評価!

  • 伊右衛門さんとお岩さん……といえば四谷怪談。お岩さんて多分、日本で一番有名な幽霊ですよね。大方は、伊右衛門が悪い男で、お岩から心変わりしたあげくに毒を盛ってその顔を醜く爛れさせ、それを恨みながら死んだお岩が伊右衛門を祟り殺すといったようなストーリーみたいですが、京極版のこれはひと味違います。これはアリです。伊右衛門さんステキ。

  • 京極夏彦による小説『嗤う伊右衛門』も恋愛小説なのかもしれない。
    しかし、巷間に流布する所謂恋愛の概念から逸脱した、生々しい愛の現実界を描いた作品だ。それは愛かもしれないが、恋ではありえない。それはもはや恋愛という言葉で表現することさえ不適切であるとも思える形態の男女関係であり、狂気といっても過言ではないものである。

    二人の関係は、一言では理解しがたいものだ。
    忠義なのか、愛情なのか、狂気なのか。
    わからない。

    だが、己の内奥に訴えかける何かが確かに感じられる。

    最後の最後まで、二人はお互いに、理解し合うことがなかった。
    お互いはお互いに幻想というフィルターを通して相手の虚像を見て、それとの関係で全てが完結してしまう。
    まるでラカンのあの言葉―「性的関係は存在しない」―を思い起こさせるようだ。

    二人は、死という虚無の中で漸く結ばれたようにも読める。
    然し、天国で結ばれただとかいう考えは斥けなければ成らない。
    これは、京極夏彦の作品なのだ。
    あの世は存在しない。
    最後の最後まで、二人の間には男女関係が存在しないのだ。

    故に、これは恋愛小説でありながら、恋愛小説ではない。
    成る程確かに愛の物語ではあるのだが、二人は決して結ばれず、気持ちさえも通じ合わない。むしろ、お互いはお互いに憎み合っているとさえ思っているのではないか。
    だから、これは最広義の意味では恋愛小説なのかもしれないが、些か歪な愛であり、俗に言う恋愛小説とは全く異なるものだ。
    しかし、それでもこれは愛のあり方や、人間の生について深く考えさせられるものがある。
    「恋って素晴らしいわ~~」とポワ~っとなるのではなく、人生の無常さや、人間の孤独さを考えさせれるのだ。

    兎も角も、傑作であることは確かで、もう一度読み返したいと思った作品である。

  • 言うほど悪くないし、むしろ好き。

  • 1997年中央公論社発行の単行本。暑い夏だから怪談をと考えたが、怪談を元ネタにしているが作者による再構成したものだった。最終場を除いて、理屈が通っていると考えようとすれば通っているともいえる。だが、それも最終場面へ導くための序章と考えると恐ろしい。ある意味最終場は周囲がなんとかしよう、しようとするほど泥沼のように堕ちていく二人に対する救いのようなものか。映画をテレビでラストのみ見た覚えがあるが、美しく描かれていた記憶がある。

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • かの有名な四谷怪談の京極版。とにかく岩と伊右衛門の2人の気持ち、思いやり全てがすれ違ってしまうのが切ない。登場人物全てが少しずつボタンを掛け違い、最悪の方向へ転げて行く様がまた悲しい。完全な闇ではない、蚊帳の向こうのうすぼんやりした雰囲気が全てを包み込んでいる感じでした。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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