充たされざる者 下

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 85
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120027055

感想・レビュー・書評

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  • 下巻になって、きっともう彼はたどり着けないだろうなと読んでるほうも諦めてきたせいか、ペースが落ちてきました。こういう終わり方をどう解釈したらいいか、はるか昔に読んだカフカと比べることは私にはできませんが、エンタメばかり読んでいたこの頃に喝を入れた作品であることはまちがいないです。

  • カフカの『城』だろ。あれを読む前なら、間違いなく★★★★★だ。
    どこにも属することができない、すなわち、ひとりであること⇒実存を問うている。主人公が会う各人は、その実、主人公自身のうつしみであろう。
    各人の頼み、それに振り回される主人公という構図が、気持ち悪い。

  • 圧倒的。すごい。

  • あー、なんかすごい空間に巻き込まれて生還した気分です。上巻に引き続き時空がねじれてどんどん話が進んでいきます。頭に?マークを出したり!マークを出したりしながら、話の後をひたすら置いて行かれないようについて行きました。上巻は苦労して読み進みましたが、下巻ではだんだん展開のされ方に慣れてきたのか、結構さくさくと読めました。きっと、読み返す度に新しい発見があるような、そんな小説です。

  • うわー、凄いな。
    こんな文ありか、ありだな、カズオ・イシグロなら。
    異端だよな。マネ出来ない。

    最後まで混沌として、とにかく周りに振り回され、でも、気になって…
    とめどもなく、惹かれる文です。

著者プロフィール

カズオ・イシグロ
1954年11月8日、長崎県長崎市生まれ。5歳のときに父の仕事の関係で日本を離れて帰化、現在は日系イギリス人としてロンドンに住む(日本語は聴き取ることはある程度可能だが、ほとんど話すことができない)。
ケント大学卒業後、イースト・アングリア大学大学院創作学科に進学。批評家・作家のマルカム・ブラッドリの指導を受ける。
1982年のデビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年『浮世の画家』でウィットブレッド賞、1989年『日の名残り』でブッカー賞を受賞し、これが代表作に挙げられる。映画化もされたもう一つの代表作、2005年『わたしを離さないで』は、Time誌において文学史上のオールタイムベスト100に選ばれ、日本では「キノベス!」1位を受賞。2015年発行の『忘れられた巨人』が最新作。
2017年、ノーベル文学賞を受賞。受賞理由は、「偉大な感情の力をもつ諸小説作において、世界と繋がっているわたしたちの感覚が幻想的なものでしかないという、その奥底を明らかにした」。

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