曹操 下: 魏の曹一族

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120028618

感想・レビュー・書評

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  • 歴史の教科書にはとてもわかりやすいかなぁ。中国は本当にわかりにくいから、整理するには、最高かな。

  • タイトル通り、曹操の人となりや身近な人々を描いたもので、さくさくと読める。
    そのせいか、戦についてなどはあまり深く語られないので淡々と進んでいく印象。
    曹操の人物像が素敵だった。

  • 下巻は曹操の子供たちに対する思い、曹操の残した詩などが多く紹介されていて面白かった。
    他の作家の作品では曹操は悪役のように描かれるけど、陳さんの曹操は、学者としての一面も描かれている。強烈な個性がなく淡々と描かれているけど、じつは曹操の実像に近いのではないか、と思えてくる。

  • 呂布戦はたった1行、官渡の戦いは3ページ、赤壁は20ページ。まるでNHK大河ドラマの「江」を見ているかのようだ。

    ページの大半を当時の情勢を描くことに割いてしまっている。それも当時の出来事を羅列しただけで、台詞も説明口調気味。特に荀彧の死の場面は最悪といっていい。かと思えば些末なことを繰り返し何度も書いたりもする。

    筆者が曹操を一人の人間として描きたいというのはわかるが、人間関係は希薄、台詞も陳腐となるとどこを面白いと思えばよいのやら、である。小説としては相当駄作だろう。

  • 不満。
    なにが不満かと言うと、手に取ったときの気持ちと実際がかなり違っていたため。期待していたのは歴史小説。だけど実際は、小説化しきれていない歴史本、といったところだった。人物描写や背景の描き方が、やっぱり大昔だからか、どこもおおざっぱで、人物同士の会話なんてわざとらしくって仕方がない。

  •  後漢末、乱世の中で次第に頭角を現し、やがて魏国を興して事実上の漢の後継者となった曹操。本書は、「清平の姦族、乱世の英雄」と呼ばれた彼の生涯と、彼を取りまく人々の運命を描いた長編歴史小説です。続編に『曹操残夢――魏の曹一族』もあります。
     物語は、「光和元年」「安処亭」「逃亡行」「半年また半年」「動乱の前夜」「歳は甲子に在り」「済南の相」「帰郷」「西園八校尉」「伝国の璽」「長安から青州へ」と続き、ここまでが上巻です。下巻は、「父の死」「乱戦」「東山の詩」「滄海を観る」「愛児夭折」「赤壁往還」「志は千里に在り」「東征また西征」「時は過ぎ時は来る」「超世の傑」「あとがき」と続きます。
     本書の続編である『曹操残夢――魏の曹一族』(2005年刊)を先に読んでしまい、順序が逆となってしまいました。ただ、続編よりも、本書の方が読みやすく、面白く感じました。途中から若干文章の質が落ちたように感じましたが、あとがきを読むと季刊誌から月刊誌に掲載誌が換わったとあるので、そうしたことも影響しているのかもしれません。それとも単なる気のせいなのでしょうか・・・。いずれにせよ、三国志モノというと英雄たちの派手なぶつかり合いを想像しがちですだ、本書では一人の人間としての曹操を、小説家としての想像力を駆使して生き生きと描いています。その一方で、詩・書・政・軍などの彼の多彩な才能のひとつの現れに過ぎない戦の駆け引きについては、淡々と描くことにとどめている印象を受けます。武将・曹操よりも人間・曹操に興味がある方には、お薦めの本です。

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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