第一次世界大戦 (下)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120031007

作品紹介・あらすじ

膠着する戦線、疲弊していく国家。泥沼の欧州大戦は終局へと向かう。勝敗を分けたのは作戦力か、技術力か、それとも…。大戦の転換点に、戦略史家ハートの冷徹な分析が冴える。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史
    戦争

  • やはりすごい本である。そして、読者の知識を試すかの様な本である。ヨーロッパの歴史・政治・軍事について、ある程度の知識が無ければ読みこなせない本であるのは上巻でわかっていたが、この下巻では、戦争の経過だけでも、それなりにおもしろい。
     おそらくウォーゲームというものは、この第1次世界大戦の分析から始まったのではないだろうか。ヨーロッパという広い戦場での戦いでは、戦略的思考なしには戦えない。東部戦線・西部戦線の戦い。制海権をめぐるUボートの戦い。飛行機・戦車の登場。その立体的な戦闘描写は圧巻だ。
     そして、政治。1917年のロシア革命とアメリカの参戦。歴史が激動するその瞬間を余すところ無く描写している。
     ただ、読んで局面局面の展開はわかるが、その背景の大きな動きはわかりにくい。そもそも、なぜドイツが負けたのかが良くわからない。おそらく当時のドイツ国民もそうだったのではないだろうか。そしてヒトラーも。
     本書は本文の最後に1919年のヴェルサイユ条約を取り上げている。その項目の最後は「ふたたび世界大戦へと進んでいったのである」だ。
     この第1次世界大戦の死者数は1千万人といわれている。総力戦となった近代戦争は桁違いの被害をもたらしたのだ。これだけの被害をもってしても次の戦争を防ぐことはできなかった。やはり私たちはもっと歴史を知るべきなのだと思う。 
     本書の評価を星二つとした理由は、本書の理解にはヨーロッパ史の基礎知識を必要とすると思われたからだが、その基礎知識があまり無い私でも、その戦闘内容と経過はそれなりにおもしろく読めた。本書は、読み手によって評価が著しく変わる本であると思った。

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