スカイ・クロラ

  • 4408人登録
  • 3.67評価
    • (626)
    • (540)
    • (1176)
    • (94)
    • (25)
  • 699レビュー
著者 : 森博嗣
  • 中央公論新社 (2001年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120031588

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

スカイ・クロラの感想・レビュー・書評

  •  空を飛ぶ視点から見た、青い空、夕景から紫色に移りゆく空、図書館で見た本の表紙がとても印象的で、読んでみたかった作品です。森博嗣の作品は工学博士としての評論は別に初めて。

    Sky Crawlers  空を無限に這い回る者たちというところか。不思議な感覚が残る物語です。

    無機質とも言える短い会話
    戦闘の最中でさえ、冷徹な描写でステップが進んでいく無機質の裏側に制御され、抑制された永遠の生への不安

    「キルドレ」 大人になれないで、永遠の生を生きる存在。目的も大義名分の無く、社会の中で平和の価値を実感するためにだけ存在する”戦争”を演じる企業。パイロットの「キルドレ」達はここでようやく物理的な死を迎えることができる。空の中でしか自分の生を考えられないのか。

    「僕はまだ子供で 時々右手が人を殺す
     その代り 誰かの右手が僕を殺してくれるだろう
     それまでの間 何とか退屈しないように
     僕は生き続けていくんだ子供のまま」

    飛び立ち、戦闘から帰還してくる者たちは地上にあって、自分の終わりのストーリーを考える。

    「ただ滑らかに飛び 風を切って翻る
     その瞬間に、自分の中の無が見える
     しかしその夢心地を地上で思い出すことはできない
     どうしてもできない 自分は何者なのか
     どうして生きているのだろう」

    そして、最後のシーン。
    押井守監督のアニメ作品にもなっているそうです。

  • 不思議な物語だ。
    この本は映画を観てから読みました。
    独特の世界観、世界のつくり方。普通の頭ではここまで矛盾しない世界は創造出来ないでしょう。
    引き込まれます。
    この本は、是非続編まで含めて全て読んでほしい。
    全て読んで、作者が創造した独自の世界を完成させてほしい。

  • ミステリィじゃない森作品。

    子どもと大人。大人になるということはどういうことなのか。
    大人になれないキルドレ。
    成長する事とは何か、老いるという事は何か。
    生きることと死ぬこと。
    何が幸せで何が不幸せなのか。

    彼らはただ空を飛ぶ。空にいることで生きていると実感する。

    無機質でさらさらと読める感覚なのに深くて考えさせられた作品。
    文章も表現の仕方も登場人物も綺麗な作品だった。

  • 音のない世界のイメージ。しいんとした中に、空を飛ぶシーンが浮かぶ。これほどフィクションの世界に引きずり込まれたのは、これが初めてでした。

  • "僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。その代わり、誰かの右手が、僕を殺してくれるだろう。"
    そんな、表紙に飾られた一節が魅せる世界。戦争がある種シンボルとして、あるいはショーとして存在する世界の中で、「キルドレ」という人工兵器としてつくられた永遠の子供の視点から世界が描かれている。生と死が、通念の感覚とは違った視点で認知されていて、淡々と進んでいく日常の中に見える、主人公カンナミの深層に揺れる様々な心情や情動、避けられない誰かの死、そして死に対する見解が、人というものの複雑さ、単純さ、聡明さ、身勝手さなど様々な真理をリアルに、そしてとても深く描いていく。
    カンナミの思考はとても哲学的で、シンプル。主観を交えることなく、世界や、世界に存在する様々な事象を純粋にあるがままに捉え、認識しようとする。死を可哀相、哀しいと捉えるのはやはり主観的で、この本に描かれる人間社会はそんな身勝手さや偏見に溢れた主観によって成立している。逆に死を身近なものとして理解し、空を飛ぶことを純粋に愛して、時間という認識を排除して生きているキルドレにとっては、死はただの結論に過ぎない。二つの世界のコントラストが鮮明で、それがとてつもなく哀しい。
    独特な世界観と、複雑で緻密に構成された設定が魅力的な一冊です。

  • この本がシリーズになってるとは知りませんでした。
    スカイ・クロラを読むだけでは謎な事が多いです。が、シリーズを読む楽しみには繋がります。
    儚くて切ない考えさせられるストーリーと『僕はまだ子供で、ときどき右手が人を殺す。その代わり、誰かの右手が僕を殺してくれるだろう。』このセリフが頭から離れない。

    大切な一冊です。

  • 頭がいい人が書いたと感じる本。

  • 戦闘機と空中戦なのに、静かで淡々としています。
    登場人物の、大人びているのとは何処か違う様な落ち着きとか、そっけなさ、生への無関心さが気に入りました。
    戦いの話の筈なのに、読後に落ち着いた気持ちになるのです。

  • ありえたかもしれないもう一つの世界を舞台に、戦闘機パイロットの日常と "死とは" をテーマに描かれる物語。

    戦争ものというのは大抵重くなりがちで苦手意識があったんですが、読んでみると独特の世界観に引き込まれてとても面白かったです。
    登場人物の洒落た会話のセンスや比喩を絡めた詩的な文章表現は秀逸。

    個人的には、終盤ラスト数ページのところで話がグッと重苦しくなり読後感がスッキリしなかったのは少し残念な部分。

    シリーズ化されてる本作はファーストでありながら時系列的にはシリーズ最終章になるらしいので、より深く読み説くには他の作品も順に読んだ方が楽しめそう。

  • 映画化されたとのことで読んでみたんですが
    あまりのダラダラした盛り上がりのない話に
    途中で読むのを挫折してしまいました。
    有名な人みたいだけど
    正直どこが面白いのかさっぱりわからん。
    いつか再チャレンジして読み終わったら評価しなおす予定。
    映画の方は面白いらしいのでいつか見たいです。

  • 映画やっと観たので再読
    映画はずいぶんわかりやすいなぁと思ったけど、意外とまんまだった
    ふーん
    なんだかさっぱりな印象だけが残ってたけど、そうでもなかったんかな
    とりあえず、この後は時系列読みにチャレンジだ

    1011

  • 乾いている。
    どうしようもなく乾いている。

    浮かぶ情景は砂漠。エジプトの黒砂漠の夜だ。黒くて透明な空がどこまでも広がっていて、じっと見ていると目が痛くなってくる。

    それにしても、ノドが乾いた…

  • 読み始めてから、シリーズものの最終章だということに気付きました。
    ああ、間抜けな私。

    現実感がないことが、逆にリアリティを感じさせる世界でした。
    たまにはこういう物語を読むのも、いいかな。

  • スカイ・クロラシリーズ。

    これに感想をつけることができるとは、読後には思わなかった。
    実際、当初、何が言いたかったのか、さっぱりつかめなかった。
    よいともわるいとも何とも評価しかねる話だったのだ。
    子供のまま成長しない戦闘機乗り。空で自由でありながら、その空で死闘を繰り広げ、しかも、戦って死ぬことを肯定する物語。

    映像化にあたり、
    『本作はヴェネチア国際映画祭で反響があり多くの海外メディアから取材を受けたが、主な質問は物語そのものではなく、「現実に少年少女が兵士として徴用さ れ、命を散らしているのに、「生を実感するため」などという空虚な理由のために戦うなどという作品は、フィクションであるとしてもどうか」など世界観につ いてであった。』(Wikipediaより引用)
    と、メディアがこぞって指摘したがるような内容でもある。
    映像化に当たった押井守氏も、おそらくは本作の意味を把握し損ねていたのではないか。

    つまり。
    これは、本当は戦争の話ではない。

    そのことに気付かせてくれたのは、奇しくも、自分が似たような内容の夢をみたからなのだ。
    おかしな話だが、私は夢の中でパイロットになり、誰ともわからない敵の攻撃に備えていた。自分には同じパイロットの仲間がいて、一緒に出撃準備をしている。私は相手のことも自分のことも、地上では何もできない、何も知らない、飛ぶことしか能がないと感じていた。さらには、空中戦の間、自分も仲間も、そして敵も、いつ撃ち落とされても不思議ではない、ぎりぎりの戦いを戦っていると思い、そして、そのことは恐ろしいことではなく、やるせなくもあり心地よくもある緊張感をもたらしてくれていた。

    スカイ・クロラの印象を受けて、夢を見た・・・というのではない。なぜなら、小説を読んだ時には、登場人物の感情も行動も全く理解できなかったのだ。

    だが、夢の中では違った。その逆だった。感覚が先にあった。
    全ての感情を捨て去って冷静に判断している自分がいた。そして、その緊張感が、自分が戦っていることを思い起こさせたのだった。

    目が覚めて気付いたのは、その感覚を自分が実生活でとてもよく知っているということだ。
    むろん、パイロットの経験があるわけではない。パイロットとして知っている経験ではない。これは、私がかつて、理系の助教という立場で仕事をしていた時の、そのころの緊張感そのものなのだ。
    ここで著者の森博嗣氏が工学部の助教授であったことを思い、ああやはりと思った。

    大人にならないパイロットたち。実生活では不器用で、戦闘機を操縦している時だけは、果てしなく自由であり、かつ、その自由な世界においてのみ戦いがある。
    これは、理系の研究者のことをそのまま暗示しているのだ。

    研究者が、生活の全てにおいて、あるいは人格の全てにおいて、子供じみているとは言わない。だが、こと研究に関しては、子供の心を抱いたままだ。好奇心や探究心、自らの手で自然の神秘を明かしていく、あるいは新たなものを作り上げていく、その達成感、いや、単純にその喜びというべきか、そういった純粋な気持ちはよくも悪しくも、研究者なら常に持ち続けているものだ。
    子供のまま成長しないパイロット。そういうことなのだ。

    そして、朝から深夜まで研究室で論文を読み、実験を行っている分、世間とはどうしてもずれてしまう。さすがに今どき、ニュースくらいは誰でも追っている。しかし、ドラマ、バラエティとなると、見ている時間はない。巷で流行っているものも、学生が持ち込んだりしてある程度は知っている。けれど、自分で流行を追いかけるということもあまりない。

    研究者は、物を対象に研究をしているからと言って、人と付き合いがないわけではないし、学生や院生の指導もしなけ... 続きを読む

  • 装丁も含めた、雰囲気を愛でる本

  • 戦闘機に乗る、永遠の子供たちの話。
    森博嗣作品はS&Mシリーズしか読んだことなかったんですが、これものすごくおもしろかったー!続きが気になって一気に読んでしまいました。

    戦うために作られて、永遠に年をとらない「キルドレ」と呼ばれる主人公。彼の虚無感が不思議に美しい。
    淡々とした日常と、飛行機に乗ってるときのスピード感の対比にぞくぞくした!ものすごく情景が浮かびやすい小説でした。あと流れるような文章が透明感があってとてもきれいだった。

    シリーズ全部読んだら、映画も見てみたいなー

  • 『スカイ・クロラ』は、シリーズ通して、装丁の美しさが秀逸です。
    初版本は、タイトル文字が本体でなく透明カバーの方に印刷されているのだとか(文庫版『フラッタ・リンツ・ライフ』解説より)
    つまり、本の表紙裏表紙一面が空の写真。文字は一切なしというデザイン。

    いつか絶対、全巻初版本で揃えたいと思います。

  • 【 鈴木成一デザイン室 】
    カバーは捨ててください。この空、気持ち良いでしょう。見返しも空です。タイトルなんて、文字なんていらないですね。

  • 目が覚めるような青い空を飛んでいる。聞こえるのは互いにかき消し合うステレオ音楽と飛行音。
    自由に飛び回る事が出来るのに、ちっとも自由じゃない。爽快の真反対のような気分。何もかもを諦めたような倦怠感、それを否定する所在のない希望。
    感じたのはそんなものたち。

    いつか見た映画の雰囲気と解釈が、作品の難解さを上手く補完してくれた気がします。

  • うわー救いのない。
    いや、救いはあるのかな。

    真賀田四季シリーズと似た印象。感情の起伏が、殆どない。
    そこに助けられてるような気もするけど、だからこそ怖い。
    淡々としてるようでいて、結局あんなことになったカンナミは、今、どこに生きてるんだろう。
    自分の内面?妄想?

  • この魅力、ひと言で言えば空虚なのでしょうか。

    確かに生きている生命の熱量がそこにあるのに、それがすっと冷めていく感覚。登場人物の境遇と空と地上、それぞれの世界の温度差。

    熱がこもらないように設計されたような世界観にこれほど魅了されるのはなぜなのでしょう。

    自分でも不思議です。

  • 三葛館 一般 913.6||MO

    「僕の右手は 今は大人しい」

    (保健看護学部 2年 Y.K)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=

全699件中 1 - 25件を表示

スカイ・クロラに関連する談話室の質問

スカイ・クロラを本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

スカイ・クロラを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

スカイ・クロラの文庫

ツイートする