仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在

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著者 : 玄田有史
  • 中央公論新社 (2001年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120032172

仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在の感想・レビュー・書評

  • 仕事帰り、電車が止まってしまったので、たまっていたレビューをせっせと更新。

    題名に引かれ、手に取ってみる。 題名から哲学的なれかと思えば、統計など、数字を用いて雇用不安、パラサイト・シングルなど具体的な
    内容。内容は今読んでも、ふむふむと思うが、何せ「2001年」に書かれた物なので、統計数値などを出されてしまうとがぜん読む気がしぼんでしまう。

  • 若者が親にパラサイトする傾向が強まっているとすれば、それは若者の自立心や就業意欲の低下といった精神的な問題が原因なのではない。むしろrそれは、現在の中高年の既得権を維持・教科しようとする社会・経済構造の産物なのである。
    パラサイト・シングルの場合、経済的困難に直面していないため、高賃金の仕事を求める必要もなく、労働はいわば「趣味化」する。そのため、就職した仕事が自分に向かないと感じれば、すぐに辞めてしま。その結果として生まれる若年失業は、経済的な深刻さを伴わない「ぜいたく」な失業となる。パラサイト・シングルにとって働くことは小遣いを稼ぐための義務、もしくは趣味的作業にすぎないのだ。
    突飛に聞こえるかもしれないが、フリータが今までにない新しいタイプの独立開業者に以降できる道筋をつけることこそ、最も重要だろうと、私は考える。人に労働力として使われるのではない。人に仕事を決められるのでもない。「自分で自分のボスになる」という意志を持つことで、結果的に独立がもっと増えていくことである。
    独立志向を持つには、会社や家庭を超えた幅白い人的ネットワークの形成が意味を持つ。職場以外のコミュニティへの積極的な三課といった取り組みが独立開業には大切になる。
    フリータが増えるのは就業意識が薄いからと強調するけど、それ以前に社会構造的な問題があるんです。つまり、中高年の雇用をいじする代償として若年の就業機会が減っているのは間違いない。
    アーティストとか、経営者として成功している人は、夢なんか全然持っていない。夢なんて言うヒマがあったら、もうその実現に向けて具体的に行動している。

  • うむ....統計学的な....堅い感じでした。
    でも最後の「17歳に話をする」の章は、著者自身のことばで、リアルな思いを綴っていて、とっくに17歳を過ぎてる私の心にも響いた。

  • <閲覧スタッフより>
    “データ”からみる若者たちの労働状況。「ハッキリした不安」は予測や対策によって解消させることができる。では「曖昧な不安」はどうだろう。「~しつつある」という類のイメージ先行型の曖昧模糊な不安にはどう対処してゆけばいいのか。そこで著者が提案するのは「データを読み込むこと」。曖昧さを打ち消すのは明確な情報である。「曖昧な不安」を少しでも「ハッキリした不安」に近づけようという試み。
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    所在番号:366.21||ケユ
    資料番号:10141405
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  • 「フリーエージェント社会の到来」からの流れで図書館から借りた。タイトルからはあまり想像できなかったが、雇用・労働に関するデータを分析することで問題点を明確にしている。
    内容的には「世代間格差」「格差の固定化」「非正規雇用問題」「仕事への不満」「将来への不安」「成果主義」など、今では様々な場面で話題になっているテーマがほとんどで目新しさはない。それもそのはずで、10年前に出版されたこの本がその嚆矢だったそうな。しかし何よりこの本で提起されている問題点が現在でもことごとく変わっておらず、むしろ悪化していることに驚かされる。

    ということで、この種の社会問題について幅広く扱われ、よくまとまっているので「おさらい」としての価値は十分にあった。残念な点は、データを多用しているわりにその示し方がイマイチなこと。数値を漢数字で本文中に表記されているのでわかりにくく、つい斜め読みで飛ばしてしまう。図表と本文を交互に見比べないと数値は理解できないので、そこに工夫がほしかった。

    【印象に残った点】
    ・若年層の所得格差は広がっていない。逆に、所得に差が無くても仕事内容や厳しさが異なることによる「満足度」の格差が広がっている。

  • 実を言うと、これを書いている私は転職経験者である。仕事上のいろいろな悩みや先の不安を、長年勤めた会社を退職して独立をしたばかりの知人に相談した時に勧められて読んだのがこの本だ。
     自分の持っている悩みや不安がどういうものなのか。今がどういう時代なのか。自分が社会の中でどんな位置にいて、転職をしたらどうなるのか。この本に書いてある詳細なデータと具体的な事例は、そういう問題を考える上で、実際に大きなヒントになった。本気で会社を辞めたいなら、この本を読んでからにしてほしい。これを読んで辞める気が失せる人もいるだろうし、本当に辞める人は読まないよりはすっきりと辞表を出せると思う。
     この本のテーマの一つである「自分で自分のボスになる」という言葉は、会社員として生きる人にこそ必要なのではないだろうか。私は今もその言葉に支えられて、毎日会社員を続けているような気がしている。

  • 図書館で借りた。

    若年が働かないのは中高年が働き続ける
    既得権を持っているためだ、というのを
    データを元に説明している。
    出版当時、失業率が上がっているとはいえ、中高年は
    他の世代に比べ失業率が少ないよう。

    就職活動をしていない無職の若者は
    失業率に含まれず、非労働力にカウントされてしまう、
    ということに驚いた。
    17歳に向かって語っている最後の章の印象が強い。

    各章末にデータからどのようにして推計したか、
    をまとめてあるため、統計の勉強にいいかもしれない。

  • 『頑張れ』『頑張る』『忙しい』『普通は・・・』という言葉をやめてみる。仕事にこだわり、曖昧な表現をできるだけ取り除く・・・」
    「これからの社会を支える若者に期待すると、大人はすぐ言う。しかし、本当にそう思うならば、若者が欲している情報を誠実に提供しなければならない・・・」

    自分が人事の分野で働こうと思ったきっかけの一つがこの本です。
    労務の仕事をしていた頃、何度も読んで、周囲に回覧までしました。
    仕事、労働、雇用、人材育成といったテーマについて、新たな視点を提供してくれます。

    玄田さんが一貫して主張し続けている「仕事論」のエッセンスが詰まった一冊。
    2001年の本ですが、特に人事・人材ビジネスに関わる人は必読。

  • 現在、我々が抱えている仕事の中で将来にたいする曖昧な不安。。。これはどこから来ているのか?様々なデータは言葉以上に現実を語ります。今の社会の実体に少なからずショックを受けました。それでいて内容のわりに勇気付けられる1冊です。是非!おすすめです。

  • だいぶまえに読んだけど、良かった気がします。一度読んで損はないです。

  • 「NEET」で有名な玄田氏がサントリー賞を取った著作。終章に集約されるが、これは「高校生のタメに書いたのかな?」と思わせるくらい、何というか無責任な論が続く。、専門が計量経済学の人だとはいえ、このての論で、もはや問題提起で終わるのは物足りないの一言に尽きる

  • Nくんが入院中にプレゼントしてくれた。玄田先生を知るきっかけ。やっぱり社会学って面白いと思う。

  • 統計データをもとに、日本の雇用について考える本。具体事例とかは一切なくて、数字が満載のマス視点。ニートをはじめ中高年や女性や転職など話題は幅広い。

  • 学術的な統計データをもとに、現在の労働環境がどういったものかを明快に説明している。
    週刊誌やテレビで言われている、
    「雇用の流動化が促進されている」「フリーターの激増は若い人の労働意欲がないからだ」といった言葉が、いかにあいまいに使われていて、不安を煽っているかがわかる。   人々の意識はむしろ転職よりも定着したい人のほうが多数だということや、フリーターの意識調査では意欲が低いということはできず、むしろ中年以上の被雇用者を解雇できず、採用を控えているという現実があると言う。   見るのには多少疲れてしまうほどの図表データを示し、かつそこから誠実な結論を導いている。   一番印象的で励みになったのは、転職・独立の満足度はその際に友人・知人に相談したかによって確率が高くなっているということだ。職安などの仲介で転職した場合の満足度は非常に低い。

  • ささやかな誇りを持って、自分の仕事を自分の言葉で語ることそれができなければ能力があっても転職だってできない働きがある雇用機会が減るのならば、自ら仕事を初めて仕事の中身を決断する。自分で自分のボスになるべきなのだ。幅広い人間関係が武器になる。

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仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在の作品紹介

若者に仕事がないのは、中高年のせい。フリーターより深刻な、過剰に働く若者の存在。問題は「所得格差」ではない、「仕事格差」だ…。ここに働く20‐30代の本当の姿がある。

仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在はこんな本です

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