- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120032806
感想・レビュー・書評
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ホーチミンで「愛人」を見つけ、ひたすら自分の肉体的快楽を追求した、独りよがりな女性のありようを臆面もなく描いている。描写は執拗でたじろぐほどだが、これを描き切る観察力・描写力はさすが。
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変なオバチャンでおなじみの志麻子センセイ。
でもさすが文章はとても綺麗。ベトナム人男性とのコトが書いてあるのだけど、そのベトナム人のセリフが一つもない。視点も一人称だし、まるで直接体験談を聞いているみたいなどきどきが味わえる。
ベトナムの気だるくてほこりっぽい空気を感じられた。
行ったことないのに、情景を連想させる筆力はすごい。 -
☆を2つにするか3つにするか。
岩井さんのちょっとした言い回しに、やっぱりこの人の文章は大好きと思わせてくれる。
ホーチミンという街の薄汚れているようで、その割に街にあふれる若い人たちのこぎれいなバイクやパリッとした白いシャツといった清潔感。
そういうあの街の、私って、結局、アジアの方が落ち着く・・・と思えてしまう匂いまで、懐かしく読みました。
雰囲気も心情も出来事も何もかも小説・・・私小説として十分成り立っているので、ケチをつけることもないのですが。
☆の数で悩んでしまうのは、読みたい小説ではなかった・・・という勝手な期待に肩透かしをくらったからでしょう。
ついつい、岩井さんの小説には、劣等感やそれゆえの優越感を振り回したり振りかざしたりする他人を冷静に見て、それでいて相手をののしるのではなく、あくまでそれを他人の問題として、自分を振り返る鏡に昇華させる主人公を期待してしまうのです。
でも、そうですね。
こんなに好きな作家さんのちゃんとした作品に、☆2つってことはないとおもうので、減点なしという意味で☆3つにします。 -
私ベトナム大好きだから、すごい感情移入しながら読んじゃった〜。どべーっとした怠惰な淫らさがたまらん☆
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某番組でこれが実体験なんだと知り、よくもこんなにも赤裸々に語ることができるものだと圧倒されました。岩井氏の潔さはある意味尊敬に値します。
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セックスは、享楽だ。改めてそう思わせる作品。人と交わることは甘くて苦い。それが最高に気持ちがいい。
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女性の欲情を描いたテキスト。