覘き小平次

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著者 : 京極夏彦
  • 中央公論新社 (2002年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120033087

覘き小平次の感想・レビュー・書評

  • 切ない。報われない。もどかしい。
    そういうのが好きな方なのでたまらない。
    嗤う伊右衛門もだけど、京極節の怪談は怖くないかわりに抉られるような切なさがある。

  • 図書館より
    ほとんどしゃべらず家にいる間中棚に閉じこもり妻にも疎まれる役者小平次、その小平次が唯一の得意な幽霊芝居の仕事が舞い込むのだが……

    とにかく前半は読みにくい。登場人物それぞれが暗いし、愚痴ばっかり言っている感じがして共感しにくく久々に途中でリタイアしかけました(苦笑)小平次が一座に入ってからの様子が語られる頃になってようやくテンポよく読めました。

    小平次自体はほとんど動いてないのですが、周りの人間が小平次を中心に動き回るので巻き込まれ型の話になるのかな、と思います。でもほんとに小平次は巻き込まれたものの、その後ですらまったく行動してませんね。

    ミステリ的にはなぜ幽霊芝居の仕事がやってきたのか、という謎に加え小平次を巻き込みさらなる事件が起こり、その二転三転する状況が楽しめます。

    しかし最後まで読んでも登場人物には感情移入しきれなかった……特に小平次の嫁のお塚はそんなに嫌っているのになぜ小平次と暮らし続けるのか、という謎は最後まで自分には解けず……人生の経験値の違いかなあ。男女の仲はわかりません(苦笑)

    第16回山本周五郎賞

  •  作品解説:死んだように生きる幽霊役者と、生き乍ら死を望む女。小平次とお塚は押入襖の隙間からの目筋とこの上ない嫌悪とで繋がり続ける…。
     第16回 山本周五郎賞受賞作。

     京極夏彦さんの作品は「堅苦しそう」「難しそう」「敷居が高そう」などと思い、読まず嫌いをしている方が多いと思います。が、実際に読んでみると、美しい描写やリズムの良い文章によりどんどん読み進めることが出来ます。
     覘き小平次に関してですが、暗~い内容なので、読了後に気持ちが沈むかもしれません。

  • 全ての話が繋がっていく。

  • 途中まで読んで、やりきれない感じで終わるのかと予想していたが読了感は思ったより悪くない。
    お塚が生きようとしているから、だろう。

  • ずっとずっと何時までも。
    妾はお前が。
    大ッ嫌いだ。

  • 静かで静か。周りはどろりと熱い。面白かった!読み終えるとしんとした気持ちになる。

  • 主人公の小平次が極端に喋らない。動かない。しかし、それでも人は小平次を嫌い、厭い、恐怖し、羨望の眼差しで見る。小平次はいないものであろうとするが、周りはいないものとして見られない。そうして、業を煮やした連中が小平次に行動をしかける。
    同じ名前が出たので、百物語に出ていた人物も出ているってことでいいのかな?似たキャラ設定だったしね。
    小平次が嫌がりそうなことをしてなんとか気を引かせようとするお塚がなんか可哀想にも見えたけれど、多分彼らはこれでいいんだろうなぁ(笑

  • 巷説でおなじみの治平や徳さん、又市が登場するので
    仕掛けが主かと思ってしまったけど

    あくまで小平次とお塚の心情が主だったのだと
    読み終わって感じました。



    お塚は小平次のことが
    心底嫌いなんだろうけど
    どこかですごく好きなんだろうなあ。



    女心はふくざつ‥‥‥‥‥
    男女の仲はもっとふくざつ‥‥‥‥‥

  • 涙もでなかったのに、揺さぶられた一作
    死んだ人も生きている人もいる

    あの人の働きは相変わらずのようでわかりやすくはあるが、今回は全くの水面下
    作戦は失敗なのか成功なのか知らないけど、全て丸くでは収まらず

    シリーズの真骨頂
    覚悟とは別に ひとは矛盾に生き、戸惑いもがき抗う
    自分の好みの一つを再認識

  • 優しい、物語なのだ。生きている、ひとの。

  •  又市たちの仕掛けを枠の外から感じざるを得ない、『必要人物以外の者』の立場を体感し、これも作者の策の内かと苦笑する。
     個人的に、治平の胸の内を聴けたのが良かった。
     ――コトは、語らなければモノにならない。
     物語にすることで、血が通う。
     また、語る故の怖さが解かるほどに、語れなくもなる。
     楽に生きるばかりが能ではないと言われる通りだし、生きる怖さにそ知らぬ振りをせず、怖いなら怖いままでいいのではないかと思う。
     何だか解からないものというのは、漠然と怖い。
     けれど、解かっていた筈のものが、そうではないかもしれないと気付いた時の戦慄は、もっと怖い。
     そんな薄ら寒い震えと掻き消えぬ怖さを、当然とやり過ごし、あるいは気付かずに済みながら、人は生きているのだろうか。
     人を壊すのも人で、人を癒すのも人で。
     結局、人にとって、良くも悪くも一番怖いのは、人なのだろう。
     じわじわとひたひたと、人の『現実』が『創られ』ゆく過程の、怖さと微妙な快感に酔うてみる。

  • 読み終わって、なんというか、

    嗚呼、幸せなんだ。

    と思った。


    小平治が羨ましくなってしまった。

  • 小平次はなにもしていないのに、彼をめぐってまわりが大きく動いていく。

  • 途中もどかしかったりするけれどかなり好き
    心に届く台詞がたくさんあった


    2月5日 読了

  • 陰鬱な主人公で、読み終えるまで長くかかった。「無理をして楽になるのと、無理をせず苦しむのでは、どちらが良いのだろう」...この言葉が心に残った。

  • 舞台も普段も幽霊のようなうすのろ役者小平次は
    奥州行きの一座に加わり立ってるだけの幽霊芝居。
    これがいかにも本物顔負け、懺悔する者も出る始末。
    しかし江戸への道中で哀れ小平次は殺された。
    知らせの者が家へ向かうと、なんと妻から仰天発言
    「小平次は――昨日の夜中に帰って来たよ」
    装画:森流一郎 装丁:渡辺和雄

    普通の怪談話かと思って読んでみれば生々しい人間劇でした。
    元は江戸時代の怪談のようですが。
    さまざまな目線から語られることによって
    どんどん登場人物がつながっていくのが面白いです。
    歌仙の嫉妬がよくわからなかったのは人生経験が足りないからか。

  • これは何の小説なのだろうか
    京極夏彦氏には普通の尺度は通用しないのだろうか

    ミステリー小説でも、怪奇小説でもなければ、歴史小説でもないが、その全てでもある

    圧倒的な描写と緻密な背景で描かれる、奇妙な男の物語
    幽霊を演じるだけが得意な男が、ただ存在するだけの物語
    そして、事件が解決するのかしないのか

  • 京伝の傑作『復讐奇談安積沼』を京極夏彦が手を加えて新たな話を生み出したってだけでもう心がざわめく。「哂う伊右衛門」と同系列の話で、因果と業の渦巻きに圧倒されます。ちょこっと巷説百物語の人物たちが絡みつつ、人間劇を中心にミステリーとホラーの味付けが施された、京極節が効いた一作。

  • なつひこ節。
    本は随分前に買ってたのに、やっと読めた。

    嗤う伊右衛門で感じたような、おなかのそこから湧き上がる悲しみは無かったけれど
    それよりも、深々とじんわりとしみる哀しいような、愛しいような、気持ちになった。

    お塚が好き。
    歌仙が虚しくて、切ない。
    小平次はそれでも、幸せと呼べるのかもしれないな。

    頭をよぎるのは、あの人の「幸せになるのは簡単なのさ」という台詞だけれども。

  • 京極夏彦、気づけば結構読んでいて、「もしかして好きなのかも?」と思う今日この頃。
    やっぱり仕事が丁寧なのがいい。
    ふと、「・・・くどい」と思うこともありますが、まだぎりぎりセーフな感じ。

    幽霊役しかできない役者、小平次は、いつも奥の押入れにひっこんで、一寸五分の隙間から外を覗いている。
    悪態をつきつつもなぜか別れずに暮らしている女房のお塚。
    ある日、奥州での興行芝居にぜひ小平次を連れて行って幽霊芝居をやりたい、という話が来る。
    この奥州行きの裏には…という話。

    登場人物が皆それぞれ暗い過去やら辛い過去やら、どうにもできない自分自身を抱えていて、何の感情も表さない「生きているのか死んでいるのかわからない」小平次との関わりをきっかけに、それぞれの中で何かが動き出していく。

    日本の怪談とかそういうものに興味を持ち始めたのは最近ですが、怖い、だけじゃないんですよね。
    怨念というか思念というか、そこにある強い人の思い、というものが、ひかれる理由なのかもしれません。

    仕掛けや事件の真相を小出しにしていく上手さ、そしてその見せ方(読ませ方)、なかなかのものです。
    あと、筋には全然関係ないことですが、江戸っ子口調っていいなあ、と。
    なんか、読んでいてもすっとする気分のよさ。
    すごくリズム良く書かれていて、京極氏も好きに違いないと思ったのでした。

  • 生きているのか、死んでいるのか。愛情ってむずかしい。

  • 帯表
    生きているから
    怖いのか
    江戸の闇に蹲る男
    隙間から覗く眼
    待望の書き下ろし“京極怪談”

  • ぐるぐるめぐる因果。

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覘き小平次の作品紹介

生きているから怖いのか。江戸の闇に蹲る男。隙間から覗く眼。待望の書き下ろし"京極怪談"。

覘き小平次のKindle版

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