白檀の刑〈下〉

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著者 : 莫言
制作 : 莫 言  吉田 富夫 
  • 中央公論新社 (2003年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120034107

白檀の刑〈下〉の感想・レビュー・書評

  • ガッツリした物語が読みたいと思って本棚眺めてたら、買ったきり未読の上下巻見つけたので読んでみた。莫言は十何年か前に「酒国」だけ読んで、あとはハードカバー上下巻はお財布的に厳しいなぁ、とスルーしてたら古本で発見したので買ってたみたい。
    処刑の描写のゾクゾク感がスゴい。背筋が凍るというか。そして芝居のワクワク感。「酒国」に比べるとシュール感はないけど、それはそれとして十分おもしろい。

  • 史実と物語のあいだを行きつ戻りつ、虚実は入り混じり、英雄豪傑入り乱れ。
    行われるのはかつてないほどに残酷で流麗な処刑法。登場するのは妖艶な美女とぼんくらなその夫、妻の実父が処刑台にかかり、処刑するのは夫の実父。美女が泣きつくのは愛人の県知事、県知事が追うのは美女の実父。

    西欧に蹂躙され、崩壊の兆しが見え始める清朝末期を背景に、色鮮やかに咲き誇る最初で最後の一大芝居。人間の卑小さや勇猛さ、愛おしさも愚かさも全て包み込み、ただひとつの終着点、稀代の極刑“白檀の刑”目指してぐるぐると物語は突き進む。

    最初はいかにもな小狡い役人に思えた銭丁の、章を進むにつれて見えてくる民衆への思いやりの心、自身の無力さと不甲斐ない王朝に対しての慚愧の念。
    蓮っ葉で計算高い美女かに見えた孫眉娘の一途で素直な可愛らしさ、奥方と肩を並べての女傑ぶり。
    孫眉娘の亭主である小甲の愛嬌のある間の抜け方、小甲の実父である趙甲の処刑人としての自負の心。
    物語の核をになう孫丙の、自身の感情、思いを高らかに歌い上げるその生き様。
    そして何よりも、のびやかに高密県の大地をわたる、猫腔のしらべ。

    さまざまな思惑が行き交い、ぶつかり合い、クライマックスに向けて怒涛の如く燃え上がる感情の坩堝。そうして一切が終わった舞台を前に、ただ立ち尽くし、耳に残るは猫の声…。おもしろかった! これにて芝居はおしまい!

  • 処刑人のすごみ。図書館で借りた。

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白檀の刑〈下〉の作品紹介

首席処刑人が誇りをかけて一代の英雄に準備した古今未曽有の大極刑。死は白檀の香りに沈む。天空を望めば金風薫り、大地を見れば草木は茂る。われはもと英霊の転生、義旗を掲げて正義を行わん。わが中華の江山を守り、毛唐めらの鉄道敷設を許さじ。いましも食す山海の珍味、さらに飲む芳醇なる玉液。ニャオニャオニャオ-。第1回鼎鈞文学賞受賞。

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