- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120034824
作品紹介・あらすじ
ユダヤ人はどこから来たのか?彼らはどうして故国を離れたのか?かれらはどこに向かったのか?何世紀にもわたる離散の間、どのようにしてアイデンティティを保持してきたのか?どうして彼らは他国の人々から嫌われ、その歴史が追放と剥奪の連続となったのか?近代化は彼らにどのような影響を与えたのか?誇り高い民族的アイデンティティと繁栄する故国は現代のユダヤ人をどのように変えたのか?本書はともすれば一方的な内容になりがちなテーマを普遍的、一般的に書いた通史である。
感想・レビュー・書評
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全体主義との関係でホロコーストの問題、今のパレスチナの問題を考えるために、ユダヤ人の歴史について、とりあえず概観しておこうと読んでみた。
原題は、"A short history of the Jewish people"だが、決して、Shortとは言えない300ページくらいの本。
内容的にも、ぎゅっと圧縮されていて、できるだけ短くしようとしていることは、ホロコーストやシオニズム、イスラエル建国とその後の近現代史を扱う9章以降でわかる。(この辺りはもうちょっと丁寧に書いても良かったんじゃないかと思ったりする)
一方、それ以前の古代イスラエルの王国から離散、そして世界のさまざまな地域におけるユダヤ人コミュニティの話しになると、数世紀の単位で話しどんどん進んでいくにも関わらず、なんだか長い感じ、難しい感じがする。
これは単にその辺りについて、知らないことが多すぎるからと思われる。
こうして改めてユダヤ人の歴史を振り返ると、ありとあらゆる差別や逆境にもかかわらず、よく信仰を守り、コミュニティを維持してきたなということ。
もともとその辺りは不思議に思っていたのだが、その疑問は解消するというより、より深まったかな?
原著は、1998年の出版で、第一次インティファーダからオスロ合意当たりまでを扱っており、パレスティナ問題の難ししさを指摘するものの、総じて楽観的で、「イスラエルもディアスポラ社会も、それぞれさまざまな課題を抱えているのは事実であるが、今ほどユダヤ人の歴史にとって良き時代はないのも事実である」で終わる。
それだけ、悲惨な長い歴史を辿っていった後では、この言葉の意味はわかるのではあるが、その後の歴史をみると、やはり疑問を抱かざるを得ない。著者は、現状について、どう考えているのだろうか?
おそらくこれはオーソドックスなユダヤの歴史本だと思われるが、もっと批判的な議論を行なっている本もあるので、そちらもこれから読んでみる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校時代の世界史の知識を思い出しながら少しづつ時間をかけて読んだ。ユダヤ人についてまったく知識がなかったため、非常に面白く、また勉強になる本だった。
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ユダヤと呼ばれる土地そのものはエルサレム周辺の狭い範囲にすぎない。
ローマの支配が確立するにつれ、エジプトのユダヤ人の地位は次第にさらに低いものとなっていった。
ユダヤ人とキリスト教徒の関係は11世紀末までは安定していた関係が続いていた。十字軍の動きが始まってから変わった。
オスマン帝国下のユダヤ社会の最大の特徴はスペイン語の使用。
イエメンのユダヤ人の状態はモロッコに劣らず惨めなものだった。19世紀は中東のユダヤ人がより西欧化し、都会化した時期でもあった。
南北戦争のあともユダヤ人は首都して小売業の販売において成功を収め続けた。彼らは後半に衣料を扱い、アメリカのデパートの4分の3はユダヤ人の経営だった。 -
ユダヤ人のアイデンティティの根源はバビロニアの書物「トーラー」にあった。もともとシナイ山でモーセに与えられたものであるが、民側的アイデンティティそのものを宗教化してしまった。
ディアスポラ。
事典などでは、ユダヤ教はヘブライ人のヤハウェを唯一絶対神とする宗教とあるが、ピンとこない。キリスト今日よりはっきりしない印象。民族神話そのものが宗教という感じなんだろう。
アブラハム−イサク−ヤコブ
バビロン捕囚(前587)
中世最高のユダヤ人文化はスペイン、ポルトガルのディアスポラ。
東ヨーロッパは19世紀末まで人口、文化の両面でユダヤ人の中心地。
イスラム教は、622年ムハンマドが彼の信者とともにメディナに移り共同社会をつくったことがスタート。 -
てこずっています。旧約聖書から読み直さないとだめかも。