声だけが耳に残る

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 94
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120035012

作品紹介・あらすじ

"閣下"による調教でごっつい前向きな気分になったわたし。風呂なしアパートひきこもり。バカだから騙されて会社をやめた。なにをする気もしなかった。だけどこのままじゃいかん。社会復帰の第一歩だっ!便利屋本舗でバイトをはじめ、とある会合に出かけた。そこで知った驚愕の事実。わたしの無気力には理由があり、ACという名前がついていた。ACって電源アダプタか?電波系ってことか?よーわからんが、わたしは治りたい。そう思って参加したミーティングで、わたしは出会った。わたしと同じ傷を負った男の子。この世の果てで、ふたりぼっちだ。けれど生きよう、生きねば、生きるのだ。金と社会と心の傷と戦うわたしの物語。

感想・レビュー・書評

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  • かなり過激すぎて、途中で断念。。

  • タイトルで選んだ本だが、最初からSMと虐待。
    虐待による負の連鎖は高い確率で起こる。自分も周りも中々幸せになれない。
    気分が悪くなった。

  • ゲーム脚本家として搾取され会社を辞めた二十六歳の加奈子が、便利屋のバイトで社会復帰し、会で自身がACだと知り、精神を病んだ年上男子と出会う。当然のように描かれるあっけらかんとしたSM等がしんどく、それに慣れたら酷い男性に敢えて従順に振る舞うという理解不能へ突き進む。展開に振り回されつつも引き付けられた。

  • 閣下、素敵!!!

  • 自分に降りかかった不幸すらも、自分たちに与えられた試練であるということ。

    大学中退。ゲーム会社で功績を残したが、バイトゆえに会社から都合よく使われ逃げるように退社。
    親からの仕送りを頼りに、引きこもりに近い生活を送っていた椎貝。

    社会にうまく馴染めない、居場所を見出せない理由、
    椎貝がアダルトチルドレンになったのは、
    かつてアル中に暴力で家族を支配していた父によってだと、家族を憎み

    便利屋でのバイトにご主人様による調教、分裂病のケイちゃんとつるみ、ACの交流会に参加して一日一日をなんとかやりすごしている。

    支配欲の強い荻原が怖いw
    そしてご主人様世間の成功者で最後のメールが優しいw

    残念なことに世の中は楽しいことばかりじゃあ、ないんだよね。
    自分の非力さを認めるのは怖いし、誰かのせいにするのは簡単だしね。
    だけど、それだけじゃあ、前に進めないんだよね。。。

    しかし椎貝は悟りの境地になって見事に社会復帰したのはいいけれど、
    その間ひとりぼっちで取り残されてしまったケイちゃんの孤独が読み終わってからじわじわときて、かわいそすぎる)^o^(

  •  マリモ、さよならスナフキン、たねらいもイエスと続けて読みました。
    この作品はいろんなコメントがあり、この広がりのあるコメントが証明する様に、それぞれの物語なのだと思います。文体のせいか最後まで読み飛ばすことなく読みました。再々読。

  • 何も予備知識なくふと手に取った作品だったのでその設定のハードさに、最初から衝撃を受けた。
    でも途中でやめることができずに読み進めて行った。
    ラスト後味の悪さになかなか寝付くことができなかった。
    あの子はどうなったのか。もう元には戻れないのか。
    なんというか切り捨てられたような印象を受けた。

  • AC(アダルトチルドレン)を題材にした本。とても良い作品に久しぶりに出会えた。

  • 高校生の頃、酔った父親に暴力をふるわれ、死に瀕した母親の声を聞いた加奈子は、優等生だった人生を持ち崩し、成績下降、大学中退、ようやく入社したゲーム会社では使い捨ての駒のように扱われたあと、無職のまま親の仕送りで暮らすようになる。
    Sの「閣下」に調教を受けることに悦びを見出し、通常のセックスは何も満たさず、いつか自分を踏みにじった人間に復讐をしたいと考える(こうやって並べると加奈子はすごく陰湿そうだけど妙に陽気で面白い)加奈子は、自分がAC(アダルトチルドレン)と呼ばれる「損なわれたまま成長した大人」であることを知る。
    同病のケイという繊細な青年とも出会い、さまざまなセミナーや人間関係を通して、彼女は、彼女自身と向き合い、自分を棚卸しして、ひとつの清澄な真実に行き着く。
    『マリモ』も似たようなテーマの物語だったけれど、一層、痛みとそこからの一歩に感覚を研ぎ澄ませた一冊となっている。

  • 今から5年前の、2004年初版。
    確かに流行ったなぁ、アダルトチルドレン。
    そのころに書かれた作品だと思えば、…うーん。
    おそらく作者はACに強い思い入れがあるのでしょう。
    その思いが強すぎて、後半に行けば行くほど読み手から遠ざかってしまう。

    置いていかれてしまったな、というのが読み終えた直後の感想です。

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