逃亡くそたわけ

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著者 : 絲山秋子
  • 中央公論新社 (2005年2月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120036149

逃亡くそたわけの感想・レビュー・書評

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  • 「逃げろ」、とも、「逃げられない」、とも「逃げちゃダメだ」、とも書かないというのは、きっと文学にしかできないんだろうな。花ちゃんの博多弁の響きが心地いい。この一冊で絲山サンにノックアウトされました。

  • いつも行く図書館でやっていた名古屋が舞台の小説や地名が出てくる小説を集めた企画
    『小説で楽しむ名古屋』で借りたもの。

    博多出身の21歳、精神病院に躁鬱病のために入院している花ちゃんと
    同じ病院に鬱病で入院している名古屋出身の会社員なごやんが
    病院から抜け出した後のロードムービー。
    花ちゃんは変な言葉が頭の中で繰り返されるようになり
    薬に頼る生活をしていたが、自殺未遂し入院。
    なごやんは出身地の名古屋が嫌いで東京の大学に進学、
    卒業後、就職して博多に配属されたが鬱病になり入院。
    名古屋出身ということを患者仲間には隠していたが、ひょんなことからばれてしまい、
    『なごやん』という名古屋人にとっては親しみあるお菓子の名前のあだ名を付けられた。
    そんなふたりが博多から鹿児島まで南下し、短い夏の思い出を作る。
    オンボロ車のエアコンが故障したり、
    コンビにすらない辺鄙な山道に迷い、食事にもトイレにも困ったり、
    無免許運転したり、温泉旅館でのんびりしたり、高級ホテルに宿泊し豪華な食事をしたり・・・
    会話の中では方言が出てきて、移動する各地の有名なお菓子や郷土料理が出てきた。
    地元から出たことのない花ちゃんと、育った地元が嫌いで出てきたなごやん。
    そのふたりの価値観の違い・病気の回復などいろいろの織り交ぜてあって、とても面白かった。
    花ちゃんが感じるなごやんのやさしさはこの病気・旅があってこそ。
    このふたりの今後が知りたいな。

  • 映画が好きで読みました。

    精神病院から逃げ出した、花ちゃんとなごやん。ポンコツのルーチェに乗って、福岡から鹿児島へ。

    生まれも育ちも現住所も九州である九州人としては、多少違和感が拭えない箇所がちらほらあったり。

    映画の花ちゃんのエキセントリックな感じは小説ではあまり感じられず、少し残念でした。

    ただ、花ちゃんとなごやんの恋愛でも友達でもない微妙な関係がとても好ましかったです。

    二人の道が今後交わることはないんだろうな、と思うと少し切ない。

    病院を逃げ出したからって、病気から逃げることはできないし、何かしらの答えを得られるわけじゃない。けど、何だか救われた気持ちになる、読後感でした。

    あたしも21歳の夏を大事に過ごしたいと思います。

  • 精神科の入院先から脱走した鬱と躁の二人が九州を縦断する。
    メジャートランキランザーがバンバン出てくるのも臨場感をあげている。
    病人でありながら、自分が病人であることを自覚している二人は、一体何を感じたのか。
    なにも明確な答えは書いていないけど、なごやんの最後の言葉は読者に投げかけているのかもしれない。
    この作品自体が双極性障害そのもののようにできていて、なかなか面白い作りだと思う。
    開放の先には閉塞があり、人はそこを行ったり来たり。
    誰だって病気になっちゃうよ。

  • 読みながら絲山氏は博多出身なんだなと思ってました。プロフィールによると東京出身で、転勤で名古屋、福岡での勤務経験がありだそう。逆によそ者の目から見るからここまで書けるのでしょう。にしても、博多弁ほぼパーフェクト。ネイティブとしては、方言「しかぶる」と「まりかぶる」が出てきたところでは笑いましたねぇ。完璧に執拗に博多弁でしゃべる女(現実にはここまで博多弁を使いこなす女の子はいないんじゃないかな。だからそれは意味を際立たせるための手段なんだと思う)と、名古屋出身であることを嫌悪し東京出身と言い張る男が、九州を縦断、鹿児島(本島の)最南端へと逃亡するロードノベル。とにかくディテールの書き込みが面白い。

  • 精神病院から脱走し、南へ。
    合わないような、合うような、合わないような2人のあてのない旅。
    頭に浮かんだ景色や、匂い、光なんかが残る。
    2人の抱える色んな思い、苛立ち、焦燥なんかも。
    こういう小説がいい。

  • 青春小説。
    花ちゃんがかわいい。

  • 土地の描写がリアルだった。
    プラリバがある時代の西新にタイムスリップできて泣きそうだった。

  • 知人にすすめられて。
    躁病と鬱病の二人が精神病院から脱走し九州を逃亡するという話。
    とてもコミカルに描かれていて暗い雰囲気は一切なかった。
    方言でかかれてる話って苦手だったけど、わりとすらすら読めた。
    なごやんといきなり団子食べてみたい。
    九州いってみたいなと思った。

  • お!ロードムービーだ!映画も観てみたいなあ。

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