- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120036453
作品紹介・あらすじ
弘法大師空海の足跡をたどり、その時代風景のなかに自らを置き、過去と現在の融通無碍の往還によって、日本が生んだ最初の「人類普遍の天才」の実像に迫る。構想十余年、著者積年のテーマが結実した司馬文学の最高傑作。昭和五十年度芸術院恩賜賞受賞。
感想・レビュー・書評
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https://ameblo.jp/yasuryokei/entry-12796485811.html
司馬遼太郎(1923. 8. 7 - 1996. 2.12)
https://ameblo.jp/yasuryokei/entry-12789079699.html
安藤礼二
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群像 2023-7詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
満を持して…、というか機が熟すのを待ちに待ってやっと頁を開いた本作。どの程度機が熟したかというと過去5年内に高野山を歩き、叡山を歩き、遍路道を歩いたという状況。予習としては十分ですよね?という感覚で読み進めた。
上下巻に組まれているところから言って空海本人の台詞がカギ括弧で語られるような小説とかってに思い込んでいた。その予想はある意味あっさりと裏切られ、この上巻はむしろ彼の前半生をたどりながらの紀行文のような、むしろ「街道をゆく 空海特別編」とでも銘打って良いような創りになっていた。やられた。
上巻は彼の入唐が成果を持った形で終わりを迎えようとしている場面で終幕。あっという間に下巻突入! -
四国を書いた部分が印象的であった
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空海と最澄の話。同じ時期に遣唐使として仏教を学びに唐へ。
空海は欲望も含めての密教を成立させた。
経済的な感覚が鋭く、国費ではなく、民費での遣唐使としての参加。
同じ時に行った最澄は国費。
20年学ぶということで派遣されるが、そのお金を2年に投入して成果をあげようとしていた。
すでに国費として派遣される地位を築いていた最澄が先に日本に帰国。もともとの目的の天台宗とともに、密教をはじめて日本に持ち帰ると、密教の人気が出る。
密教を学んだ空海が帰国すると、最澄は空海に教えをこうことになる。
空海は死を意識してからは五穀を食べないようにしていた。 -
弘法大師という日本史上の異形が産まれた背景を脱線に継ぐ脱線を繰り返しながら論考というか想いをはせる。
しかし司馬遼太郎の最澄好きは有名ですが「空海の風景」というタイトルの書物ですら伝教大師の清冽さと好ましさが勝ってしまう、このネジレが何ともいえません。
私も最澄好きになったのは、おそらく中高生の頃に同書と街道を行くを読んだせいですがな。 -
真言宗や天台宗のあらましはわかろうし、やはり面白いし、入門書としては十分評価できる。ー小谷野敦
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普段の司馬作品とは違う趣き。小説よりも歴史書という方が近い。「空海」という巨大なエネルギーの塊を描くのは、氏を持ってしても、一筋縄ではいかないのであろう。
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メモ
空海と最澄の立場を対比しながら歴史をひも解いていく。
風景を想像しながら詳細に構成された文章は読み進めるにつれてその美しさに魅了される。
文章に恋をした。 -
面白く読めたが、ある意味司馬遼太郎という作家の限界を見た作品のような気もする。空海という宗教者を描くには司馬遼太郎の筆致はあまりに英雄譚過ぎるし、俗的価値観に染まり過ぎているように感じた。
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坂の上の雲が始まりでした。
大学生の頃によく読んだ司馬遼太郎。あのころは流れに乗ってどんどん読んだモノですが、この本はちょっときつかったです。 嵯峨天皇・橘逸勢との三筆についてもこの全く同じ時代を生きた人々として感じることができました。