夜の公園

著者 :
  • 中央公論新社
3.16
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本棚登録 : 767
感想 : 175
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120037207

感想・レビュー・書評

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  • 主人公のことをあまり好きになれなかった。

  • 装幀/中央公論新社デザイン室

  • リリと春名は親友。でもリリの夫の幸夫と春名は不倫をしてる。そしてリリは夜の公園で出会った年下の暁と不倫をしてる。春名は他の男とも付き合っていて、そのうちの1人は暁の兄…

    設定はどろんどろんなんだけど、なんでこんな涼しげな文章なんだろうか。
    誰も幸せじゃないんだろうと思ってしまうけど、なんでこんなにふわんふわんしてるんだろうか。

  • 2013 3/12

  • 評価しづらいな。

    不倫したり、友だちの旦那奪ったり、心中しようとしたり。
    内容はドロドロなのに、さらっと淡々と、そしてふわふわと物語が進行していきます。

    登場人物それぞれの視点で物語が進むんだけど、
    最後だけ、なぜ全員の視点なのか???
    ごちゃごちゃしてて、最後だけいただけないなぁ(´・ω・`)


    何かふとしてときに、
    「どうして私、今ここにいるんだろう?」
    って、主人公リリと同じようなことを考えたりするなぁ。
    当たり前の生活・恋愛しているのに、
    地に足が付いていないような感覚に陥る。
    そういった感情を表現したかったんだろうし、
    途中まで、ちょっと共感持てたりしてたから、
    やっぱり最後がいただけないのです。

  • それぞれの視点から物語が進行して、一つの物語だけれども、多面的な見解が散りばめられていると思った。物語の展開の一区切りのアップエンドダウンが激しくて読んでてハラハラドキドキした。愛だの憎しみだの執着だの欲望などがありありと描かれていて、でもなんだかその汚さを感じなかった。

    印象に残った箇所。

    ささやかな知見なしに人生を渡ってゆくのは、ただの蛮勇だ。蛮勇をふるった結果、ものごとが丁と出るのか半と出るのかは誰にも予想することはできない。丁を出したいならば、丁に見合った知見を。半を出したいならば、半に見合った知見を。
    p54

    たとえ目に見える出来事の奥に様々なことが隠されていたとしても、実際に目に見えないことは、起こっていないことと同じことである、という幸夫の例の持論。
    p56

    不倫、と春名は小さく繰り返す。へんな言葉だ。たとえば自分が結婚している男の人とつきあっているとして(実際つきあっているのだけれど)、そのつきあいを「不倫」という言葉でくくってしまったとたんに、ものすごくそれは簡単なしくみの恋愛になってしまうような気がする。不倫。不均衡で、なんとなくじめっとしていて、押し殺した興奮に満ちていて、でもどの不倫も結局は同じ結末にたどりつく感じで。p68,69

    瞬間なのだ。憎しみも、愛着も、よろこびも、哀しみも。離れてしまえば薄い。薄くなる。
    p228

  • 主人公のリリが江圀香織の作品に出てきそう、まさに。でもすっごく好き、リリ。途中で「これ前にも読んだ」と気付いたけど、そのまま読み続け、二度目もやはり好きな作品だなぁと感じた。人が人を好きになることの事故みたいな避けようのなさ加減と、思ったようにはいかない切なさ。好きになった人にだけ想われれば、想ってくれる人だけを好きになれればいいのにね。
    登場人物がみんなそれなりに大人で、自分の中で感情をきちんと処理していて、あがかない。こんな風にあっさりときっぱりといられたらいいのに。

  • 人を愛するってなんだろう。とても馬鹿げていて、とても愛おしい。ほんの少し、寄り添う気持ちがほつれると、そこから零れ落ちてしまう。

  • ううむ。なんかよく分からない。
    言葉少なすぎて、読点多すぎて。

  • 思いがけなく突然人から何の意図もなくたまたまいただいた本書。ふだん小説をほとんど読まない私にとって、この文章はすごいねと思った。
    内容は不倫をする男女の心理描写と成り行きで、まったく好きになれない内容だったけど、結局最後まで一気に読みついた。語彙力のない私にはうまく表現できないけど、この作家さんが言葉でつくる世界は繊細な部分までこちらの読解力にかかわらず感覚的に伝わってきているのだと思う。
    川上弘美、という作家さん知ることができたのがなによりも収穫。ぜひ他の作品をよんでみたいとおもった。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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