夜の公園

著者 :
  • 中央公論新社
3.16
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120037207

感想・レビュー・書評

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  • ありそうで、ないだろー!と突っ込みたくなる設定。
    なんだか江國香織さんの本に登場するような主人公のリリさんの生活が気になって読み進めました。

  • 夫婦、親友、家族、なんだかものすごく複雑な関係の中でそれぞれの恋愛感情が強く相手を求める。
    そんな中では、やっぱり誰も幸せにはなれない。
    もっとシンプルに、人を愛したらいいのに。
    私にはちょっと苦しすぎました。

  • いつからか夫をあまり好きではないことに気付いてしまったリリ。申し分のない夫なのに。
    いっそのこと、親友の春名が夫を誘惑してくれればいいのにと思っている。
    リリは独特の自然さで公園で出会った青年と恋をし、夫の幸夫や春名もそれぞれの自然さでそれぞれに恋をする。けれど、こういう設定だけを、例えば他の作家のもので読んだとしたら、読者はこれを自然には受け止められないと思う。つくづく不思議な作家だ。そして結構劇的な展開と結末のはずなのに、そうかそうか、めでたしめでたし、だね、とおばあちゃんのような目線になってしまった。

  • わたしの中の「川上弘美さんの小説」とは違っていて、待ち構えていたものが来なかったような感じ、少し疲れてしまった。

    リリのような女性は好きだ。
    掴みどころのなくて、透き通っていて。
    「わたし、あんまりさみしくなくて、それが、さみしいな。」この部分、とてもすきだ。

    反面、春名はとても嫌いで、わたしは単純だなぁともおもった。
    幸夫は嫌いにはなりきれなかった。なんでもかんでも好き嫌いで分けるものではないけれども。

    暁は、真っ直ぐで、とてもすき。
    かわいそうだった。

    リリをすきだった分、結末が、えええ…って感じでした。。

  • 昼のドラマだったら確実にドロドロした話なのに、とても涼しげに物語が書かれている。
    結婚もして、年齢を重ねると好きと言う感情を忘れたりする。
    自分に正直になればなるほど、人生の価値観もはっきりしてくる。
    そう言う中で、本当に今私はこの人を好きなのだろうか?
    昔感じた感情は確かにあった。しかし今はよくわからない。

    本当に悲しいと感じてる事って?それは本質から少し外れた所にある小さな事なのかもしれない。

    リリが感じる感情に共感する。

  • 江國香織的だった。かなり。

  •  上手くいかないことだらけ。
     どれもこれも。
     誰もかれも。

     結局誰が悪いのかもわからずじまい、
     むしろそれすら問題ではなかった。

  • リリと夫の幸夫、リリの親友で幸夫の恋人の春名、暁、悟兄弟。

    夫婦ともに他に恋人がいて、しかも夫は妻の親友と…なんて書くとドロドロしててすごく俗っぽい感じがするけど、そんな感じがしないのは、登場人物がみんなふわふわしてるのと、文章がキレイだからなのかな。

    ちょうどこの前に読んだ「風花」と雰囲気が似ていました。
    これを読むと、人を好きになるのってどういうことなんだろう…とか考えてしまう。
    暁と悟兄弟が可哀想だったな。

  • 『風花』と似たような感じがする。どろどろしていて。なんで最後にあの展開?これもまた主人公に入り込めずに終わってしまった。きっとこんな経験をしてみないとわからないのかもしれない。夫の不倫相手が無理心中に巻き込まれて助けに行くとか、疑問がわいた。なんで?ずっとむかしからの友人だから?
    なんというか、この話の根底にはちょっと理解しにくい女の友情というものがあると思う。

    (240P)

  • 多分これ、男性にはあまり理解できないんじゃないかなー。心情表現がとても女性的。男性登場人物視点の章でも、切りこむ角度とか考え方が女性的と言うか…。
    ふわふわと足元がおぼつかないようなちょっと気だるい様な優し気な文章が結構心地いい感じでした。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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