川の光

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著者 : 松浦寿輝
  • 中央公論新社 (2007年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120038501

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川の光の感想・レビュー・書評

  • 東京近郊の川沿いで平和に暮らしていたクマネズミ・タータの一家は、人間による河川工事が始まって、それまで住んでいた場所から立ち退かざるを得なくなる。上流へ向かう一家(父と弟チッチ)には次々と困難が降りかかる。後ろからは同じように人間に居場所を追われたイタチが積年の恨みをはたそうと一家をつけ狙う。

    そして、上流の町に近い住み良い場所には、大きなドブネズミ軍団が凶悪なボスネズミを中心に、強大な帝国を築き上げ、一家を一歩もその中に立ち入らせようとしない。そうこうすうるちに、次から次へと降りかかる災難。必死の思いで逃げ延びるタータたちに、いつも親切な誰かが助けの手を差し伸べてくれるのだった、、、

    波乱万丈、はらはらどきどきの連続で、当時愛読していた人たちは、新聞連載中はたくさん気を揉んだに違いない。いつも風前の灯といった危機一髪の事態から、急転直下、天の助けが入るという都合の良い(!)展開。(連載の都合上だろうが、これがお約束だ。しまいにはそのパターンにすっかり安心して読み進めている自分を発見。)

    印象的な助っ人たちは、ゴールデン・レトリーバーのタミー、ロシアンブルーの猫・ブルー、図書館に住み着いている脱走ドブネズミのグレンなどなど、、、 この物語から派生するお話では、これらの登場人物たちが大活躍するらしいが、それは別の作品となる予定。

  • ちっちゃなネズミの一家が新天地を求めて旅をする、その道中での出会いや困難、助け合い、別れ、家族愛が描かれています。タッタとチーチ、ちっちゃな兄弟から生命の偉大さを感じます。ネズミなのにおっきな心のお父さん、ネコのブルー、まだ幼いタミー、ネズミ詩人のグレン、雀夫妻と獣医夫妻、次から次へと愛おしいキャラが登場。も〜ドキドキすること請け合いです。
    新聞連載中リアルタイムで読めた方は幸せ者だ。

  • 是非是非、皆に薦めたい本の一冊!!家族、友達、人は(ねずみは)決して一人で生きているのではありませんから。

  • 読売新聞の夕刊に連載された小説。今、朝刊に「川の光2」が連載されている。続編らしい。それを妻に読み聞かせてもらっている子供たちが、前の話も知りたいと言うので、自分で読めるのかしらと思いながらも買った。さすがに下の子は無理だが、上の子は最後まで読んでしまった。お気に入りの犬と猫(ゴールデン・レトリーバーとロシアンブルー)が登場するので、頑張ったらしい。妻も上の子もおもしろいと勧めるので、読んでみた。確かにおもしろかった。毎日、通勤電車の中でわくわくしながら読み、時折ほろりとさせられて困った。子どもの頃、「グリックの冒険」や「冒険者たち」を、やはりわくわくしながら読んだことを思いだした。そちらの内容は、すっかり忘れてしまったが。

  • もし私が十歳くらいで、初めて小さな活字の、ちょっと大人っぽい雰囲気の分厚い物語を読む子どもだったら、きっと夢中になってこの本を読んだに違いない。

    生まれ育った川原を、暗渠化する工事が始まり、離れなければならなくなった、クマネズミのタータとチッチ、そしてそのお父さんの、新しい住処を探す冒険譚だ。
    途中、ドブネズミ帝国や一匹「狼」のイタチなどの攻撃におびえながら。
    また、ゴールデン・レトリーバーのタミーや、雀の夫婦、モグラのお母さん、猫のブルーに助けられながら。

    ただー。
    もう十歳くらいの子どもがいてもおかしくない年齢になってしまった私にとって、悲しいことに、どこか既視感を覚えてしまう。

    それでも、この小さなねずみたちの中にある強さには心を打たれる。
    そして、明るさや音やにおいが、この小さな生き物たちにどう感じられているかという想像力の冒険もできる。
    大人になってから読んだから感じられることもある、と信じたい。

    今年の実質的な「読み初め」となった一冊。

  • 大人の童話
    色んな困難を乗り越えて、ハッピーエンド。

  • あの老クマネズミは一体どうやって先にあの新天地にたどり着いたんだろう?しかも一匹で・・・

  • 平和な川辺の暮らしは失われた。
    晩夏、安住の地を求めてネズミ一家の冒険が始まる。
    足元で脈動する世界に優しいまなざしを向け、柔らかい魂の手触りを伝える物語。

  • [ 内容 ]
    <1>
    平和な川辺の暮らしは失われた。
    晩夏、安住の地を求めてネズミ一家の冒険が始まる。
    足元で脈動する世界に優しいまなざしを向け、柔らかい魂の手触りを伝える物語。

    <2>
    進め!
    小さく弱く、勇敢な者たちよ。
    囚われの身となったゴールデン・レトリーバーを奪還するべく、大小7匹の動物チームが、東京大横断の旅に出た―イラスト多数・折込地図付き。

    [ 目次 ]
    <1>


    <2>


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 川の暗渠化工事のため、慣れ親しんだ巣穴を離れることになったクマネズミのタータ、チッチ兄弟、そしてお父さんの3匹。
    人間には短い距離でも、クマネズミには大冒険。
    道に迷ったり、下水で死にそうになったり、ドブネズミたちに捕まったり、猛禽類にさらわれたり、人間に飼われそうになったり、駅を超えるためにバスに乗ったり!
    そんな大変ななかでも、スズメの親子を助けたり、ドブネズミだけど、味方になってくれた友達と出会えたり、ネコや人間の男の子にも助けてもらえたり。
    大冒険。

    『ガンバ』的な・・・

    新聞に連載されていたとのこと。言葉なども、普段はあまり使わないような熟語が出てきたりして、しっかり作られた作品。
    でも、
    かしこいネズミのセリフに、辞書片手になる自分が少し悲しい。
    ネズミに言葉を教えてもらう的な・・・ハイ、阿呆なのは私です。

  • 川辺に住むクマネズミの一家が住処を追われ引っ越しをするという物語なのだけれど、これが頁を繰らずにはいられなくなる語り口で、その展開にぐいぐいと引き込まれる。
    子どもが読んでも楽しめると思うが、大人が読んでも十分にその面白さを堪能できる。すばらしい物語だ。
    見返しの地図イラストと、文中のイラストも秀逸!

  • 川上未映子司書の紹介。クマネズミの親子が新天地を求めて冒険を繰り返すハラハラドキドキのアドベンチャーストーリー。ネズミが主役のまるで絵本のようなストーリーだけど、言葉遣いが大人向けでまとまりもよくて楽しめた。続編や外伝も気になる。

  • ドブネズミ一族に住処を追われたクマネズミのタータ家族。父親とタータ、弟のチッチと安心して暮らせる川辺を求めての逃避行が始まる。

    日本版「ウォーターシップダウンのうさぎ」と言われるけれど、第2の「冒険者たち」と言うほうがあっているように思う。
    続編が発売されたのを機に、読みそびれていた本編を読みました。私は、斎藤惇夫の「冒険者たち」のほうが好きですが…。

  • "緑が森ってどこだろな♪"って歌いたくなる、、ロッキーチャックは山ネズミかぁ。この物語は"川の光を求めて!"、お父さん・タータ・チッチのクマネズミ親子の旅なる大冒険…純粋にワクワクさせられ童心に還るヨ♪登場キャラもスゴく可愛いし、頑張れ!頑張れ!!って応援してしまう。

  • どうしちゃったんだろうな、、夫と子供達を喪った牝ネズミは。

  • とても爽やかな気分にさせてくれます。著者の優しさが文章から優しさがにじみ出ています。ワクワクドキドキさせてくれます。ジブリやディズニーがアニメで作品にしてくれたら、いいなあと思わせます。本当にいいです。

  • 傑作。うちの子にはまだ早いかもしれません。
    子連れ登山によく似た緊張感がありました。

  • ネズミが主役の物語が大好きです。最初はアニメで見たのですが、アニメではなかったエピソードもたくさんあってまた別の物語に出会ったように面白かったです。何度でも読み返してみたい。素敵なお話。

  •  2006年7月~2007年4月まで読売新聞夕刊に連載された小説。

     お父さんと兄タータと弟チッチは、クマネズミの三人家族。川べりで暮らしてきたが、ある日突然、その川の暗渠化工事が始まってしまって、新しい棲みかを探す旅に出ることになった。

     また川の近くで暮らしたいと願って、旅をするが、途中ドブネズミ帝国のドブネズミたちに襲われたり、その他にも危険な目に遭ったりする。
     危機を乗り越えながら、家族の絆、勇気を持ってタータたちが進んでいく姿など、とにかく頑張れ~とネズミたちを応援したくなる本でした。
     旅の途中、タータにたくさんの味方も現れ、友情はいいなあと感じました。

     一般向けで出ていますが、たぶん小学校高学年くらいからは読めるでしょう。むしろこれからを生きる子どもたちに読んでもらえたらいいと思います。

  • ネズミの兄弟が主人公の冒険物語りです。ハラハラ、ドキドキ、ワクワクしたり、動物と話が出来たらなあ、と思わせる小説です。

  • タミーがうちの犬にそっくり、と見知らぬひとに話しかけられて、読んでみました。
    この子が悪い奴にさらわれて、このシェパードが(もう一頭の黒い犬を指して……シェパードじゃないんだけど)助けに行くんだよ!!と、先月まで連載されていたという続編の方の話のようでしたが、気になって図書館で借りてみました。

    人間は誰でも心のどこかで、途轍もない罪悪感を抱えて生きているのでしょうか。そのくせ、川の光に焦がれるような想いも持ち合わせている。素敵な物語だと思いました。タミーがいなかったら読まなかったと思うけれど、外伝も続編も読んでみよう。タミーの、あの天真爛漫さ、本質をあっけらかんと言えてしまうところには救われました。

  •  読売新聞に連載されていた小説を単行本化したもの。
     連載中は大人気だったらしい。

     物語の主人公はクマネズミの親子だ。
     自然に恵まれた川辺で暮らしていた親子が、開発によって棲家を終われ
     新天地を求めて旅にでるのだが、途中でさまざまな危険にあい、命も
     危うくなる・・しかし、危機一髪で助けが現れ、ついに新天地にたどり着く
     というファンタジー。
     
     ネズミが主人公という話に馴染めなくて、なかなか読み進めなかった。
     冒険に次ぐ冒険、危機一髪の連続なんだけど、そのたびに助けが現れ
     ・・・というのが子供だったら素直に「良かった~♪」と思えるのだけど、
     私にはなんだか「嘘っぽく」感じられてしまった。
     ファンタジーなんだから「嘘」でもいいんだけど、あまりにご都合主義な
     感じがして素直に読めなかったのだ。ていうか、私がもう子供の心をなく
     しているのかもしれないけど・・。

  • ハラハラドキドキで最後は綺麗に終わるザ・物語!という感じです。私はこういうオーソドックスな展開も好きです。動物が好きな人なら楽しめるんじゃないかしら。あと、優越感を幸福と勘違いしちゃいけないとか、友達ってなんだろう?とか、読み進めるうちに意外と深いこともいつの間にか考えさせられてる、そんなお話でした。私はタミーになりたい。

  • 子供向けかと思ったら
    なんだかんだで深い事言ってる

  • p21「『(前略)なあタータ、ぼくらほど幸福なネズミはいないんだよ。』口数のすくないお父さんがいっぺんにそんなに喋るのは珍しいことだったので、その言葉はタータの心に深く刻みこまれた。」


    ネズミの親子が、住んでいた川を追い出され新しい住処を探しに行くまでの冒険の話。
    子ども向けかと思いきや、なかなか残酷な箇所もあり…温かいほのぼのなおとぎ話ではありません。自然界の美しさはもとより、残酷さの描写もあり、それが何より引き立っています。素敵です。


    子どもの読書感想文に向いてるような気がしなくもないです。
    ラストの語り手の話す箇所が印象的でした。盛り上がりもすごかった。
    そしてちゃんとそれぞれの後日談というかも回収してくれる所に愛を感じました。
    僕っ娘タミー超かわいい。



    p94「そして、図書館なんていう、こんな巨大なものまで、どうして人間たちは作ったのかな」とタータがさらにつぶやく。
    「さあ」グレンはしばらく黙って、やがて「怖いから、じゃないのかな」とぽつりとつぶやいた。
    「怖いって……何が怖いの?」
    「死ぬのが、怖いんじゃないのかな」

    グレンのいる図書館のシーンはとても好きでした。
    図書館のシーンがとても好きでした。

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