川の光

著者 :
  • 中央公論新社
3.62
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本棚登録 : 437
感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120038501

作品紹介・あらすじ

平和な川辺の暮らしは失われた。晩夏、安住の地を求めてネズミ一家の冒険が始まる。足元で脈動する世界に優しいまなざしを向け、柔らかい魂の手触りを伝える物語。

感想・レビュー・書評

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  • ねずみさんの大冒険。
    思いがけず楽しめました。

  • *平和な川辺の暮らしは失われた。晩夏、安住の地を求めてネズミ一家の冒険が始まる。足元で脈動する世界に優しいまなざしを向け、柔らかい魂の手触りを伝える物語*

    ずいぶん前に読売新聞の連載で読みましたが、当時は毎日続きが気になって気になって。ネズミ一家の話ですが、犬や猫、もぐらや雀など個性豊かな動物たちも魅力的です。タータにチッチ、頑張れ!と何度も手に汗を握る展開、あたたかい読後感、全てが素晴らしいお話です。

  • 東京近郊の川沿いで平和に暮らしていたクマネズミ・タータの一家は、人間による河川工事が始まって、それまで住んでいた場所から立ち退かざるを得なくなる。上流へ向かう一家(父と弟チッチ)には次々と困難が降りかかる。後ろからは同じように人間に居場所を追われたイタチが積年の恨みをはたそうと一家をつけ狙う。

    そして、上流の町に近い住み良い場所には、大きなドブネズミ軍団が凶悪なボスネズミを中心に、強大な帝国を築き上げ、一家を一歩もその中に立ち入らせようとしない。そうこうすうるちに、次から次へと降りかかる災難。必死の思いで逃げ延びるタータたちに、いつも親切な誰かが助けの手を差し伸べてくれるのだった、、、

    波乱万丈、はらはらどきどきの連続で、当時愛読していた人たちは、新聞連載中はたくさん気を揉んだに違いない。いつも風前の灯といった危機一髪の事態から、急転直下、天の助けが入るという都合の良い(!)展開。(連載の都合上だろうが、これがお約束だ。しまいにはそのパターンにすっかり安心して読み進めている自分を発見。)

    印象的な助っ人たちは、ゴールデン・レトリーバーのタミー、ロシアンブルーの猫・ブルー、図書館に住み着いている脱走ドブネズミのグレンなどなど、、、 この物語から派生するお話では、これらの登場人物たちが大活躍するらしいが、それは別の作品となる予定。

  • ちっちゃなネズミの一家が新天地を求めて旅をする、その道中での出会いや困難、助け合い、別れ、家族愛が描かれています。タッタとチーチ、ちっちゃな兄弟から生命の偉大さを感じます。ネズミなのにおっきな心のお父さん、ネコのブルー、まだ幼いタミー、ネズミ詩人のグレン、雀夫妻と獣医夫妻、次から次へと愛おしいキャラが登場。も〜ドキドキすること請け合いです。
    新聞連載中リアルタイムで読めた方は幸せ者だ。

  • 是非是非、皆に薦めたい本の一冊!!家族、友達、人は(ねずみは)決して一人で生きているのではありませんから。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      近々「川の光 外伝」が出るようです。
      近々「川の光 外伝」が出るようです。
      2012/05/17
    • jyunko6822さん
      nyancomaruさん
      いつもありがとうございます!
      nyancomaruさん
      いつもありがとうございます!
      2012/05/18
  • ふむ

  • 人間による河川工事によって住処を奪われてしまった、クマネズミのチッチ・タータ・お父さんは、新しい住処を探しに大冒険へでる。
    チッチ達は、敵のドブネズミに捕まったり、大雪のなか遭難してしまい、命を落としかけたりと、さまざまな危険を乗り越える、小さな命の物語である。

    僕は、この物語を読んで、人間よりも遥かに小さいネズミが多くの危険を乗り越えて必死で新たな住処を探しに行くという話に、今まで読んできた動物が出てくる本と、また違った“生き物の命”を感じた。

    また、この本は、『人間による河川工事によって住処を奪われてしまった』というところから、この本は、遠回しに、読者に対して現在、問題になっている『環境破壊』の深刻さを主張していると僕は感じた。

  • 島津和子先生の挿絵はリアル寄りなのになぜああもかわいいのか…

  • ネズミ親子3匹の命がけの大冒険が語られる。それにしても絶体絶命を乗り越える偶然ばかりで、興ざめである。意図的に盛り上げていると感じた。ハッピーエンドはお約束だ。

  • 河川工事によって住処を奪われたクマネズミの親子が、上流へと移動を始めます。しかし、伏流や天敵の襲来など、なかなか順調には進みません。ニンゲンたちの作り上げたコンクリートジャングルを超え、「川の光」は見つけられるのでしょうか。忙しいあなたも、小説の中で旅に出かけてみては?
    (機械系エネルギーコース M1)

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著者プロフィール

1954年生れ。詩人、作家、評論家。
1988年に詩集『冬の本』で高見順賞、95年に評論『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、2000年に小説『花腐し』で芥川賞、05年に小説『半島』で読売文学賞を受賞するなど、縦横の活躍を続けている。
2012年3月まで、東京大学大学院総合文化研究科教授を務めた。

「2013年 『波打ち際に生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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