木洩れ日に泳ぐ魚

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著者 : 恩田陸
  • 中央公論新社 (2007年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120038518

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木洩れ日に泳ぐ魚の感想・レビュー・書評

  • ▼2013/05/08‐読了。
    恩田さんの世界観、心理描写を十分に味わえる一冊。
    登場人物が二人、会話を中心とする展開だけれども、
    ファンとしてはとても楽しめる内容になってます。

  • 姉妹の男女の物語。
    最初は引越しのことだけど、どんどん深くて黒い部分に迫る。
    最後はなんだかお互いが清清しい気持ちで終わる。

  • 一行目からグイッと引き込まれました。終始謎めいた言葉を含んだ語りが続いて、最後まで心を掴まれたままでした。

    ある一組の男女が別れを決意し、最後の一夜の話しでしたが、そこにいろんな物が凝縮されていてとても濃厚な一冊でした。

    ある男の死を巡ってのお互いに対する疑念と心理戦のような緊張した空気、お互いの記憶を辿って導き出される真実、もうドキドキが止まりませんでした。

    最後は切なさが込み上げ、人を愛する事って何だろう…とか少しセンチメンタルな気持ちになってしまいました。

  • 僕たちは笑う。
    カメラに向かって。将来この写真を見る自分たちに向かって。決して自分の過去が悪いものではなかったと自分に言い聞かせるために。カメラに向かって笑う僕たちは、未来の僕たちと常に共犯関係にある。

  • お見事、としか言えない。
    部屋で一組の男女が一晩話し合っているだけなのに、お互いに対する幾つもの感情が非常にドラマチックで綺麗に流れていく様に凄く惹き付けられました。
    最初はほんの小さな疑惑がどんどん膨らみ、次第に想像もつかなかったような大きな出来事へと繋がっていき、最後には小さく収まっていく過程もとても鮮やかで素敵でした。

    人間の醜いところが物凄くリアルで生々しいのですが、何故か恩田陸さんの描くそういった、狡さやエゴはすんなり読めるんですよね。不思議です。
    女の嫉妬、これほど怖いものはないんですが、ヒロに対するアキの恋心はよく分かります。
    それからあれだけ執着していたヒロに、あっさり興味をなくしてしまうところも。

  • 場の雰囲気を作り出す文章の上手さはいつもながら、モヤモヤ感の残らない結末に満足。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/12793887.html

  • 皆さんも書いている通り、アパートの一室、主人公は2人、しかもたったの一夜、という状況で、ここまで深い物語を描ける恩田さんはすごいと思った。
    演劇っぽいなあと感じるのも、なるほどと思う。




    以下、ネタバレっぽくなってしまうが、この物語にはいろんな「偽り」が出てくる。
    相手を好きだと思う気持ち、「あの男」を殺した犯人、写真の3人、そして、2人の関係。こうした「偽りの真実」が随所に見られる。

    結局のところ、「真実」なんてものは、いくら「事実」があってもいくらでも変化するものだ。それは、心の問題で、いくらでも。
    だから、アキの、兄弟がゆえに愛していたという台詞はとても生々しく感じる。実際、人間はそうなんだと思う。

    久しぶりに、人間の心の奥深くまで覗けるような物語を読みました。場面が動かない分、2人の心理描写に集中することができました。
    あと、夜のピクニックにも、確か家族関係の描写があったと思うのですが(うろ覚えですみません)、その描写がなんとなく頭に浮かびました。

    恩田さんの他の作品も読んでみたいと思います。

  • 兄弟なの?え、違ったの?
    後だし情報に振り回されるだけ振り回されて最後良く分からずに終わった・・orz

  • ひと組の男女についての話。
    恋愛のような、そうでもないような。

    風景描写がすごく綺麗でした。

  • どんどん真実が明らかになっていく様子が残酷かつ面白くて一気に読みました。

    ところどころアキの心情に共感する部分もありました。

    恩田さんワールドにすっかりはまりそうです。

  • 一気に読んでしまった!
    読んでいて、冷や汗をかきそうになったり、焦って考えを巡らせたり、目を覆いたくなったり。

  • わたしのことを、好きでいてくれる あなたが、好き。

  • 破局をむかえた一組の男女がむかいあう部屋。彼らはある人物の死について互いを疑いあっており、緊張した空気が漂っている。さらに彼らはある秘密を抱えており・・・
    一組のカップル、一つの部屋、一晩のシンプルな舞台立てのなかで、キャベツの皮をむくように次々とあたらしい要素が現れつづけ、登場人物をはるか遠くにつれていくという仕掛け。舞台劇でも観ているようだ。
    凝ったしかけの現実味のうすい話だが、トリックが人間をふりまわすようなエキセントリックな方向には走らないので、安心して読める。最後に2人がおちつく先も、なんだか納得できるような気がする。

  • 終わりかたがイマイチでしたが、面白かったです。
    意外な真実がどんどん明らかになっていってひきこまれました。
    「死は生の一部分なんじゃないかな」というセリフが印象的でした。

  • 運命的に再会した男女が別れる前夜の話。

    数時間の男女の会話だけで自分たちのルーツから父親の死因まで推測していく流れがすごい。男女交互に入れ替わる視点から心情変化が手に取るようにわかる。

    女性的な表現というか、多面的な感情表現がすごく上手。

  • 一組の男女が別れる一夜の話。
    率直に言うと読み始めは気持ち悪かった。うわーって気持ち悪さじゃなくて、まぁ単純に男性側の計算高さなんかが自分とダブって居心地悪い感じ。書き方が淡々としてるから、読み進める内に客観的になってどうでもよくなったんやけど。

    心理描写に特化してる分曖昧で、抽象的で、結局こういう事って明示出来る答えは無し。
    白黒はっきりさせるのが嫌いな俺にはある意味ぴったり。
    人を本当に愛するって、さてどういう事でしょうか。

  • あの旅から、すべてが変わってしまった。一組の男女が迎えた最期の夜明らかにされなければならない、ある男の死の秘密。運命と記憶、愛と葛藤が絡みあう

  • 男性と女性の物語。引っ越し前夜の何もなくなった部屋で2人が話をしながら過去を解き明かしていくのですが、舞台にしたらとても面白そう。
    女性の強さ、男性の弱さがすごくうまく描写されているなと思いました。

  • ダークな「ピクニック」。
    いつも思うのだが、この人の小説は演劇のような
    雰囲気だと思う。
    舞台で演じてる様子が頭に浮かぶ。

    男と女の「きょうだい」って難しいもんですな。
    野郎の「きょうだい」は極単純ですが。

  • 曖昧な記憶を手繰り寄せながら、別れの直前の男女2人と”あの男”の過去の謎を解き明かしていく一夜の心理ドラマ。
    濃かったです。

    しかし、千浩と千明の2人はやはりそうであったか…という予想通り。
    (ある意味定番)

    夜明けがおとずれてよかった。
    しかしなんとなく、すべてが解き明かされてすっきりしたわけではなくてまだもやもやしている。
    2人の人生は今後どうなっていくのだろう…。




  • 数ページ読んで、あまり恩田陸らしくないなと思った
    嫌いなわけではなく、むしろ好きな文章なのだが、なんだかいつもよりしっとりした印象を受けた


    最後の終わり方がしっくりこない感じがしたけれど、ととても楽しんで読めた

  • 男女2人が分かれる夜に心残りであったある出来事について語りだす。
    何もない部屋で2人きりでお芝居のよう。真相を知って立場が変わっていくさまは面白いが、もう少し盛り上がりがあれば。

  • 男女の心理劇。
    一晩の出来事なのだが、二人が話せないでいたある事件の真相が次第に浮かび上がってくる。
    それと同時に二人に隠されたある真実も。

    相変わらず恩田さんはこういう話がうまい!
    でも今一惹きこまれなかったかな・・・。

  • たった一夜で語られる、双子の出生の真理を廻る、男女の別離を描く本
    かなーと。

    はじめ読んでいるときには、
    はじめに明示される意味のわからない結末文以外“二人の男女の別離”という同居関係にあった二人の柔らかな夜のように見えた。
    しかし、1章の終わり、そこで急にそれは変化する。「彼女があの男を殺したのだと、(略)」の文章で。そしてまた少したってから彼らのほんとうの関係が明かされる。

    中盤まではこの物語は二人がひっそりと自殺する以外に現状の打開策は見えないように感じた。
    謎解きが終わったらこっそり消える探偵のように消え果てるのかと思った。そして終盤まで私はこの物語をラブストーリーであり、家族の出生の話であり、男を誰が殺したのか、誰の責任なのかを問うサスペンスでもあるように見ていた。
    しかし、妹である彼女に言わすとこの一夜の物語のことは「徹頭徹尾コメディ」だったようだ。

    彼女はまた、主題である「真理」に関してその不親切さ、本当に真理が大切なのかという点を作中で述べている。
    しかし、彼女はその真理に救われ、明日も過ごすことができるような結論に至ったようだ。彼女が明日生きているという難しい選択肢を選ぶためには選ばなければならないフラグだったように思う。
    でもそれは真理の尊さ、正当性にはあっさりと結びつくものではない。彼女は死を悪いことと決して置いていないからだ。

    彼女は真理によって生かされ、真理によって過去をすすいだ。決して清算できるものではないし消え去るものではないが彼女の中では整理がついたのだ。そしてどうでも良くなっている。
    これがもし、コメディではなく自らの存在を“認めさせる”はなしだったとしたら、本来二人は母親の元へ行かなければならない、しかし彼女はそれをしないで終わる。消化しきれたのか、澱を貯めこむことにしたのか分からない兄の方は多分元来の卑怯さと優しさでそれをしないだろうが。


    恩田陸についてだが、
    本当にこの人は多くの女性の感情の深いところ、目をそむけようとするところも捉えて当たり前のようにそれを淡々と書く。
    そしてうまく登場人物たちの像を私達に仕上げさせていく。
    男性はかなり感情的短絡的に書かれているように感じた。
    男性が読んだらどう思うのかはわからないがそこは自分に対する認識への性差が有るきもするので分からない。ただ、多くの女性はこのアキに賛同するだろう。


    自分と
    中盤まで自殺して終わるのが美しいと思ったくらいだし、それ以外の打開策が見つからない。
    という結論はわたしには自分の現状と少し似た結論であると感じるところがあった(違うのは期限があるかないかかな)。でもそれでおわったらこの物語に失望することもわかっていた。確かに無理心中は美しく終わらせることができるかもしれない。でもこの文章はそんな覆い隠す美しさに終結を持って行ったりしなかった。清算して、日常へ戻った。
    日常に戻ることが善だとか全く思わないけれどそれはある意味社会生活を行う人間の当たり前なのだ。それは絶望ではない。世の中の不条理さはある意味条理を持っているということだろうか。私も日常へ戻ってすごすというようにするために一つターニングポイントを設けてみるべきなのかもしれない。

  • しっくりきた。

    夜が、明けた。

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