「課題先進国」日本―キャッチアップからフロントランナーへ

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著者 : 小宮山宏
  • 中央公論新社 (2007年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120038648

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「課題先進国」日本―キャッチアップからフロントランナーへの感想・レビュー・書評

  • ・議論でのひらめきによって「正反合」へと飛躍する
    ・英語圏でのジョーク一例

  • 課題を課題だと認識する力、課題を率先して乗り越えていく勇気が必要。

  • この本は勉強になった。今ある課題に対して、批判ではなく「どうすれば解決できるか」という姿勢で書かれている点と、その取り上げられている課題が盲目的な視野ではなく全体をマクロに俯瞰してミクロにひとつずつ見ていこうとしている視野の取り方がすごく読みやすかったです。目的に向けて知を統合していくことの大切さを教えてくれた感じがした一冊でした。小さくとも、全体を見ながら自分にできることを考えていきたいと思いました。

  • 著者は前の東大総長。少子高齢社会の最先端を走り、資源も食料もない中で経済大国の地位を守っている日本には、環境・エネルギー・資源・住宅・医療・教育といった、人類が否応なく直面する課題が最も先鋭的に現れている。この課題解決をゼロから行い、社会システムを変革することにより、日本は世界をリードする知のフロントランナーになり、繁栄を享受できると説く。そのためには、個々の技術の発展が必要なのはもちろんのことだが、それらの知を統合して構造化し、ビジョンを描けるようになることが最も大事だと言う。その際には理論からスタートする演繹的アプローチが重要で、理論を知っていれば「エアコンのエネルギー効率は理論上43倍だが、現状は7倍なのでもっと効率化できる」とか、逆に「セメント製造のエネルギー効率はすでに理論値に近く、これ以上の効率化は困難」といったことがわかり、数値に裏打ちされた具体的なビジョンが作れるのである。

    著者は工学系の出身なので、日本人の苦手なコンセプトワークやシステム思考に強く、構想力と視野の広さが群を抜いている。通常、「日本の未来を考える」というと、どうしても政治や経済といった社会科学系の話に偏ってしまいがちなので、著者の提示する理工系のトピックをメーンにした国家ビジョンは新鮮である。しかし、本書の中で一番魅力的なのは、全編に通底する「日本を一流国家にする」という著者の強烈なパッションである。

  • 日本は課題を多数抱える国であり、その課題を解決するチャンスを持つ国であるというもので、2007年に書かれている。
    環境分野における可能性を多く述べている。
    20世紀は科学の黄金時代で、21世紀は細分化、深化した科学をつなぎあわせる必要がある。

  • エネルギーや資源の欠乏、環境汚染、少子高齢化、都市と地方の問題、教育、公財政問題、農業…挙げたらキリがない。
    この本では主に、エネルギー問題を取り上げている。

    江戸時代まで、日本の文化は進んでいた。
    それが黒船がきて、あーこれはやばいなって日本人は思うようになった。

    > アメリカでは、こうだから日本でもこうしよう。

    それは日本の合言葉になった。
    それから日本はアメリカの真似をして大きく育った。
    今まであった文化を犠牲にしながら。大人になることを知らずに。
    これからの時代、日本が、アジアが、世界が、人間が、
    物語の主語になることは、もうないだろう。

    地球。

    今まで変わるはずのないと思っていたこの地球が、
    人により変わりつつあって、確実に悪い方向に向かっている。

    今僕らが行なっていることは、
    僕らの子供を圧倒的に苦しめるものであるし、
    どこかで変わらなくてはいけない。
    それが、今なのだろう。


    think Earth

    きっとこれからの合言葉になるだろう。
    そのために何をすべきなのか。

  • こちらも小宮山氏が東大総長だった頃に書いた本。日本は、先進国家ならではの課題(古くは公害など、現在では少子高齢化など)に、他の国に先駆けて直面してきた国なので、日本が先にソリューションを開発することで、後進国にソリューションを売り込むことができる、というビジョンを掲げている。ビジョンそのものには反論が思いつかないんだけど、出版から5年たって何かが一気に進んだかというと、そういう話はほとんど聞かない気がする。それどころか、むしろ後進国の方が、先進国よりも早く先端のITインフラをどんどん取り入れているようにも見えるし…。レガシーインフラを持たない後進国の方が、新しいインフラを一気に普及させるのに都合がいいのは確か。すでにレガシーインフラが網の目のように張り巡らされている先進国は、新しいインフラの導入に際して、関係者間の利害調整のコストが大きすぎるのが問題だということまでは、みな認識しているハズだけど、「問題を認識すれば、問題は解決する」ほど世の中は単純ではない。
    それに、このビジョンの通りに進んでしまうと、子供の頃から格下だと思ってきた後進国が、そのうち日本よりも繁栄することになりかねず、頭では納得できたとしても、感情的には絶対に許しがたい。だから、私としては、とにかく傍観に徹することにしましょうかね。(まあ、どちらにしても、日本の衰退は確定的な未来だし…)

  • 実に日本は多くの課題に囲まれている。それらを列挙するとともに、課題解決先進国となって回りの国々を助けていくことが重要になってくる。

  • 前・東大総長の小宮山氏が、これから日本がとるべき方向性を詳細に書いている。現代日本が抱える問題について具体的なアプローチ策を一つ一つ書いていたり、日本人の根本的な「キャッチアップ」という性格をどう変えていくべきか、などがとても分かりやすく書いている。決して日本を否定するものではなく、むしろ応援歌のような本(本人も最後にそう言っている)。

  • 「知識の構造化」を読んでから、この本を読んだ。同じ本を二度読んだような気になった。

  • 以下引用

    新しいことを提案すると、人は必ず「それは誤りだ」と言う。少し進みだすと、「誤りではないが、できるはずがない」となる。できそうになってくると「できるかもしれないが、できても意味がない」となる。そして、いよいよできると「やっぱり、私の言ったとおりだ」と言う。
    要するに、フロントランナーは常に孤独だということである。

  • 新刊本がなかったのでAMAZONで買いました。課題解決先進国になるための条件について考えてみたい。

  • 最初に読んだのは数年前。
    これ↓を読んで面白いと思える人にはオススメ。
    http://premium.nikkeibp.co.jp/em/report/09a/index.shtml

  • 地球温暖化、省エネの未来については必ずしも同意しないが、日本の諸課題を前向きにとらえる考え方には共感を覚える。

  • これからの日本に期待!
    それには政府が変わらないと!

  • 世界に於ける日本のポジションの変化を小宮山氏はこの本で伝えている。
    第二次世界大戦敗北から高度成長期を経験した時代の日本を「途上国」、そして今の日本を「先進国」と定義し、どの様に「途上国」から「先進国」にポディションを変化させたかの見解が面白い。

    「途上国」の日本はあくまで、世界の先進国の真似をしてキャッチアップすることに全力を注いできた。
    キャッチアップするまでの過程は努力の賜物であり、その結果、現在の「先進国」のポジションを手に入れた。
    一方、現在の日本はもう「先進国」であり、これからは今までの欧米の物真似では世界をリードする国にはなれないのだと述べている。

    現在、日本は様々な課題(少子化、環境問題etc)に直面しており、また欧米諸国でも同じ課題に直面している。
    今までの「途上国」日本ならば、欧米諸国が解決案を提示するのを待って、上手く解決できれば、その方法を拝借すれば良かった。
    しかし、日本はもう「先進国」なのである。
    キャッチアップの時代は終わり、今こそ日本がイニシアティブを課題解決のフロントランナーの役割を果たす必要があるのだ。

    道の無い荒原に一本の道を創り出す力が今の日本には必要で、その資質は十分に持っていると小宮山氏はポジティブに捉えているのが良い。

    若い野望溢れる時代に読むのにお勧めの一冊。

  • 世界に先駆けて課題を抱える日本が今後進むべき道とは?
    現状分析だけにとどまらない、東大総長経験者の一冊!

  • 課題を発見し、周囲の人間に見せ、解決に向けて実行していかないといかんと、読んでいて強く感じた。

    ただ、問題は日本人が表面的な摩擦を嫌う点と、問題を可視化して周囲に知らしめるプレゼン能力が低いこと。これをまず克服しなければいかんと思う。

  • 『日本の現状』
    『課題山積』
    ・「課題先進国」日本という意味は,日本には,まだどの国も解決したことのない課題が山ほどあるということである.課題を先進的に抱えている国が,解決の答えを出さなければならない.

    『エネルギーと環境から見た日本の位置』
    ・世界に追いつけ追い越せの「出羽の守」は終わった.
    ・ゼロからつくることは大変だ.今までなかった自動車というものを発明して,さらにフォードがやったようにそれを大量生産するコンセプトを世界で始めて考え出し,実践するということは日本ではなかった.
    ・化石燃料が不足したときのエネルギーシステムをどうするかなど,新しい社会システムの構築.日本に欠けているのは,新しいことをゼロから始めるというメンタリティである.

    『二十一世紀の環境とエネルギーのビジョン』
    ・量的に意味がある1%オーダーにまでなり得る自然エネルギー源は,水力,太陽電池,風力,バイオマスの4つだ.

    『課題解決ビジョンを具体例で考える』
    ・将来,どれくらい薄い浸透膜ができるか?現実に日夜苦闘している専門家は,今が限界だと考えている.しかし,理想的な状態までにはどれくらいの差があるのか?専門家は,たこつぼに埋没してはならない.常に,全体像に自らの研究を位置づける必要がある.理論と現実を比べてみることが大事だ.

    ----------以下感想----------
    本の主張とはまったく関係がないが…
    問題とは,現状と理想との間に潜むものだということは理解している.
    現状が理想までどれくらい距離があるのかという位置づけが重要だということを学んだ.

  • 高い人口密度、高度な産業化(環境制約)、少子高齢化、環境負荷対策etc
    と課題がてんこ盛りの日本。
    これら日本の課題は、世界に「今後」起こりうる課題
    と言う意味で、日本は課題先進国だそう

    東京大学の元学長の本
    日本の課題を研究者かつ最高峰の教育機関長の視点から解説。
    当時、話題の小宮山ハウスも紹介されてた気がする。

  • 高い人口密度、高度な産業化(環境制約)、少子高齢化という課題山積の日本が自らの持つ課題をフロントランナーとして解を出し、近接するアジアの成長を取り込んで「先進国」としての役割を果たしていくべきではないか、という提言。3章課題解決ビジョンを具体的に考える、の高齢化社会における医療チップによる医療保険費の抑制と市場の開拓、財政投入と教育の関係は興味深い。大学は知識を構造化(知識と知識を結びつけ)、価値化する機関、シンクタンク機能を強化すべきという内容は、21Cの大学のあるべき姿だとおもう。

  • 日本は昔から、キャッチアップが得意だ。

    西洋の技術を導入し、いいものをたくさん安く作る。
    ここには明確な目標が存在する。
    その目標に向かって努力すればいいだけだった。

    しかし、これからの時代は違う。
    日本も先進国になった。
    新たな困難や課題に対し、立ち向かい、ブレイクスルーを見つけなければならない。

    これから生きていく上で、この課題解決力が重要になっていくということがよくわかった。

  • なぜ先進国が他国をリードする必要があるのか。

    著者曰く、リードしないということは惨めになることだという。
    他国を追いかけることになる、追いかけるのは発展途上国のお手の物であり、賃金が低くハングリーな人々が必死に働くからである。

    本質を捉える知
    他者を感じる力
    先頭に立つ勇気

    東京大学の新入生に送られる言葉である。

  • ゼロから出発した日本、先進的な苦労を経験している日本。日本こそ21世紀をリードできる可能性がある。日本としての国のあり方を示している。それには自分で研究テーマを決めるように、誰かに教えてもらうのではなく、自分で決断する意志が求められている。

    研究者という立場から、大学ができること、その役割も言及されている。良い意味でも悪い意味でも学術的な観点から述べられており、アカデミックな見解を求めているビジネスマンや学問に励む学生には方向性を与えてくれる本だと思う。

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