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みんなの感想・レビュー・書評
房州の菜種農家に生まれた二三は、五歳にして遠縁にあたる江戸の油問屋の跡取りに望まれた。ふた親きょうだいとの涙の別れ。江戸に着いた二三を待ち受ける、新しい母、大店のお嬢としてのしつけ、町のしきたり。泣くのはひとりの時だけと心に決め、二三は新しい暮らしを気丈に受け入れていく。ある日二三は、郷里の母に仕込まれたてんぷらを新しい両親にふるまうことになった…。ふたつの故郷に育てられた少女の成長と活躍。涙のち爽快、人情時代小説。
勝山の菜種作り農家に生まれた二三(ふみ)
両親や兄弟の愛につつまれ、のびのびと過ごした日々に別れを告げ、まだ幼い内に江戸の大店の養女となります。
養父母のもと、生来のまっすぐな気質の上に、商家のお嬢としての誇りも身につけてゆく彼女。
何度逆境にあっても前を向いて生きてゆく、そんな彼女の一代記です。
故郷を思いつつ、優しい養父母のため、そんな想いを胸に秘めようとしたり
彼女をねたむ娘にいじめられても、危険が迫ればその子を助けてあげたり
大火にあっても、まずは奉公人の身の上を優先させたり
よくぞここまで育ってくれた!と、実の親になったような気持ちで読んでしまいました。
それくらい魅力的な女の子なのですよ。
江戸前の天ぷらの、美味しそうな描写にもやられましたね。
これはうまい!と唸るような天ぷらを、いつか食べてみたいものです。
涙の一冊である。
ここまで悲劇に襲われるのも少々つらいものがあるが・・・。
菜の花がある事で生きる事を前向きに考えられる二三がかっこいいのである。
山本作品には欠かせない政五郎や江戸屋など、時折ほかの作品が繋がるコトがなんともうれしい。
主人公の人柄と支える周りの気前のよさが、相変わらず粋な山本作品である。
二三の人生は辛いものであったかもしれないが、読み終わったときにその悲しみだけが残るだけではないので、とりあえず5☆
幸せを掴みかけたと思ったら、いやおうなくどん底に落とされる展開に、やるせなさを感じました。こんなに良い子が何故こんな人生を…と。ラストは穏やかな幸せを予感させるものなので、どうかもう何事も起こりませんようにと、遠く願ってしまうのです。(2009.11.23読了)
江戸時代後期。波乱万丈の主人公・二三(ふみ)の半生を描く。房州勝山の幸せな菜種農家から、遠縁にあたる江戸深川の油問屋の大店に養女としてもらわれてきた二三は5歳。裕福な家庭に、素直で気丈で前向きな性格が相まって、二三は大店の跡取りとしても、大人の女性としてもぐんぐん成長していく。両親、兄姉と別れた悲しさに泣きそうになるのをこらえ、養父母に笑顔をみせる。幼いのに気を使う。そんな二三の健気さに心を打たれ... 続きを読む »
このところ新刊が続いています〜二三は5歳の2月に在所勝山から遠縁の勝山屋に求められて養女に出た。十年が過ぎた時,父の名代で油商株仲間と江ノ島詣でに加わった夜,門前仲町が丸焼けになる大惨事が起き,養父母は焼死し,勝山屋は失火の責めを問われて廃業の沙汰を受ける。二三は蓄えをカジノ弁償金として差し出した。大火事から9年過ぎた1854年,在所勝山にいた母を江戸に連れだし,てんぷら屋を改行し,庄次郎との良縁にも恵まれた。所が,25歳になった安政二年に大地震に襲われ母親と許嫁,生涯の恩人を失い,砂村で跡取りのない農婆と出会い,菜種植え付けを始める〜5歳で養女に出される時も立派だったが,打ちのめされて再起する,そういう逞しい女性がいるんだろうね。立派すぎて1時間幾らと設定しているのだろう。取り分はクラブが4割・・・うーん,贅沢が出来るかな? 当然,暴力団が絡んでくるだろうしね
房州の菜種農家に生まれた二三は、5歳の時に遠縁の江戸油問屋の幼女となる。家族との別れ、大店のお嬢さんとしての躾、町のしきたり。次第に馴染んでいくが、二三を助けるのは生母の得意料理であった天麩羅だった。
数々の不幸に襲われながらも、周囲の人の助けも借りながら前を向いて生きていく二三。一力さんのいつもながらの人情物。そしていつも通りに一気に読まされちゃいました。面白いなぁ。
2008.6.3
房州勝山と深川を舞台に、菜種栽培・菜種油・てんぷらをモチーフに五歳の二三の前段と、十五歳での火事で養父母を亡くし、三十で地震により母と許婚を失う後段。終編に違和感を覚えるが良。
菜種の花と油に纏わる娘の半生の話。幼い内に実の親兄弟から離れて、見知らぬ江戸の街に養女としてもらわれて行き、其処で出会った人の縁(えにし)に、人生という腕を挙げていく彼女。五年毎に見舞う災難を振り払い、三十路を越えて新たなる事業に踏み出す。






