- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120039171
感想・レビュー・書評
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大好きな作家さんの作品。
耳が聞こえない、という恋人の設定はただのきっかけ、設定にすぎず。相手と向き合うってことはどういうことなのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
喋れるって。便利だし、ラク。
好きって思ったら、すぐに好きって伝えられる。
素敵だと思ったら、すぐに素敵だって伝えられる。
けれど、それと同じように、ムカつくと思ったら、すぐにムカつくって伝えられてしまう。
ワタシは大変恵まれてることに言葉を発することができる。
これを利用するのではなく、活用して生きれる人間になる。 -
そんな終わり方。
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しゃべる言葉と書く言葉(読む言葉)は、別物だと思う。まとまらないあれこれ、微妙な気持ちの揺れとかを書くと「寂しい」と集約されてしまうけれど。
一言ですまされてしまうことと、言葉が届かない不安が同時に存在している。 -
読了日2012/07
主人公の俊平は、ある日偶然耳の不自由な響子と出会う。
毎日、仕事に忙殺されている俊平は、静かな世界を生きる響子に惹かれる。
俊平は自分勝手ですごく嫌な男だけど、もし自分が男だったら。。。こんな感じだったかも・・
なんとなく、俊平の肩を持ちたくなるのは、そう思うからかな。
題名通り、静かな恋愛小説。 -
やっぱり吉田修一さんは上手い作家さんですね。
主人公と知り合ったばかりの聴覚障碍者の彼女の恋を描いた作品。彼女を愛しながらも、思わぬ感覚の違いに戸惑う主人公が綿密に描かれます。
一方で、特に後半は芸能系ジャーナリストである主人公が畑違いのドキュメンタリー制作にのめり込んでいく姿に分量が割かれます。ただ、恋か仕事かという選択ではなく、あくまで二人の仲の一時的冷却のための背景だと思います。
逆に主人公や彼女の心理的な流れは余白を残したような書き方で、解釈を読者に委ねているようです。
その結果、両者(仕事と恋)の構成比率に多少違和感を感じてしまいます。恋については一方的に主人公側から描かれていますが、聴覚障碍者の彼女は魅力的です。もう少し彼女側からの視点で描いていただければ良かったかなと。。。 -
最後スッキリしない