青春の十字架

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著者 : 森村誠一
  • 中央公論新社 (2008年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120039645

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青春の十字架の感想・レビュー・書評

  • 妹の失踪、梓川の畔で出会った謎の女性、SPとしての警護対象である大臣…いくつもの事件や人間関係が絡み合い、偶然と執念に導かれて真実が明らかになっていきます。著者らしい設定の妙とストーリーテリングを堪能できます。
    「青春」「十字架」のキーワードが本筋とは関係なかったのが残念です。

  • 登山を趣味とする寒川は上高地の夕暮れを共有した
    水紀と毎年夏にその地で会うことを約束する。
    ようやくプラトニックな関係から脱した翌年、
    水紀の代理として双子の妹の香代乃がやって来た。
    彼女を代理でない個人として見ることができるようになった時、
    寒川の携帯にSPの任務の連絡が入りとんぼ返りすることに。
    護衛対象のアブルメール大統領が出席したパーティーで
    寒川は香代乃を見かけ、同僚に尋ねてみると
    彼女は銀座のクラブのマダムだという。
    当惑を抱えたまま寒川は
    新しく国交省大臣の友信を警護することとなる。
    寒川はまた突然失踪してしまったフリーライターである
    妹の加菜の消息を探していた。
    加菜は姿を消す直前まで
    友信の地元であるF県と国の公共工事の談合疑惑について
    調べていたようで、
    警察学校同期の棟居行きつけのバー「織江」のホステスにも
    インタビューしていたらしい。
    妹の失踪の原因かもしれない友信を警護することに
    葛藤を感じながらも職業意識を高める寒川は、
    やがてF県の土建業者を仕切る医者の日置にたどり着く。
    写真:著者撮影 装丁:松昭教 DTP:石田香織

    連載時は「霧の山影」というタイトルだったようですが
    そっちの方が内容に即しているのではないでしょうか。
    青春も十字架も全然キーワードとなっていません。
    加えて水紀と香代乃との恋愛模様もいらなかったのでは。
    この部分が「青春」なんだと思いますが、
    妹の失踪に関わっているかもしれない警護対象を守れるか
    という職業意識に懊悩する主人公を描ければ充分に感じます。

    とはいえ友信が寒川に洩らす
    「政治家が私服を肥やすというが、私服も最終的には分割されてしまう。権力の階段を上って行くほどに、背負う荷物と、養わなければならないものが多くなっていく。つまるところ、どんなに大きな権力を手中にしたとしても、政治家自身が自分の口に入れるものはわずかであり、寝る場所はベッドのスペースだけだ。そして、権力の階段を上るということはどんどん孤独になっていくということだよ。権力は独占しなければ権力ではない。」
    という権力者の悲哀などは非常に印象的。

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