ことば汁

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 93
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120039744

感想・レビュー・書評

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  • クローネンバーグかリンチか。生理的気持ち悪さとリンクする官能性、日常にぽっかりと開く異界。ぞわぞわきます。

  • 又吉さんがオススメしていた本 不思議で幻想的な世界に引き込まれて、あっという間に読み終えました。
    小林さんの他の作品も読んでみたいな。

  • 又吉が薦めていたので読んでみた。短編集。暗いし奇妙で変な世界。好きな感じの作風なのでまた小林昌代さんの作品を読んでみたい。

    「つの」
    主人公の女性は先生の詩が好きで論文を書く。そして先生の秘書となる。女性は20代からこの仕事をしていたが、いつしか50代となっていた。そして先生は80歳。女性は人生を先生に捧げる。先生の作品を愛するあまり、先生の作品「鹿」と融合する。

    この作品を丁度、読み終わった後に待ち合わせ場所に私の師匠が現れて何とも言えない気持ちになった。

    「りぼん」
    ふじ子は正統派美人でありながら深夜の料理番組で「生き遅れの整形美女。性格は至極に真面目だが天然ボケで頭も悪い」という悲惨なキャラで売り出されて人気が出た。このことにふじ子は気が狂いそうになりスピード狂になっていた。そして交通事故にあう。

    かなこと良子が大学時代の友人ふじ子の死の知らせを受ける。

    かなこ、良子とは仲良し三人組であった為、二人が部屋の片付けに行く。

    するとふじ子がリボンのコレクションをしていた棚をみつける。良子はその棚をゆずり受けることになりこのことが、とんでもない世界へ引きずり込む。

  • 日本でこんなの書ける女性作家いたんだなぁ。要素が複雑にからんでて面白いけど、時々わかりきったこと書いてるのでマイナス点。

  • 突然転落しだすストーリーが怖くてくせになって読んでしまう。
    ちょっと中毒なかんじ。
    笑うせえるすまんを読んでいる時によくにてる。
    この中に入っているのでは、1つ目の女房と2つ目のつのが好きだなぁ。


    私にはまだ分からないけど、
    50~60歳の女が感じる人生ってこんなものなのかな?
    えーと、筆者がこれを書いているときは48歳か。

    作中では主人公の回想という感じであっさり30年前から現在までの時間が飛んだりするので、
    主人公は若いような気がしてしまって、50~60歳の設定ということにちょっととまどう。


    それか、小池昌代の考えている人生っていうのは、
    ほとんどがルーティンで埋まっているもので描かれるような対象ではなくて、
    死ぬ直前になってそれらがずるっと崩れていくところで、
    ようやくドラマが生じて小説になるようなものなんだろうか。

著者プロフィール

小池 昌代(こいけ まさよ)
詩人、小説家。
1959年東京都江東区生まれ。
津田塾大学国際関係学科卒業。
詩集に『永遠に来ないバス』(現代詩花椿賞)、『もっとも官能的な部屋』(高見順賞)、『夜明け前十分』、『ババ、バサラ、サラバ』(小野十三郎賞)、『コルカタ』(萩原朔太郎賞)、『野笑 Noemi』、『赤牛と質量』など。
小説集に『感光生活』、『裁縫師』、『タタド』(表題作で川端康成文学賞)、『ことば汁』、『怪訝山』、『黒蜜』、『弦と響』、『自虐蒲団』、『悪事』、『厩橋』、『たまもの』(泉鏡花文学賞)、『幼年 水の町』、『影を歩く』、『かきがら』など。
エッセイ集に『屋上への誘惑』(講談社エッセイ賞)、『産屋』、『井戸の底に落ちた星』、『詩についての小さなスケッチ』、『黒雲の下で卵をあたためる』など。
絵本に『あの子 THAT BOY』など。
編者として詩のアンソロジー『通勤電車でよむ詩集』、『おめでとう』、『恋愛詩集』など。
『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集02』「百人一首」の現代語訳と解説、『ときめき百人一首』なども。

「2023年 『くたかけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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